ニュース 2002年5月22日 00:11 AM 更新

eXtremeDSLが有利な理由とは?〜米Centillium

イー・アクセスやNTT東西地域会社が採用する米CentilliumのADSLチップ。ADSLの高速化と長距離化を図るeXtremeDSLの仕組みについて、来日した同社のDori Braun副社長に聞いた

 米Centillium Communicationsは5月22日、日本市場に向けてADSL技術「eXtremeDSL」を投入すると発表した(別記事を参照)。ADSLサービスの提供エリアを拡大し、また下りの伝送速度を高速化させるもの。まず、同社の新しいADSLチップ「Palladia」シリーズに適用される予定だ。


マーケティングアクセスビジネスユニット担当副社長のDori Braun氏(左)とコーポレートコミュニケーション担当ディレクターのLaurie Falcorner氏(右)

 別記事で触れているように、eXtremeDSLは、ADSLに付加する新技術の総称だ。その第1弾として今回発表されたのが、ADSLの伝送距離を延ばす「eXtremeReach」と、最大速度を向上させる「eXtrameRate」。eXtremeRateでは、NTT局から1.6キロ以内であれば最大10Mbps、2.3キロまでなら8Mbps、4.1キロ以下で1.5Mbpsのスピードを実現できるという。

 その仕組みは、アルゴリズムの最適化とS=1/2の技術。「G.992.1は、理論的には最大15Mbps程度の伝送能力を持っている。これを、どのようにインプリメントするかがスピードを左右する……この部分を担うのがわれわれのチップセットだ」。そして、単なる高速化にとどまらず、CO(NTT収容局側設備)からCPE(宅内設備=ADSLモデム)まで、エンドツーエンドの堅牢さを維持することに重点を置いて開発したという。

 一方のeXtremeReachに関しては、「標準化機関と協力して進めており、現時点で詳細を話すことはできない」と話している。

ネットワークの汚染?

 記者発表会では、eXtremeDSLが「G.992.1で規定されたスペクトル・マスクの枠内である」ことを盛んに強調していたBraun氏。その背景には、米Globespanとアッカ・ネットワークスが導入を検討している「C.x」や、Yahoo! BBなどが既にサービスを行っている「Reach DSL」といった長距離化技術がある。

 いずれの技術も、ノイズ源の影響を受けやすい高い部分の周波数を避け、低い周波数に下り伝送をシフトする技術だ。しかし、NTT収容局に近づくにしたがって減衰するはずの上り信号が強力な下り信号に変わるため、従来の上り信号に影響する可能性も指摘されている。アッカが電信電話技術委員会(TTC)の標準化を待っているのも、この部分を明らかにして「お墨付き」を得る必要があるからだ。

 しかし、Braun氏によると、「C.xによって、下り速度はわずかに改善されるものの、上り方向に影響が出る。その影響はバインダー単位に及ぶ可能性が高い」という。

 バインダーとは、個々の住宅から延びる電話線を数本単位でまとめた「カッド」を集め、さらに太い束にしたもの。国内では「ユニット」と呼ばれることが多い。つまりBraun氏は、同じユニットに収容されているADSL加入者すべてに影響が及ぶと指摘しているわけだ。

「われわれのシミュレーションでは、距離にもよるが上り方向の速度が約15%低下するという結果が出た。私はこれを、“ネットワークの汚染”と呼んでいる」。

eXtremeDSLとPalladiaのもたらすもの

 eXtremeDSLが最初に適用されるPalladiaシリーズは、ルータやファイアウォール、IP-VPNといった機能を統合するADSLチップセットだ。機能とMIPS値(CPU性能)によって3つの製品がラインアップされている。Centilliumは、Palladiaによって「セキュアDSL」を実現するとしており、さらに今回の発表により、高速化&長距離化の道を開いた。

 もちろん、既存ユーザーがPalladiaを使ったサービスに移行する場合は、ADSLモデムの変更が必要になる。ただし、局側設備はソフトウェアアップグレードだけで対応可能だ。これは、ADSL事業者に採用を促す武器となるだろう。

 「IPSやキャリアから寄せられる要望の中に、エンドユーザーのサポートにかかる負担を減らしたい、というものがある。常時接続によってセキュリティの重要度が増した現在、ユーザーは安全性に注目している」。Braun氏は、ISPの要求に基づいて設計されたPalladiaが、同時にユーザーニーズに即したものでもあると強調した。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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