センティリアムジャパンは、ダブルスペクトラムADSL+の日本仕様「Annex I」に準拠したADSLチップ「Palladia 210」を発表した。下り最大速度は20Mbpsを超えるという
センティリアムジャパンは2月12日、ADL加入者宅内装置(CPE)向けの新しいADSLチップ「Palladia 210」を発表した。同社は、米Centillium Communicationsの日本法人。Palladia 210は、ITU-Tで検討が進められているADSL+規格に準拠し、下り最大速度は20Mbpsを超えるという。 ADSL+は、ADSLの下り方向に利用する周波数帯域を現在(G.992.1)の2倍に拡大し、速度を向上させる規格だ。具体的には、12Mbps ADSL(G.992.1)の24KHz〜1.1MHzに対して、ADSL+は上限が2.2MHzとなる。また、3.75MHzにまで拡張する仕様も検討されており、2.2MHzまでの仕様を“ダブルスペクトラムADSL+”、3.75MHzまでの仕様を“クアッドスペクトラムADSL+”と区別している。 ダブルスペクトラムADSL+は、「Annex I」という名称で日本向けの仕様も検討されてきたが、これが1月に行われたITU-T会合で合意に至り、4〜5月には正式勧告される見通しだ。「Palladia 210は、Annex Iにも準拠している」(センティリアムジャパンの高橋秀公代表)。Annex Iと同社のeXtremeDSL技術を組み合わせることで、Palladia 210は、20Mbpsを超える下り速度を実現するという。 Palladia 210の特徴は、Annex Iのサポートだけではない。P210はMIPS Technologiesの32ビットコア「4Kc」を採用して処理能力をアップ。組み込みLinuxなどのリアルタイムOSを動かし、ルータ(NAT)やファイアウォール(フィルタリング)、IP-VPNといった機能を付加することができる。また、製造プロセスルールも0.13μmへと微細化されたため、処理能力を向上させつつ、消費電力は従来製品(P200)の約半分に抑えることが可能だという。 なお、P210の発表にあたっては、Annex Iを提案したNECアクセステクニカと住友電工ネットワークスが歓迎のコメントを寄せている。「P210は、データ伝送速度広報に対するサービスプロバイダの需要を満たす手段をわれわれに提供しながら、従来のチップセット同様MIPSコアを利用しているため、ソフトウェア開発資産を最大限に利用できる」(NECアクセステクニカ)。 一方、競合の米GlobespanVirataも「ADSL2」と「ADSL+」をサポートした「Argon III Plus CPE チップセット」のサンプル出荷を1月に開始している。両チップベンダーの新製品がそろったことで、16Mbps超のADSLサービス実現に向けた環境が整ったといえそうだ 関連記事![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 関連リンク ![]() [芹澤隆徳,ITmedia] ![]() モバイルショップ
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