ニュース 2002年8月8日 10:02 PM 更新

IIJ、「CDN JAPAN」を本格稼動

インターネットイニシアティブは8月8日、CDN事業「CDN JAPAN」を発表した。コンテンツプロバイダーやISPに向け、コンテンツ流通プラットフォームを提供する

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月8日、CDNプラットフォーム事業「CDN JAPAN」を発表した。オラクルやシスコなどと共同で行っていた実験サービスと同名だが、今回はIIJが単独で提供するプラットフォームサービスとなる。既に、エキサイトが「BB.Excite」でCDN JAPANを採用した。


「今年度中に10社のパートナーを獲得したい」(IIJの鈴木幸一社長)

 CDNは、コンテンツ流通専門のクローズドなネットワークだ。混雑するインターネットが介在せず、リッチコンテンツを円滑に流通させることができる。

 IIJは、全国11カ所(計画中のものを含む)のデータセンターをエリアごとにNTT東西の地域IP網と接続し、CDNを構築した。各データセンターにキャッシュサーバが設置されており、これをIIJのバックボーンが結ぶ形。また、14のCATV事業者が接続しているIIJの「HSMN」(High Speed Media Network)もCDNにつながるという。

 地域IP網を利用するため、NTT-BBの「BROBA」と同様、エンドユーザーはPPPoEでCDNに接続することが可能だ。「フレッツ・ADSL」や「Bフレッツ」のユーザーであれば、フレッツ接続ツールの設定を切り替えるだけでサービスを利用できる。

DNSの役割を持つ「コンテンツルータ」

 データセンターには、CDN JAPANの目玉ともいえる「コンテンツルータ」が設置された。コンテンツルータは、IIJの独自開発によるもので、ユーザーのリクエストに応じて最適なエッジノード(ネットワーク的に近いキャッシュサーバ)のIPアドレスを指定する機能(DNS)と、キャッシュサーバを管理する機能を併せ持つ。

 これを、キャッシュサーバと対になる形でセンター内に設置するのは、DNSの負荷分散とサーバ管理を両立させるのが目的だ。「コンテンツルーティングは、シンプルな構成で運用面の負担を減らす。CDN JAPANのビジネスモデルを決定する重要な技術だ」(同社)。

 ルータがキャッシュサーバの動作状況を把握していれば、障害の発生したサーバにリクエストがルーティングされることはない。仮にセンター内のキャッシュサーバが全滅した場合でも、他のデータセンターにスムーズに迂回させることができるという。

アプリケーション

 IIJは、CDNが実現する機能をコンポーネント化し、ISPやコンテンツプロバイダーに提供する。配信機能は、WMT(Windows Media Technologies)、RealSystem、QuickTimeのストリーミング。これに、基本的なCDN接続とハウジング、コンテンツ管理などのサービスを組み合わせた「CDNJ/BSM」(Basic System Module)の料金は月額200万円。なお、初期費用として別途、300万円が必要だ。

 さらに、IIJが持つISPの機能(ダイヤルアップ、メール、Web)を付加し、顧客企業のブランドでISPサービスを提供することもできる(OEM)。こちらは「CDNJ/ISP」と呼ばれるメニューになり、料金は応相談。

 IIJでは、年度内を目標に47都道府県すべての地域IP網とCDNを接続する計画だ。また、課金・決済機能やライブ放送、ダウンロードへの対応など、順次アプリケーションコンポーネントを拡充していくという。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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