News 2002年12月11日 08:30 PM 更新

特集 2002年回顧(2)
ワイヤレス、“元年”の混沌(前編)

コンシューマーレベルの普及が一気に進んだという点で、今年は名実ともに「ワイヤレス元年」になった。しかし、セキュリティの脆弱性やローミング問題、次世代規格の乱立、ホットスポットの事業性など、“元年”にふさわしく、その状況は“混沌”そのもの。ワイヤレスが2002年に奏でた狂騒曲を、もう一度どうぞ

▼無線LANは、侵入者の夢の王国
▼規格――選択肢の多さが「自由」だとは限らない
▼Microsoftの「お茶の間乗っ取り計画」起動中
▼Intelはワイヤレスにも“はいってる”

【後編】
▼みんながホットスポットに群がった
▼ワイヤレスなガジェットがいっぱい
▼UWBは本当に“万能カッター”だったか……?
▼Bluetoothのサバイバルライフ2002

無線LANは、侵入者の夢の王国

見えない気軽さ? なのか、無線LANのタダ乗りに“寛大”なユーザーは今も少なくない。それはそれで案外いいのかもしれない、とさえ思えてくるほどだ。とはいえ、犯罪に使われてしまうとすれば、話は別。セキュリティは間違いなくワイヤレス最大の課題だ。“国家的危機”とあおる向きが、妙な規制をはびこらせそうなのは困り者だが……。

侵入者の夢の王国“無線LANネットワーク”
無線LANは手軽にネットワークを構築する手段。だがその手軽さ故に、クラッキング天国となっている

  • もはや無視できない? 無線LANのセキュリティ
  • ノーセキュリティの無線LANスポットが持つリスク
  • 無線LANのセキュリティ〜解決策はまもなく登場

    無線LANの“穴”が犯罪につながる……?
    隣人が自分の家の無線LANにアクセスし、そこから海賊版映画をインターネットにばらまいていた――米AT&T Broadbandの加入者が、知らないうちにそんな事件に巻き込まれていた

    無線LAN経由の「タダ乗りは許さない」
    米CATVインターネットサービス事業者の一部が、無線LAN経由でサービスアカウントを不特定ユーザーに開放している加入者に対して警告を送り始めた

    802.1x規格にセキュリティ上の問題
    無線LAN規格のセキュリティに関して、米研究者が新たな問題点を指摘。ユーザー認証を強化した新規格「802.1x」に、セッションハイジャックと仲介攻撃に使われる危険のある問題点があるとしている

  • MS、「802.1x」で無線LANセキュリティ強化
  • 無線LANに十分なセキュリティをもたらす「802.1x」
  • 802.1xはモバイルで“使いものにならない”?
  • WEPに代わる無線LANセキュリティ新標準「WPA」

    政府、業界、国民が一丸に――ホワイトハウスのネットセキュリティ戦略
    米政府がサイバーセキュリティ強化計画を発表。この計画はセキュリティ確保の責任を企業や個人に委ねるもの。IT各社はこの計画を支持しているが、自発的な行動に依存する点が欠陥だという指摘もある

  • 無線LANのセキュリティは「国家危機」
  • セキュリティ上の配慮から無線LAN使用を中止――ローレンス・リバモア国立研究所
  • セキュリティの責任を負うべきは誰か

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  • 規格――選択肢の多さが自由だとは限らない

    802.11bのままではないことはわかっている。だが、次は“a”なのか、“e”なのか、それとも“g”なのか? 結局、ユーザーはどこにも進めず、“b”の普及はいたずらに進んだ。それはATバス規格が思いのほかの長命を全うしたときの経緯をちょっと思い出させる。この不自由な状況から、ユーザーは2003年こそ抜け出すことができるだろうか。

    製品登場に一歩近づいた802.11g規格
    無線LAN規格「802.11g」が最終承認に向けた第1段階をクリアした。早ければ来月にも対応機器が発表されるかもしれない

  • 初の802.11g対応チップセット出荷
  • 無線LANの主流は、“混沌の後”802.11a&11gへ
  • シャープ、IEEE 802.11“e”の国内初デモ
  • 「Wi-Fiの父」が目指す次なる目標

    802.11aオンリーはWindows認定対象外――デュアル対応を促すMS
    1社だけ例外はあったようだが、Microsoftは802.11aにしか対応していないモデムには、Windowsシステム認定書を発行していない。同社は「デュアルバンドという要件を広めるべく」業界団体と協力するとしている

  • 無線LAN、時代は“デュアルモード”へ
  • 802.11a製品の愛称は「Wi-Fi5」でなく「Wi-Fi」
  • 802.11aの導入を急ぐ必要はない

    Wi-Fiにローミングの用意はできたか?
    Wi-Fiのローミング実現に向け、世界中の関係団体が取り組んでいる。ただ、その推進にあたって問題になっているのは「技術」の話ではない

  • 三つどもえ? 米ホットスポット「ローミング標準」

    燃料電池にマルチバンド、有機EL――ノートPCの進化の夜明けは近い
    燃料電池、マルチバンドワイヤレス通信、小型ハードディスク、有機ELなど、ノートPCを進化させるさまざまな部品開発プロジェクトが進んでいる

  • 携帯電話やPDAにも無線LAN機能

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  • Microsoftの「お茶の間乗っ取り計画」起動中

    ワイヤレスはビジネスチャンス。Bill Gatesは当然、そう考えたのだろう。同社は2002年、家庭用無線LAN製品群をリリースしたほか、MS版携帯電話やおそらく高速無線LAN対応がキーワードになるWindows XP Media Centerの投入を打ち出した。ワイヤレス家電開発にフォーカスした新会社を設立したApple共同設立者、Steve Wozniak氏の活躍に密かな期待を寄せている業界関係者は意外と多いかもしれない。

    MS、ライバルひしめく家庭内LAN市場へと船出
    Microsoftが家庭用有線/無線LAN製品群を発表、多数のライバルがしのぎを削っている市場に飛び込んだ。同社は「使い勝手の良さ」を売りにしていくが、この市場ではむしろ「流通力」がものを言うようだ

  • Microsoftの「やさしいネットワーク」は、なぜ“うさんくさい”のだろう

    Microsoftの「お茶の間乗っ取り計画」は、こう行われる
    今秋登場のWindows XP Media Centerは、さほどの評判にはならないだろう。だが、これはホームコンピューティングを支配するMicrosoftが、ホームエンターテイメントをも支配するための第一歩なのだ

  • Freestyle PCは市場に受け入れられるか?
  • Miraデバイス「Airpanel」正式発表

    MS、AT&T Wirelessとの提携でモバイル侵攻強化
    MicrosoftがAT&T Wirelessとの提携を発表。両社は第4四半期にPocket PC Phone Editionベースのデバイスを投入。年内に社内データへのアクセスにフォーカスした企業ユーザー向けサービスを提供する

  • 「Microsoftの携帯電話」がいよいよ登場へ
  • MS、Pocket PC Phone Edition搭載デバイス「Thera」を発表
  • ワイヤレス化を着々と進めるMicrosoft

    無線LAN接続の簡略化とローコスト化を実現する「Soft Wi-Fi」
    MicrosoftがWinHECで、家庭での無線LANを、もっと簡単で安全で安いものにするための技術を提案している。「Soft Wi-Fi」はアクセスポイント機能をソフトで実装する

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  • Intelはワイヤレスにも“はいってる”

    マーケットのあるところ、必ず登場するもう1社がIntelだ。同社は高速無線LANチップを発表したほか、プロセッサにもワイヤレス機能を混載することを明らかにした。ワイヤレスで“Intel Inside”のカテゴリーをさらに広げていく戦略だ。

    Intelの目指す道は“ワイヤレス”
    IntelはBaniasやXScaleプロセッサでワイヤレス対応に力点を置いている。ワイヤレスは業界各社が期待を寄せる「PC市場再生のカギ」だ

    「2つの頭脳を持つチップ」に取り組むIntel
    Intelがデュアルコアプロセッサの研究を進めている。増え続けるトランジスタを活用し、性能向上と消費電力削減を約束するとして、デュアルコア設計には期待が持たれている

  • LaGrande、ワイヤレス機能混載チップ――Intel CTOがほのめかした“秘密”

    Intel、「Calexico」で802.11a/bチップ推進
    Intelが来年、初の自社製802.11a/802.11bチップをリリースする。同社はチップセット市場に参入したときのように、これら無線LANチップを自社製コンポーネントとセットで販売する計画だ

  • Intel、ギガビットイーサをクライアントPCに。高速無線LANは802.11aを推進

    Intel、家庭用無線LAN製品から撤退
    Intelが家庭用無線LAN製品「AnyPoint」の販売を中止した。Windows XPで簡単に無線LANを設定できるため、同製品は時代遅れになったという

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