リビング+:ニュース 2003/05/19 21:24:00 更新


迷惑メール防ぐ「広告ガイドライン」が策定へ

迷惑メール対応連絡会は、電子メール事業の健全な発展を目的として「広告メール ガイドライン(案)」をとりまとめた。オプトイン/オプトアウトの基本的な考え方が提示されている

 迷惑メール対応連絡会は5月19日、電子メール事業の健全な発展を目的として「広告メール ガイドライン(案)」をとりまとめた。Web上に公開して意見を募集し、今後のガイドライン策定につなげる。なお、迷惑メール対応連絡会とは、電気通信事業者協会、日本インターネットプロバイダー協会、Web広告研究会といった社団法人、およびモバイル・コンテンツ・フォーラムが参加する団体。

 迷惑メール防止に関する法令では、ユーザーが送信を請求する「オプトイン」、再送信を拒否する「オプトアウト」といった考え方をもとに、罰則などが規定されている。しかし、実際の現場レベルでは“何がオプトインにあたるか”といった定義があいまいで、主観的に決められているのが現状。当局としても、規制にあたり判断が難しい場合があった。

 このため連絡会は、ガイドライン案を作ってオプトイン/オプトアウトの基本的な考え方を提示。併せて、事業者としてどのような対応が推奨されるかなどを示している。

オプトインの分類

 ガイドライン案によれば、オプトインは、ユーザーの承諾が「明示的な場合」か「暗黙の承諾」か、あるいは承諾の範囲が「明確」か「不明確」かによって4種類に分類される(下表参照)。

明示的な承諾暗黙の承諾
承諾の範囲が明確タイプAタイプC
承諾の範囲が不明確タイプBタイプD

タイプA

 タイプAのメールとは、送信される内容がすべて明示されており、受信者がこれを確認して、能動的に送信を承諾したもの。メールマガジンなどがこれにあたる。

 あらかじめメールの送信元、連絡先が記載されており、かつオプトアウトの方法の表記が記載されている必要がある。ユーザーがオプトアウトするまでは、承諾広告とみなされる。

タイプB

 タイプBのメールは、送信される内容の一部が明示されており、受信者がこれを確認して、能動的に送信を承諾したもの。サイトで資料請求を行った場合の、告知メールなどがこれにあたる。

 あらかじめメールの送信元、連絡先が記載されており、かつ資料請求などの目的が、明示されている必要がある。ユーザーは、継続的なメールの送信や、関連情報の送信などは承諾していないため、2回目以降は承諾を得なければならない。

タイプC

 タイプCのメールは、受信者が属する団体などにアドレスを能動的に開示している場合に、そのユーザーの利益を守るために送信されるもの。ISPの障害・メンテナンス情報、料金改定などを告知するメールがこれにあたる。

 メールには、団体の主催者であると認められる送信元名、およびその連絡先が記載されている必要がある。また、送信内容はユーザーの利益を守るために必要な情報でなければならず、告知内容と関係ない広告は含まないことが望ましい。

タイプD

 タイプDのメールは、受信者が自らのアドレスを連絡先として能動的に開示している場合に、そのユーザーに情報を伝達するため送信されるもの。名刺交換などでアドレスが開示され、そこへメールを送信する場合がこれにあたる。

 ユーザーがアドレスを開示した相手と、同一のメール送信元名、および連絡先が記載されている必要がある。ユーザーは、継続的なメールの送信や、関連情報の送信などは承諾していないため、2回目以降は承諾を得なければならない。また、初回のメールは連絡が目的であるため、連絡と全く関係のない広告を含まないことが望ましい。

オプトアウトの考え方

 ユーザーがオプトインしていないメールは、「未承諾広告*」の表示を行い、かつメール本文に、オプトアウトの方法をメールアドレスと共に掲載する必要がある。また、ユーザーがオプトアウトを行った場合、直ちに対応し、次回のメールより送信しないようにしなくてはならない。

 オプトインメールでも、ユーザーがオプトアウトを行った場合は、直ちに対応するのが原則。ただし、事務的/物理的な処理のため時間がかかる場合は、1週間を上限として“一定期間後からの停止”の措置をとることもできる。なお、この一定期間が1週間を越える場合は、その旨ユーザーに告知することが望ましい。

 なお、ガイドライン案に対して意見を提出したいユーザーは、住所・氏名・会社名などを明記の上、「迷惑メール対策連絡会事務局」宛に提出すればよい。提出期限は、6月6日18時まで。

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関連リンク
▼広告メール ガイドライン(案)公開ページ

[杉浦正武,ITmedia]



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