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2003/08/01 19:28:00 更新 |
[CRL一般公開]
IPコントロールカー“日韓戦”レポート
“日韓戦”といえば、サッカー界では宿命の対決として知られる対戦カード。ところで、通信の世界でも一風変わった日韓戦が実現した。現場からのフォトレポート。
“日韓戦”といえば、サッカー界では宿命の対決として知られる対戦カード。ところで、通信の世界でも一風変わった日韓戦が実現した。8月1日に通信総合研究所で行われた、「IPコントロールカー」のカーレースだ。
通信総合研究所(CRL)は、8月1日から2日にかけて研究所を開放し、研究内容を一般向けに分かりやすく展示している。夏休みの子供の来場を期待して、体験型コーナーや、視覚的に分かりやすいデモが多数用意されており、大人も子供も楽しめる内容。前述のIPコントロールカーによる競走は、その中でもひときわ人気を集めたイベントだった。
会場には大型スクリーンが用意され、日韓の2元中継が行われた
IPコントロールカーとは、ネットワーク経由で操作できるラジコンカーのこと。IT業界のイベント会場などで、過去にたびたび登場している(記事参照)。車には、IEEE 802.11bの無線LANカードを内蔵、前方にカメラを搭載する。運転手は、このカメラ映像を見ながら、遠隔操作するという仕組みだ。
これがIPコントロールカー(スケルトンタイプ)
イベントでは、2000キロ離れた韓国の漢陽大学とCRLを光ファイバーで接続。韓国側が海を越えた遠隔操作を行うことで、日韓の小学生が同時に競走を行うことを可能にした。IPネットワークの可能性を示す、なかなか夢のある趣向といえる。
両国の車をスタートラインにセッティングする。ちなみに、今回のIPコントロールカーはIPv4環境で操作していた
さて、いざレースが始まると、事前の抽選で選ばれた日本の小学生が、立て続けに勝利を重ねた。このところふがいなさが目立つサッカー日本代表にひきかえ、実に充実した内容で結果を残す。この様子をジーコ監督に見せたい。勝負にこだわる子供のこと、みな大喜びで会場は盛り上がった。
もっとも、舞台裏に回ると、韓国――日本間のセッションはたびたび切れていた模様。韓国選手はレース中に、しばしば画面が真っ黒になり、操作不能に陥っていたらしい。説明員によると、「光ファイバーは、帯域こそ大きいもののベストエフォートだった。会場内の無線通信で操作が完結する日本と、韓国を比較してはかわいそうだ(苦笑)」。いわば、韓国は“アウェー”の状況だったというわけか。
結局、互いに4人の代表選手が登場して、日本の3勝1敗だった。もっとも、レース終了後は、韓国内での1位、日本内での1位を選んで賞品を贈呈するなど、主催者側の配慮が見られた大会だった。
ギャラリーも興奮!
なおCRLでは、公開最終日となる明日、人工衛星を利用して地球画像の撮影を行う。カーレースを体験できなかったあなたも、ぜひ参加してみては?
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通信総合研究所
[杉浦正武,ITmedia]