リビング+:特集 2003/08/05 22:20:00 更新

特集:魅惑のビデオチャット・ワールド
Yahoo!映像チャットで、人はどんな出会いをするのか

インターネット草創期から、“チャット”は人気アプリだった。ブロードバンド時代にはこれが、“ビデオチャット”に進化するのでは――。ビデオチャットの現状を、4回にわたってお届けする。

 インターネット草創期から、“チャット”はひとつの人気アプリケーションだった。そして今、帯域のブロードバンド化に伴い、チャットは“ビデオチャット”に進化するのではないか――。これは、これまで多くの人間が考え、口にしてきたことだ。

 もっとも、こうした期待を裏切り続けてきたのもまた、ビデオチャットというサービスの特徴だ。ADSLの加入者数は820万を越えたが、IPテレビ電話が一般のユーザーになじみの深いものになったとは、言いにくいだろう。

 とはいえ関係者に聞く限り、ユーザーが増えていることも事実のようだ。本日から始まる特集「魅惑のビデオチャット・ワールド」では、そんなビデオチャットの現状を、4回にわたってお届けする。

8月5日:Yahoo!映像チャットで、人はどんな出会いをするのか
8月6日:韓国のビデオチャットユーザーたち(仮)
8月7日:チャット+αで事業を展開するニフティ(仮)
8月8日:出会い系チャットの現場に潜入(仮)

Yahoo!チャットの場合

 第1回は、Yahoo!チャットで映像対応を果たした、ヤフーに話を聞く。対応してくれたのは、メディア事業部企画室の、押尾さおり氏だ。

 Yahoo!チャットがビデオチャットに対応したのは、今年2月から(記事参照)。利用にはYahoo!JAPAN IDの登録が必要だが、料金は無料となる。ヘッドフォンやWebカメラなどは、自前で用意する必要がある。

 押尾氏は、サービス利用までの手続きは、特にとまどうことなく行われているようだと話す。「(サービスに必要な)Javaアプレットも、単にクリックすればダウンロードできる。『利用手順が分からない』という声は、あまり聞かない」(同)。

 Windows XPユーザーの場合、クライアントPCにJava実行環境のMicrosoft VMがデフォルトでインストールされていないため、やや手続きが煩雑化する。しかしこれも、さほど問題になっていないという。

 同氏はまた、Webカメラをどこで購入すればいいか、といった初歩的な質問が、最近では減ってきたと話す。まずは順調に、ビデオチャット導入に成功しているようだ。

少数の「公開ユーザー」に、群がるヒトビト

 Yahoo!チャットのルームには、1つのルーム内にビデオを公開しているユーザーと、「映像なし・音声あり」のボイスチャットユーザー、従来どおりのテキストチャットユーザーの3種類が混在している。このうち、ビデオを公開しているユーザーは、アイコンがビデオカメラのマークに変化する。

Photo

ルームセレクトの画面では、何人がビデオを公開しているかが表示される。ビデオチャットを楽しみたいユーザーは、参考にするとよい(クリックで拡大)

 ビデオ公開ユーザーの映像を見たい場合は、そのIDを右クリックすればよい。任意の視聴制限がかかっていない限りは、映像を視聴できる。

Photo

公開する側のインタフェース。何人が自分の映像にアクセスしているか分かる。視聴制限をかけて、特定のユーザーをはじくことも可能

 押尾氏は、一時期に比べると公開ユーザーの数は増えてきたと話す。これらのユーザーは、公開している以上は、あまり神経質にアクセスを拒否することもないようだ。

 「公開する人は少ないが、一方でそれを見る人は圧倒的に多い。当初は、1つの公開映像の同時アクセス数を数十人に制限していた。しかしその後、これを2000人に増やした」(同)。中には、公開ユーザーを次々とのぞいて回るユーザーもいるようだという。

ビデオ&ボイスチャットのコミュニケーション形態

 それでは、こうしたビデオ&ボイスチャットで、どのようなコミュニケーションがとられているのか。押尾氏は、一例として“カラオケルーム”が存在すると話す。

 「歌を歌いたいユーザーが集まって、順番を守ってアカペラで歌っている」。ちゃんと仕切り屋に相当するユーザーもいて、「それでは次の方、どうぞ!」といった具合に会話が進行しているという。

 盛り上がるのは、やはり女の子が混じっていたときのようだ。「女性が歌い終わると『イエーイ』『歌うまいねー』と、やっている(笑)」。

 また、“英会話ルーム”も根強い人気があるようだ。これは、英会話の上達を志すユーザーが集まって、英語で会話するというルームのこと。

 「英会話のレベルに応じて、さまざまなルームが存在する。みな英語を発音し、英文でテキストチャットを行っている」。たまに日本語が出る場合もあるが、そこがまた安心感のあるところだろうという。

 ほかに、最近盛り上がっているのが“阪神ルーム”だという。こちらでは概ね、テレビをつけ放しにして同時進行でチャットをしており、ルームに参加するユーザー同士一体となって、リアルタイムで応援している。

 「阪神のルームでは、1つのルームが満杯になり、第2、第3のルームが増設されることも珍しくない」。ちなみに、たまにアンチファンが場を“荒らし”にやってくることもあって、それはそれで楽しそうだという。

ゆっくりとした成長

 押尾氏は、ビデオチャットの登場によりYahoo!チャットが、大きく変わったわけではないと話す。従来から一定の支持を集めていたチャットサービスが、じわじわと利用者を拡大する、その過程で映像コミュニケーションも追加された――という、イメージのようだ。

 「最初は映像を公開できるということが、ユーザーにとって驚きの対象だった。しかし、徐々にそれが当たり前になってきた。ビジネスの現場で、海外とのIPテレビ電話会議が行われるようになり、プライベートでも違和感なく利用するようになった」。

 今後は、新機能やデバイスの登場により、段階的に加入者が大きく増えることがあるかもしれない。しかし押尾氏は、基本的にはゆっくりと、ビデオチャットユーザーが増加していくのだろうと話した。

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[杉浦正武,ITmedia]



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