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J-COM TV提供可能世帯数 | 581万世帯 |
J-COM TV加入世帯数 | 142万世帯 |
J-COM Net加入世帯数 | 50.5万世帯 |
J-COM Phone加入世帯数 | 35万世帯 |
総加入世帯数 | 159万世帯 |
「J-COM Phone」は、「ライフライン」を目指した回線交換方式の電話サービスだ。現在のIP電話では実現されていない着信や緊急電話番号への発信にも対応し、またそれまで利用していたNTT加入者電話の番号を引き続き利用できる「番号ポータビリティサービス」を採用しているのが特徴。また、同じく番号ポータビリティを実現するIP電話のフィールド実験も行っている。番号ポータビリティは、NTTと事業者の交換機同士を接続する必要があるため、商用化されれば同社だけの差別化ポイントとなるだろう。
地平氏は、CATVのメリットを「インターネットだけでなく、多チャンネルTVや電話のサービスを一本の同軸ケーブルで提供できること」と話す。さらに付加価値をくわえるため、複数のサービスをパッケージ化し、同時契約時には割引価格を設定する。「複数サービスの提供により、顧客満足度のアップ、収益性の向上、解約率の低減といったメリットがある」
月額料金は、J-COM TVが3,980円、J-COM Netが5,500円、J-COM Phoneが1,330円だが、たとえばインターネット接続と多チャンネルTVをセットにした場合は9,480円のところを8,700円、また3サービスすべてを契約すると9,390円(単純計算では10,810円)になる。これにより、「既存契約世帯の86.1%が複数のサービスを契約している。新規契約世帯に限れば、51.8%と半数以上が3サービス契約を選択している」という。
一方、広帯域に対する需要が高まるなかで、CATVインターネットにもさらなる高速化に対する期待が高まっている。ただし、すでに下り最大12Mbpsが主流となり、また16〜20Mbpsといわれサービスが見えはじめたADSLに対し、J-COMのインターネットサービスは最大8Mbpsのままだ。しかし地平氏によると、現状でも決してADSLに劣っているわけではないという。
同軸ケーブルを使うCATVインターネットの場合、ADSLのように収容局からの距離に伝送スピードが左右されることはない。しかし、電話局とユーザー宅が1対1でつながるADSLと異なり、バス接続のCATVは、他ユーザーが帯域幅を占有すると速度が低下してしまう可能性がある。これを防止するには、1台あたりのセンターモデム(CMTS:Cable modem termination system)に収容するユーザーの数を少なくすること、そして上位ISPへの接続速度に余裕を持たせること。サービスに対するコストのかけ方が顕著に表れるインフラといえる(2002年3月の記事を参照)。
同社の場合、昨年末時点で全エリアの98%をHFC化済み。年内には100%に達する見込みだ。まず幹線のボトルネックを低減したうえで、「1つのCMTSに接続するユーザー数を絞り、バックボーンも1加入者あたり20Kbps以上の容量を確保した。また、常にトラフィックを監視し、必要に応じて早めにCMTSの追加設置を行っている」。
CMTS1台あたりのユーザー数に関しては非公開だが、Web上の速度測定サイトを使った調査結果をもとに「実効速度では、(12Mbps ADSLと比較して)同等か、同等以上とみている」(同氏)としている。
しかし、使えるユーザーは限られるとはいえ16〜20MbpsのADSLが登場したとき、最大8MbpsのJ-COM Netのスペックが見劣りするのは事実だ。また、同じCATV事業者でも、イッツ・コミュニケーションズや近鉄ケーブルテレビのようにDOCSIS 1.1や2.0を使って最大20〜30Mbpsを謳うサービスがすでに登場している。
J-COMの場合は、DOCSISの採用こそ表明していないものの、幹線系光ファイバーを顧客宅まで延長する形のFTTH実験を行っている。これは、昨年5月から7月にかけ、系列局のJ-COM関東・西東京局で実施したもの。結果は、外部インターネットへの接続で平均87Mbps、ユーザー宅〜CATV局間は99.9Mbpsと良好な数字を記録したという。
ただし、地平氏は「今すぐにサービスとして提供するわけではない。いつでも投入できるよう、フィールド実験で検証した段階」と話す。DOCSISの採用も含め、市場投入する技術とタイミングを見極めようとしている状況のようだ。
「今のサービスでも競争力はある。高速化に対する需要もあるが、より広いエリアで安定的なサービスを提供するため、慎重に検証を進めていく」(同氏)
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