リビング+:ニュース 2003/04/11 23:44:00 更新


252MbpsのマルチバンドUWB、インテルが世界初のデモ

インテルは「Intel Developer Forum Spring 2003 Japan」でマルチバンドUWB(Ultra Wide Band)をデモンストレーションを行った。1mの距離で252Mbpsの伝送速度を実現する

 「Intel Developer Forum Spring 2003 Japan」の3日目、インテルは基調講演でUWB(Ultra Wide Band)をデモンストレーションを行った。昨年のIDFでは「4mの距離で100Mbps」だったが、今年は「1mの距離で約252Mbps」。距離は短くなったが、高速な近距離無線技術としての可能性を広げるものだ。

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基調講演を行った米Intel、インテルフェロー兼コーポレート技術本部コミュニケーション&インターコネクト・テクノロジ・ラボ ディレクタのケビン・カーン氏
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IDFの基調講演で行われたデモンストレーション

 一般ユーザーには、まだまだ馴染みの薄いUWB。だが、PCベンダーや家電ベンダーの間では高速なPAN(Personal Aria Network)の手段として注目を集めている。米連邦通信委員会(FCC)の定義は「100MHz以上の帯域幅を使う無線技術」と、かなり大雑把だが、最大7.5GHz幅(FCCの規制は3.1GHz〜10.6GHz)で200Mbps〜1Gbpsの通信速度を実現できるという。

 特徴は、超高速、省電力、そして短い伝送距離。UWBが使う周波数帯には既存の無線インフラが多数存在するため、出力を上げて伝送距離をかせぐことは難しい。したがって、現在の無線LANを代替する手段にはなり得ない。インテルがUWBを“USB 2.0のワイヤレス版”、あるいは“高速なBluetooth”といった表現で紹介するのはそのためだ。

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IEEE 802.11a/bのように、狭い帯域幅に連続した搬送波(キャリア)を発生させるのではなく、広範囲に短いパルスを生じさせる

 一方、高画質化するAV機器の用途をメインに家電ベンダーもUWBの採用を検討している。将来的には、HDTVフルサポートのワイヤレスTVや、背面には電源コードしかないAV機器などが登場するかもしれない。

 UWBの規格化をめぐる動きは、米国のほか、日本や欧州でも活発化している。2003年1月にはIEEEの中にPANの仕様を検討するタスクグループ「IEEE 802.15.3a」が発足したが、カーン氏によると2004年中には最初の標準化が行われる見込みだという。「市場で消費者が(UWB標準規格準拠の)製品を手にできるのは、2005〜2006年になるだろう」(同氏)。

“マルチバンド”に傾倒したインテル

 IEEE 802.15.3aに提案するため、インテルを含む14社は共同で「マルチバンド」の草案を作成中だ。マルチバンドは、UWBで利用する周波数帯を500MHz〜700MHz単位で分割し、別々に伝送するというもの。メリットは、「規格の柔軟性を高め、他の無線インフラとの共存が容易になること」(カーン氏)。

 干渉は少ないといわれるUWBだが、たとえば「1台のノートPCにIEEE 802.11aとUWBの両方を実装したとき、干渉は避けられない」。しかし、分割した周波数帯のうち、5GHz帯にかかる部分を使わなければ、干渉は発生しないわけだ。

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マルチバンドUWBの概念図。時分割や周波数分割によって柔軟性はさらに向上する
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IEEE 802.11aとの干渉を回避するため、5GHz帯をオフにした状態

 これは同時に、国ごとに異なる法制上の問題を解決することにもつながる。つまり、各国の規制に合わせてスペクトラムの範囲を構成し、仮に規制緩和などで新しい周波数帯が利用可能になれば、該当するバンドを追加すればいい。「マルチバンドの概念は、FCCが利用を認可した7.5GHzの帯域を最大限に活用できる有望なアプローチだ」(カーン氏)。

 デモンストレーションでは、各42Mbpsの伝送能力を持つ6つのサブバンドにより、合計252MbpsのUWBを披露。エラー分を除き、実効221Mbpsで動作することを実証した。

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デモンストレーション中のデータ受信状況
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インテルは、UWBの物理層(Phy)とMAC層、そしてトランスポート層を共通するプラットフォームとして標準化する構え。トランスポート層にはIPv6を使い、そのうえでさまざまなアプリケーションを実現する

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▼インテル

[芹澤隆徳,ITmedia]



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