リビング+:特集 2003/03/20 23:59:00 更新

特集:ゲーム屋の舞台裏
平和な世界に「PK」は必要か? 〜ラグナロク (2/2)


サーバ負荷が均一にならない

 同社は、サーバ管理にも万全を期している。しかし、人気の高さの裏返しで、多人数のユーザーの同時アクセスにより、サーバの処理能力(特集記事参照)が悲鳴をあげる場合が、ないとはいえない。

 同社が設置するサーバは、現在9つ(ほかにテストサーバが1つ)。そのうち、「ケイオス」「ロキ」「アイリス」「フェンリル」と名づけられた4つのサーバは、サービスの初期から運用を開始している。

 これら4サーバは“運用歴”が長いぶん、サーバ内のキャラクター人口も多い。しかも、後から追加されたゲームサーバと比べると、CPUなどのマシンスペックも若干見劣りする。そのため、多人数が同時アクセスした際には、処理速度にゆとりがあるとも言い切れない状況だ。

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 同社は4サーバのCPUを強化するなど、適切な処置をとってはいるものの、できればユーザーには「サラ」や「リディア」といった、増強済みの新サーバに移行してほしいようす。だが、なかなかそうもいかないのだという。

 「ワールド(=ゲームサーバ)をまたいでのチャットはできないから、新サーバに移行したユーザーは、旧サーバの友人と離れ離れになる。パーティやギルドを組んでいた場合、そのパーティ単位、ギルド単位で移行しないとグループが解散することになる」(同)。こうした要素が足を引っ張り、各サーバ間の負荷バランスは均一になりにくいという。

 同氏に、ユーザーが移行に踏み切れるように何らかのインセンティブをつける考えはないか、と聞いたところ、「それは考えていない。お金の問題ではない」との答えだった。

業界全体で「法整備」を

 同社はまた、チートコード対策(特集記事参照)などに最大限の注意を払っている。

 現状では通信時のパケットが暗号化されていないなど、改善可能な点も残されているが「こちらでも、改良できる点は(開発元の)韓国Gravityに指摘している」。実際に韓国側から協力要請も入っており、国内で改良したプログラムを、台湾のラグナロク運営事業者に提供することもあるという。

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 同氏はまた、この問題はネットゲーム業界全体で取り組む必要があると話す。これまで、こうした議論が少なかったことを問題視するとともに、「業界で統一的なルールや、マナーを打ち出す必要がある」とコメント。

 たとえばゲームのホームページに、プレイ上のルールを記載する場合、全社共通の“ルールのページ”にリンクを貼るようなイメージだという。

 「うちはこうだ、と各社の意見が異なっているようではいけない。現実の世界と同様、法的なものを整備して、安心してオンラインゲームを楽しめる環境を作りたい」。これは、今回取材したほかの事業者、全社に共通する思いのようだった。(特集終)

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関連リンク
▼ラグナロクオンライン

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[杉浦正武,ITmedia]



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