リビング+:レビュー 2003/08/22 23:59:00 更新

レビュー:アッカ「26M」サービス
26Mbps ADSLに乗り換えてみました……すると?

Yahoo!BBと同じピークスピード26Mbpsを誇るアッカ・ネットワークスの「26M」サービス。12Mbps ADSL同様、1.5/8Mbpsユーザーの乗換えでは着実な速度向上が期待できるが、ちょっと微妙なのは12Mbps ADSLからの乗換えだ。筆者の知人が実際に12Mbpsから24Mbpsへ乗り換えたので、まずはその効果を試してみた。

 今回、アッカ・ネットワークスの12Mbps ADSLから26MbpsADSLへの乗り換えを行ったのは、NTT東日本の線路情報で2130メートル、伝送損失が32dBという環境下にあるユーザーだ。今夏に登場した24/26Mbps ADSLは、各キャリアが“速度向上の効果があるのは線路長2キロ程度まで”としており、これをわずかだが越えていることになる。

 もっとも、速度向上の望みがないわけではない。12Mbps ADSLでは7Mbpsを超える速度でリンクしており、これはアッカの公開している情報によれば、十分速度向上が望めるリンク速度だからだ。さらに同社はトレリスコーディングを採用することでSNRを改善し、通信速度を向上させるとしている。期待するなというほうが無理だろう。

photo

この通り、線路長は2130メートル。2キロをわずかに越える(クリックで拡大)

photo

しかし、リンクスピードは12Mbps ADSLで7Mbpsを超えており、これをアッカの公開している12Mbpsと26MbpsADSLでの速度の違いを示すグラフに照らし合わせると、まだまだ速度向上が望めそうなリンク速度だ

photo

アッカが公開している想定リンク速度(出典はアッカ・ネットワークスのWebサイト

あえなくリンク速度はダウン

 8月の中旬には26Mbps ADSLへの切り替えも完了。ADSLモデムを26Mbps対応に取り替えても、体感できるほどの変化はなかった。もっとも5%や10%通信速度が向上しても、Webアクセスやメールの送受信などではわからないだろう。さっそくADSLモデムにアクセスしてリンク速度を確認してみると……

 上り方向こそ、わずかにリンク速度が向上しているが、下り〜つまり受信速度はあえなく6Mbps台へダウン。何度か再接続やモデムの電源入れなおしを試みるが、状況は変わらなかった。

photo

富士通製のレンタルモデム「F11-M2」。ぱっと見は、12Mbpsサービス用の「M1」と変わらない外観。脇にアマチェア無線機があるが、当然動作していない状態で検証は行った

photo

ご覧の通り、下り方向のリンク速度は6880Kbpsとなり、従来の12Mbpsサービスを下回ってしまった。幾度か試行錯誤をしたが、7000Kbpsを超えることはなかった

 やはりというべきか、Annex.C XOL(12MbpsADSLと同じ接続モード)で接続していた。もちろん、回線状況をみてADSLモデムがダブルスペクトラムを利用するAnnex.Iではなく,Annex.C XOLが最適だと判断しているわけだが、残念ながら今回レンタルで届いた富士通のADSLモデム「FA11-M2」は接続方式を切り替えることができない。「フレッツ・ADSLモアU速攻レビュー」ではモデム任せのAnnex.Cから、強制的にAnnex.Iに切り替えるとわずかに速度向上が見られただけに、試すこともできないというのはちょっと残念だ。

 ではなぜ、同じAnnex.C XOLなのに12Mbpsサービスよりもリンク速度が下がっているのか。キャリアチャートを比較してみると、26Mbps ADSLではオーバーラップ部分に谷ができており、さらに1000KHz前後のデータレートも落ち込んでいる。どうも26Mbps/12Mbpsというサービスの問題ではなく、モデムレベルの問題に思える。モデムのチューニング不足といった所だろうか?

photo

26Mbps ADSLのキャリアチャート(FEXTビットマップ時)。上りと下りのオーバーラップ部分に谷ができていることがわかる

photo

12Mbps ADSLのキャリアチャート(FEXTビットマップ時)。オーバーラップ部分に谷はなく、なだらかな曲線を描いている

photo

26Mbps ADSLのキャリアチャート(NEXTビットマップ時)

photo

こちらは12Mbps ADSLのキャリアチャート(NEXTビットマップ時)

12Mbpsユーザーは少し“待ち”の状態

 今回の切り替えは、もともと博打色が強かったうえ、キャリアが推奨する線路長2キロ以内という条件も満たしてはいない。しかし、ほとんど実害はないとはいえ、リンク速度が低下したことは、さすがに意外だった。乗り換えにかかる費用が約6000円、月々の利用料金も300円程高くなるのだから、ユーザーにしてみれば踏んだり蹴ったりの状態だ。

 もっとも、アッカは26Mbpsサービスに関して既に“想定していた速度に満たない”という情報を公開しており、9月末にはファームウェアの更新でこれを改善するとしている。この新ファームウェアでせめて12Mbpsサービスと同じリンク速度に戻ってほしいし、そうなることを期待する。

 期待の20Mbps超ADSL。12Mbps ADSLユーザーも飛びつきたい所だろうが、やはりNTT局からの線路長が短いユーザーでないと確実な高速化は望めないようだ。今回のように、微妙な距離にいる12Mbps ADSLユーザーは、もう少し情報が出そろうまで待ったほうが賢明かもしれない。なお、アッカから新しいファームウェアがリリースされ次第、追加情報をお届けする予定だ。

関連記事
▼アッカ、26Mbpsサービスにてリンク速度が想定に満たない場合があると公表
▼アッカが提供する富士通製モデム2機種で不具合
▼アッカ、26Mbps対応モデムを公開
▼アッカ、下り最大26MbpsのADSLを発表

関連リンク
▼アッカ・ネットワークス

[坪山博貴,ITmedia]



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!