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2003/03/20 23:59:00 更新 |
特集:ゲーム屋の舞台裏
平和な世界に「PK」は必要か? 〜ラグナロク (1/2)
ゲーム屋の舞台裏、最終回で取り上げるのはラグナロクオンライン。その事業規模のゆえに、運営体制に対するユーザーの関心も並々ならみならぬものがある
ゲーム屋の舞台裏、最終回はラグナロクオンラインを運営する、ガンホー・オンライン・エンターテインメントに話を聞いた。同ゲームは韓国の人気漫画家、Lee Myoungjin氏のファンタジーコミックをベースにしたMMORPG。βテスト時に累計85万人のユーザーを集め、現在国内最大規模となる13万人の有料会員を誇っている。
その人気のゆえに、運営体制に対するユーザーの関心も並々ならぬものがある。同社のCOO(最高執行責任者)、森下一喜氏に話を聞いた。
同社COOの森下氏
同ゲームのプレイヤーは10代後半から20代前半が多く、全体の70%を占める。10代だけに限っても、全体の35%に達する。背景には、アニメタッチの可愛いキャラデザインがあるようで、“MMORPGは初めて”といったライトユーザーが多いという。
森下氏はこれにより、比較的穏やかなコミュニティが形成されていると話す。
「プレイヤー同士が戦えるPvP(プレイヤー バーサス プレイヤー)のシステムを導入したが、それほど盛んには行われていない。やはり、ユーザー間のコミュニケーションがメインのゲームだ」。
PKは是か非か
MMORPGを運営する事業者に話を聞いていると、“PK”(Player Kill=プレイヤー殺し)に対する思いはさまざまだ。PKが多発するとゲームが荒れると考え、好ましく思わない事業者もいれば、“何でもアリ”の雰囲気を作り上げることが、プレイに緊張感をもたらすと楽しげに話す事業者もいる。ある事業者は、「PKを推奨はしないが……ある意味、こちらが用意するモンスターとは異なる、『最大の強敵』だろう」と話してくれた。
こうした点を考慮すれば、ラグナロクオンラインの雰囲気は、比較的平和な方といえるだろう。今後は、多人数のユーザーが戦闘を繰り広げる「攻城戦」のシステムも実装される予定だが、それがユーザーの絶大な支持を得るかどうかは、まだ分からないという。
「日本のユーザーは、徐々にコミュニケーションに慣れてきている。ここでワンステップ上のゲーム要素を用意して、ゲーム世界が活性化するか見てみようということ」。森下氏はまた、ラグナロクならではの攻城戦を提供したい、と話してくれた。
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[杉浦正武,ITmedia]