リビング+:ニュース 2003/03/18 22:08:00 更新

特集:ゲーム屋の舞台裏
ゲームマスターは今日も多忙 〜天上碑 (1/2)

ゲームの世界の平和を守るべく、トラブル解決や違法なユーザーの取り締まりに、日夜奔走するゲームマスター。独特の運営ポリシーを持つというゲームオンに、ゲームマスターの役割を聞いた

 ネットワークゲーム事業者に、運営上の苦労を聞く特集「ゲーム屋の舞台裏」。今回は3月14日に商用サービスを開始したばかりのMMORPG「天上碑」(記事参照)を運営する、ゲームオンに話を聞く。

 ゲームオンは、韓国サムスングループとして携帯電話向け、オンラインゲームの開発、運営を手がける企業。昨年10月からオープンβテストを開始した天上碑は、その東洋的な世界観が人気を博し、15万人以上の無料会員を集めた。商用サービス開始後は、有料会員2万人を当面の目標にするという。

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 ゲームオンの谷川ハジメプロデューサー

 ゲームオンのオンラインゲーム事業本部プロデューサー、谷川ハジメ氏は、天上碑の特徴として、キャラクターが一定の能力を残して生まれ変われる「転生」や、プレイヤー間で決闘を楽しめるシステムなどを挙げる。また、運営上のポイントとして挙げたのが“ゲームマスター(GM)が親しみやすい”という点だ。

 GMとは、ゲーム世界の秩序を守るために運営側が用意した、特別なキャラクター(および、その操作をする人間)。ゲーム世界に常駐しており、コミュニティ内の秩序を守るために巡回している。

 天上碑の場合、GMを操作できる人間として、現在7人が存在する。事業者によって体制は異なるが、“ゲームマスター”と呼ばれる役割は、概ねこのぐらいの人数が交代制で務めるケースが多いようだ。

 谷川氏は「従来のネットゲームにおけるGMは、サポート色が強い」と指摘する。呼び出されるのは緊急の場合だけで、不必要にプレイヤーと接触することは少ない。その点天上碑では、GMが積極的にプレイヤーと関わっていくことを強調。「抑え付ける人間ではなく、(引率役の)お兄さんという感じ」と話す。GM自らイベントを主催することもしばしばだという。

 たとえば、先日のバレンタインデーのイベントでは、GMの1人「葵」が特定の場所で、プレイヤーからの愛の告白を待ち受けていた。葵の前で告白し、見事心をいとめれば「チョコレート」がもらえ、反対に機嫌を損ねるとお仕置きをくうという趣向。こうしたイベントは参加するユーザーも多く、非常に盛り上がるという。

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 天上碑では、随時イベントを展開している(写真は、3月4日に開催されたイベント「死の牢獄ファイト」)

 GMがこうしたスタンスのため、プレイヤーも気軽に近寄ってくるという。「GMが街を歩いていると、『あ、○○さんだ! 一緒に写真(=スクリーンショットを撮るシステム)を撮ろう』などと話し掛けられている」(谷川氏)。ちょっとした人気者のようだ。

 もっとも、GMの仕事は楽しいことばかりではない。オンラインゲームでは、どうしてもユーザー間のいざこざが発生することがある。こうした場面で、仲裁役を買って出るのもGMの大事な仕事だ。

 「重要なのは、争いの原因がユーザー自身にあるのか、ゲームバランスにあるのかということ。アイテムを貯蔵する倉庫の数が足りず、取り合いになっているようなケースでは、運営側で調整も考えなくてはならない」。

 また、前回取り上げたチートコード(特集記事参照)を防ぐことも重要な役目となる。

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[杉浦正武,ITmedia]



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