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2002年9月6日 03:16 AM 更新
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Review
Windows Media Player 9(β)の仕上がり具合(2/4)
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使いやすくなったメディアライブラリとしてのWMP
デバイスごとに最適なビットレートへと変換する機能は、WMPの中でも有用な機能だった。当然、WMP9ではより高音質なVBRデータへの変換を期待したいところだが、現在のβ版では従来と同じCBRの32Kbps、48Kbps、64Kbps、128Kbpsの中からしか選択できなかった。正式版でVBRに対応してくれることを期待しよう。
もっとも、メディアライブラリとしてのWMP9は、以前のバージョンよりも操作性が大きく向上している。
たとえば、特定のフォルダを監視し、新たなファイルを見つけると自動的にWMP9のライブラリへと登録する機能が付加された。別のツールで作成したMP3ファイルなども、あらかじめ決めておいたフォルダのサブフォルダに保存しておけば、特別な操作をすることなく、WMP9でタグ情報を用いた分類や検索などの機能を利用できるわけだ。
また、従来は視覚エフェクトとスキン、コーデック以外は機能に手を加えることができなかったが、WMP9ではオーディオ出力やビデオ出力などに対してプラグインを用いて信号処理を行えるようになった。すでに疑似サラウンド機能などのプラグインがサードパーティから提供されている。
全く新しい機能としては、各曲の再生頻度統計を取れるようになったことがある。再生頻度から自動的に評価を行いレイティングとして表示(自分でレイティングを行うことも可能)するほか、オートプレイリストへと反映される。オートプレイリストとは、再生頻度やハードディスク上に取り込まれた時期から自動的に生成されるリストのこと。頻度が高く、レイティングが4以上の曲ばかりを集めたり、最近ライブラリに取り込んだ曲ばかり、あるいは最近取り込んだ曲でまだ聴いていない、レイティング評価が出るほど聴いていない曲だけを集めるなど、さまざまな角度から曲の候補をリスト化してくれる。
利用状況、もしくは手動で指定することで曲のレイティングを行い、それを再生時に利用する仕組みが付加された
オートプレイリストは、レイティングなどさまざまな情報を活用し、自動的にプレイリストを生成する機能。録音だけしてまだ聴いていない曲を引っ張り出す、といったこともできる
検索機能も、以前は単語が一致しなければヒットしなかったのが、部分一致でも検索にヒットするようになり、検索の速度やインターフェイスも改善されている。ユーザーインタフェースといえば、再生位置を示すバーがウインドウの端から端まで伸びるようになったのも改善点だ。WMP8ではバーが短すぎ、長めのビデオデータで再生位置を調整したいとき、望んだ場所へジャンプすることが難しくなっていた。
さらにプレーヤーをスキンモードにしたときに出る、あの邪魔なフルモードへの復帰ボタンが廃止になり、最小化した時にタスクバーの一部をプレーヤーのユーザーインタフェースにする機能も加わっている。
WMP9は、全体的な動作の重さやメモリ消費量などは以前と変わりないが、機能面や使い勝手でほかのプレーヤーと同レベル(もしくはそれ以上)に改善されている。これだけでも正式版への期待が高まるが、インターネットメディアへのアクセスフロントエンドとしての機能もいくつかの変更点が見られる。
最小化時にはタスクバーにミニプレーヤーが張り付くようになった。
[本田雅一, ITmedia]
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