リビング+:PR 2003/05/12 00:00:00 更新
特集:MegaBit Gearの実力

製品レビュー
シンプル&イージー、それでいて多機能な「MegaBit Gear TE4621C」

どらかといえばレンタルが主流のADSLモデムだが、レンタルの場合ユーザーにまったく選択肢が無く、デザインも機能も選べないのが実情。やっぱりADSLも自分で選びたい、そんな人の有力な選択肢となる「MegaBit Gear TE4621C」を使ってみた

住友電工ネットワークスが販売する「MegaBit Gear TE4621C」は、12Mbps対応のADSLモデム。もちろん、1.5/8Mbpsサービスにも対応し、ADSLキャリアとしてはイー・アクセス、フレッツADSLなどに対応する。同社のモデムはOEM採用例も多く、実際に利用している人も多いだろう。

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本製品の特徴は、やはりそのサイズとカラーバリエーションだ。デザインは一目で「MegaBit Gear」シリーズと分かるものだが、レンタル製品として多く利用されている「TE4121C」(8Mbps対応)などと比較すると半分ほどの大きさ。縦置きにした場合でも、奥行きが短いぶん確実に設置面積は小さくなる。基本的なデザインこそ変わっていないが、高さをそのままに幅が詰められているため、デフォルメされたような雰囲気もあり、チョロQのような愛らしさを感じる。

3つのカラーバリエーションも、ADSLモデムとしては貴重だ。メタリック基調のパープル、グリーン、ブルーが準備されており、ブラック、ホワイトが中心のレンタルモデムと比較すれば格段にスタイリッシュだ。従来の市販ADSLモデムは機能一辺倒の印象が強く、設置場所とのコーディネートまで考慮したADSLモデムは初めてだろう。

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 本体が小さいため、内容物もいたってシンプル。ACアダプタが大きく見えるかもしれないが、これは本体が小さいためでADSLモデム用としては標準的なサイズ

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 縦置きでもそのコンパクトさは明白。TE4121C(左)と比較すると、サイズの違いをはっきり感じる

もちろん基本機能は充実している。既に述べたとおり1.5〜12メガまでのADSLに対応し、ルータ機能も搭載しているため、複数のPCで同時にインターネット接続が可能だ。今やルーター機能には必須ともなりつつある「UPnP」にも対応しており、WindowsMessenegerのボイスチャット機能やファイル転送機能なども一切の機能制限を受ける事無く利用することができる。

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 底面と側面には面積のあるゴム足があり、滑りやすい机上などでもしっかりと設置できる。背面はこれ以上ないシンプルさ。ハードウェアリセットスイッチがあるのも○

シンプル&イージー、レンタルモデムと変わらぬ容易な導入

 ADSLモデムといえば、触れたことがある人ほど設定が難しいと思うのではないだろうか。レンタルモデムの場合、ISPやADSLキャリアに合わせて初期設定で出荷されているので設定は容易だが、実際にはADSLは「PPPoA」「PPPoE」といった通信方式の違いを筆頭に、設定項目は以外と多い。市販ADSLモデムの場合、こういった点が不安要素にもなるはずだ。

本製品では、「おまかせ設定」を利用すれば接続ID、パスワードの設定だけですぐ使い始めることができる。ADSL事業者を選択すれば適切な設定が行われるようになっているからだ。レンタルモデムと異なる点は、最初にADSL事業者を選択する点であり、これも一覧から選ぶだけ。こむずかしい設定は一切必要ないのだ。

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 「おまかせ設定」用のIDで本製品にログインし、接続ADSL事業者を選択。後は、接続用IDのパスワードの設定だけで使い始めることができる

一般的な使い方であれば、「おまかせ設定」だけで十分だ。「UPnP」は標準で有効になっており、さらに同社製品の特徴である「GapNAT」のON/OFFの設定も行える。GapNATについては後述するが、ADSLモデムが最初に認識したPCでGapNAT機能が利用できるようになっており、利用するPCは数台、使う時だけPCの電源を入れる、といった一般的なスタイルであればこれで困ることはないだろう。(なお、同社のカスタマーサポート体制については別記事参照

詳細設定モードでヘビーユースにも対応

 本製品がおもしろいのは、既に紹介した「おまかせ設定」「詳細設定」をログインIDで使い分けている点だろう。このため「おまかせ設定」では、一切余計な情報がユーザーの目に触れる事はなく、ビギナーが余計な設定を行ってパニックを起こす事を防いでいる。そして「詳細設定」では多機能モデムとしての本領を発揮する事が可能になる。

例えばフレッツADSLで利用可能なマルチセッションモードも「詳細設定」からのみ利用可能だ。同時に2つ以上のインターネット接続を行う事が可能で、アクセス先で使い分けたり、PCごとに異なるインターネット接続を使うといった事もできる。このため、1台のPCからフレッツ・スクウェアへのアクセスと、ほかのサイトへのアクセスを同時に行うといった事もシームレスに行える。

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2つ目のISPとして、フレッツ・スクウェア接続用の設定を行う。これにより、インターネット接続から切替えなしでフ、レッツ・スクウェアにアクセスできる

GapNATも、詳細設定からはより便利に使える。LANカードのMACアドレスを登録する事でGapNAT機能を利用するPCを特定しておくことができる。現在のところ、GapNATが便利なのは主にネットワークゲームなどだから、特定のPCに固定しておくと便利な場合は多いだろう。

なおGapNATに触れておくと、この機能はISPからADSLモデムに割当てられるグローバルIPアドレスを1台のPCにも割当てつつ、他のPCにもプライベートIPアドレスを割振って複数のPCからのインターネット同時利用を可能とする機能だ。インターネット側からは、GapNAT機能を利用しているPCが透過的に見えるので、通常ルーターを利用が許されないネットワークゲームなども問題なく楽しめる(GapNATの詳細については、別記事参照)。

これ以外にも、詳細設定ではキャリアチャートを表示することで、何が原因で通信速度が遅いのか、といった原因をある程度把握する事もできる。もちろんこれを見たからといって、ADSLが本来持つ距離の壁を乗り越えることができるわけではないが、例えばISDNの干渉が以上に大きい、AMラジオの電波以外にも大きな干渉が有るといった事を簡単に把握することができるのだ。

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 キャリアチャートは、ISDNサンプルノイズとラジオノイズを重ねて表示させることができる

シンプルな市販ADSLモデムのメリットはなんだ

 これまでにも、ADSLモデムが市販された例はいくつもある。しかし商業的に成功したとは言い難い。これは価格的にレンタルに対して割高感が強かったり、デザイン的なメリットがなかった辺りが問題と思われるが、この点本製品はかなり低価格路線を打ち出しており、デザイン的なメリットを持つ。

どうせ購入するなら無線LANも、といったハイブリッド製品を検討する人も多いだろう。実際、住友電工ネットワークスも無線モデルの開発を検討している。しかし、ADSLモデムと無線LANアクセスポイントが分離しているケースの方が、時としてよい場合もある。ADSLモデムはできだけモジュラージャックの側が良いし、無線LANアクセスポイントはクライアントからできるだけ均等な距離の場所に設置するのが理想的だ。たまたま理想的な位置が一致する場合もあるだろうが、分離していた方が適材適所に配置できるはずだ。

またADSLにしても無線LANにしても、別々に進化しているといった点にも注意がいる。ハイブリッド製品を購入してしまうと、片方の機能を進化させるために、また高価なハイブリッド製品を購入せざる得なくなるのだ。もちろん、ハイブリッド製品のメリットを否定するわけではないが、例えば初期のブロードバンドルータ+無線LANといった製品の中は、既に8/12メガADSLの通信速度に対応できなくなっているものも多い。

本製品は、ADSLモデム+ブロードバンドルータという見ようによってはハイブリッド製品だが、ADSLでのインターネット接続には最低限必須とされる機能を集約しているという意味では、シンプルな製品と言える。むしろ、レンタルADSLモデムの置き換えには向いている。

レンタルADSLモデムはその性格上、コスト第一主義で製造されており、必要最低限の機能に画一的なデザインとなるのは仕方ないとも言える部分だ。そんなレンタルADSLモデムに不満のある人は、低価格化も進んだ本製品のような市販ADSLモデムの導入を検討する価値は、十分にあるだろう。

関連リンク
▼住友電工ネットワークス
▼ルータモデム徹底検証:MegaBit Gearの実力

[ITmedia]



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