Broadband Weekly Top 10(5月5日〜11日)アッカ・ネットワークスの“拡張版Annex C”に続き、イー・アクセスも8Mbpsを超えるADSLサービスの提供を発表した。両社が検討している技術を比較すると、共通している部分と正反対の部分がある
1位: 最大20Mbps? イー・アクセスのADSL高速化計画 2位: Broadband:イー・アクセスの新ファームウェアを試してみました 4位: Broadband:ADSL、269万回線に――NTTが首位固め? 6位: 「SAYAKA」、ネット生出演で15万人殺到のインパクト 7位: ブロードバンドユーザー比率、年間で5倍に――野村総研 アッカ・ネットワークスの“拡張版Annex C”に続き、イー・アクセスも8Mbpsを超えるADSLサービスの計画を公表した。両社の発表を比較してみると、共通している部分と正反対の部分がある。これが、両社のスタンスの違いを示しているようで興味深い。 共通しているのは、リードソロモン符号化に使うS値を2分の1あるいは3分の1にして最大速度を向上させるという点だ。今のところ、アッカは「安全マージンをとり」2分の1で最大10Mbpsとする方針だが、イー・アクセスは3分の1にして最大16Mbps程度まで速度を向上させようとしている。ユーザーが限定されるのはどちらも同じだが、イー・アクセスのほうがシビア&アグレッシブといえる。 異なる部分は、アッカの「C.x」技術とイー・アクセスのVDSL技術。アッカは周波数帯の下の部分を使い、イー・アクセスは上に伸ばそうとしている。 既報の通り、「C.x」は、従来上り方向に利用していた低い周波数に下りを重畳するオーバーラップ方式だ。メリットは、高速化と長距離化の両立が可能になるという点。また、Globespanのチップには、電気信号の分離に使うエコーキャンセラのサーキットが既に組みこまれているため、ファームウェアのアップデートだけで実現できる可能性がある。 しかし、イー・アクセスCTOの小畑至弘氏は、「信号をオーバーラップするC.xは、DBM時に“自己干渉”を起こし、思うほど速度の向上が見込めない。このため、採用を見送った」と話している。また、アッカが検証を進めている「ファームウェアの変更だけで利用できる」という点についても疑問を呈した。「ADSLチップは同じでも、アナログ回路の変更は必要になるだろう。今の機器でC.xを使えるとは考え難い」(小畑氏)。 一方、アッカも指摘する。「イー・アクセスが採用している米Centilliumのチップにはエコーキャンセラのサーキットが含まれていない。C.xを使いたくても、今の機材では使えない」(同社ネットワークエンジニアリング部の湯浅重数課長)。 もちろん、イー・アクセスもADSLチップを変更すればC.xを採用できるが、機器の変更が前提となるため、運用面で不利なのは事実。どちらにしても機器の変更が必要なら、VDSL技術によって、さらに速度をかせぐほうがメリットが大きいと判断したのだろうか。確かに「最大20Mbps」には、インパクトがある。 使える技術を最大限に活かし、競争力に変えようとするイー・アクセス。ある程度のマージンを確保しつつ、なるべく広範なユーザーに新技術を提供しようとするアッカ。スタンスはそれぞれだが、ユーザーの選択肢が広がることはありがたい。最近はFTTHの話題も増えているが、ADSLも面白くなりそうだ。 関連記事 アッカの隠し球? 最大10Mbpsの“拡張版Annex C”詳報 最大20Mbps? イー・アクセスのADSL高速化計画 関連リンク アッカ・ネットワークス イー・アクセス [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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