リビング+:特集 2003/04/08 23:59:00 更新

特集:生活に役立つネットワーク
保育園でライブカメラ 〜愛娘をチェック (1/2)

ブロードバンドインフラは、医療、教育、恋愛、保育、さまざまな分野において我々に恩恵をもたらしている。各サービスの現場から、生の事例をレポートしよう

 ブロードバンドインフラの普及は、コンシューマーの実生活に何をもたらすのか? IP電話で通話したり、オンラインコンテンツを視聴するユーザーは確かに増えた。しかしネットワークは、これ以外にもさまざまな恩恵を我々にもたらしてくれるはずだ。

 今回の特集では、定点観測カメラや業務用イントラネットなど、“現場で活躍するネットワーク”に焦点を合わせて、生の事例を収集することに努めた。ジャンルは医療、教育、恋愛、保育と、人間が生活する上で関わりの深いものを選択。本日から4回に分けて掲載する。

4月8日:保育園のライブカメラ
4月9日:医療実習に役立つブロードバンド
4月10日:IPテレビ電話でお見合い
4月11日:大学教育とe-ラーニング

 第1回は、ライブカメラを導入した保育園のケースを紹介しよう。「保育園にライブカメラ」というサービス自体は、数年前から存在したものだし、聞いたことがある人も多いだろう。しかし、この種のサービスに積極的な保育園が少ないこともあって、普及度はまだまだだ。

 今回お邪魔したのは、横浜三ツ境にある保育園「アンデルセン」。ライブカメラは昨年の9月から導入、運用している。

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 記者が伺ったのは、保護者が迎えにくる夕方。子供たちは活発に動き回り、記者が気後れするほど
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 天井に設置されたWebカメラ。左右170度に回転可能で、広角レンズのため360度をカバーできる

 保育園は国が定めた基準により、認可保育園と無認可保育園に分けられる。一般に、無認可保育の方が料金が高くなる場合が多く、ユーザーは認可保育園に流れる傾向にある(もっとも、認可保育園は数が少ないため、“入園待ち”の児童が出てくる。これが「待機児童」だ)。

 アンデルセンは、この分類でいうと無認可保育園。ただし、横浜市からの認定があり、補助金が出ているぶん、料金設定にもいくらか余裕がある。また、保護者に魅力あるオプションサービスを用意しようと積極的だ。

 アンデルセン園長の小笠原康光氏は、ライブカメラ導入の理由を「情報公開のため」と話す。

 「無認可の保育園は、いろいろと事件もあって社会的にイメージの悪いところがある。この理由は結局、“何をやっているか分からない”という密室性にある」。ライブカメラで透明性を高め、保護者の心配を払拭しようとの考え。

 同保育園のブロードバンド環境は、1.5Mbpsのフレッツ・ADSLとそれほど目を引くものではない。ここにウインワンズウエイのASPサービスを導入し、必要機材を購入してサービスを開始した。各ユーザーには毎月500円を上乗せすることで、サービス運営費を捻出している。

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 カメラ映像は、クライアントPCからこう見える。各ユーザーはカメラを操作、ズームして我が子の姿を映し出せる
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 カメラの操作は、30秒単位で交代する。画面はJPEG画像としてキャプチャーし、ローカルに保存することもできる

 導入しての手ごたえはどうだったのだろうか。小笠原園長は、「いろいろ不安もあったが、結果としてはとてもよかった」と満足げだ。

 「こんなことなら、もっと早くから導入すればよかった」(笑)

次ページ:同保育園が成功を実感するまでの経緯は?

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[杉浦正武,ITmedia]



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