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2003/07/15 22:44:00 更新 |
最大50Mbpsの「クアッドスペクトラム」、TTCで承認
最大50Mbpsの通信速度を実現するとされる「クアッドスペクトラムADSL」が、クラスBとして承認された。イー・アクセスが強く承認を要求し、これが認められた。
社団法人の情報通信技術委員会(TTC)は7月15日、第2回「スペクトル管理 SWG」(サブワーキンググループ)会合を開いた。会場では、最大50Mbpsの通信速度を実現するとされる「クアッドスペクトラムADSL」(記事参照)が、クラスBとして承認された。
ADSLの新方式としては、既にダブルスペクトラムADSLが、7月9日時点でスペクトル適合性を確認されている(記事参照)。今回、イー・アクセスなどがクアッドスペクトラム適合性を計算した資料を提出し、複数社の計算結果が符号したことから、同方式が「NTT設備への収容制限なし、線路長制限なし」のクラスBに分類されることとなった。
ソフトバンクBBは反対したが……
クアッドスペクトラムの適合性認定にあたっては、米Globespan Virataが「そもそもクアッドスペクトラムについて、審議を行う必要がない」と主張。いきなり波乱含みの展開になった。
Globespanは、クアッドスペクトラムがまだITUで標準化されていないことに言及し「仕様が固まってもいないものに対して、スペクトル適合性を確認しても時間の無駄」との姿勢を示した。ソフトバンクBBも、これに応じて「そもそもクアッドスペクトラムの審議を急ぐ必要があるのか」と疑念を呈した。
これに対し、イー・アクセスは前回同様「われわれは、ダブルスペクトラムとクアッドスペクトラムを同時並行して、今まさに開発中」と強調。接続約款を認めてもらわなければフィールド試験もできない、として承認の必要性を訴えた。
既にクアッドスペクトラムに対応した技術を持つ、センティリアムジャパン(記事参照)も、横からイー・アクセスを援護する。そもそも、国際標準でなくても国内でサービス提供を望む事業者がいれば、TTCではスペクトル適合性を確認すべき、といった議論も交わされた。
自社設備に回線を収容する立場のNTT東日本は、この議論の中で「スペクトル適合性が確認されたのなら、NTTは接続を拒む理由はない」とコメント。イー・アクセス寄りの立場をとった。
最後は、イー・アクセスの小畑至弘取締役が「われわれは、前回の会合でもタイムリーに資料を提出したのに、取り上げられなかった(記事参照)。今回もその繰り返しになるのは、避けたい」と強い口調でコメント。そのまま、承認を押し切った。
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情報通信技術委員会
[杉浦正武,ITmedia]