リビング+:特集 2003/09/09 23:59:00 更新

特集:何が違う? 1クラス上のブロードバンドルータ
高速&機能充実の「WebCaster 7000」だが、ソフトウェアの熟成に期待 (1/2)

「WebCaster 7000」は、NTT東西地域会社がフレッツサービスユーザー向けのルータとして位置付ける、個人向けブロードバンドルータ。インテル「IXP425」を搭載し、PC向けの各種インタフェースを備える高機能モデルだ。ただ、試用機には若干不安定な点も見受けられた

 「WebCaster 7000」は、NTT東西地域会社がフレッツサービスユーザー向けのルータとして位置付ける、個人向けの高機能ルータだ。その魅力は、なんといってもハイパフォーマンスなプロセッサを基礎に、豊富なインタフェース類を装備することで、ルータに求められるほとんどの機能を詰め込み、しかも各機能ともトップクラスのパフォーマンスを実現していることだろう。

photo

“多機能”を画に描いたような「WebCaster 7000」の外観(クリックで拡大)。ランプ類の下にある赤外線ポートは、今のところ用途がないものの、NTT東西によると携帯電話やPCとの連携に利用するという。また、背面上部にある“専用拡張スロット”にVoIPアダプタを装着する予定だが、アダプタは未発売

 XScaleコアを中核に、ネットワークプロセッサや各種I/Oインタフェースを統合した「IXP425」をメインコントローラとして採用。動作クロックは266MHzで、最大4ポートまでのVoIPサポートを行える(ただし本機では現在VoIPはサポートされていない)。

 通常、組み込み機器のルータでは、使用しているプロセッサについて公表することは少ないが、IXP425は高いプロセッサ性能を持ち、メインプロセッサとは別にパケット処理用のプロセッサが統合されているなど、性能や機能の面でアドバンテージが大きいことから、採用を強くアピールしているのかもしれない(ただし前述したように本機に採用されているIXPは533MHzの最高性能品ではなく、266MHzバージョンだ)。

 なお、IXPシリーズには、ほぼ同じハードウェア構成でVoIPをサポートしない低コスト版の「IXP422」もあるが、本機がなぜIXP422を採用しなかったのかは不明だ。また本機にはVoIP対応アダプタがオプションとしてラインナップされているが、現時点では存在しておらず今回は評価対象外とした。

豊富なインタフェース

 さてWebCaster 7000のハードウェア構成だが、インテルがIXP425のリファレンスデザインとして提供しているハードウェアの形態を踏襲するものとなっており、ファームウェアの機能面でもVoIPをサポートしない以外は、本機の開発ベンダーであるプラネックスとインテルの合作になっているようだ。そのためか多分にPC的なインタフェースの豊富さを持つ。

 PCカードType II×2のスロットにくわえ、USB 2.0ポートも2個装備。PCカードスロットに対応無線LANカードを装着することで、IEEE 802.11aもしくは802.11bの無線アクセスポイント機能を持たせることもできる。またPCカードスロットにメモリカードを挿入すると、その中のコンテンツをWebサーバとして公開させることも可能だ。

photo

豊富なインタフェース類。PCカードスロットには、IEEE 802.11b/.11a準拠の専用無線LANカード「FT-STC-Pb」(9800円)、「FT-STC-Pa」(1万4800円、セットモデルもあり)を装着可能。ただし、2枚装着しても一度に使えるのはどちらか一方。IEEE 802.11gやデュアルバンド対応カードの登場も期待したいところだ

 メモリカードへのコンテンツのアップロードは内蔵FTPサーバを通じて行う。デフォルトではLAN側からしかFTPでのアクセスが行えないように設定されているが、セキュリティ設定を変更すればWAN側からのアクセスが可能となるため、メモリカードの容量次第で簡単な自前インターネットストレージとしても利用できる(対応メモリカードはこちらを参照)。

 USB 2.0にはUSBカメラ「EE260」(3800円)がオプションとして用意され、インターネットから自宅のWebCaster 7000に接続し、定期的に撮影される静止画、あるいはライブ動画を閲覧できる。なお、USB 2.0を用いた追加機能についてNTT東西からの正式なアナウンスはないが、インテルがIXP425/422ベースのプラットフォーム向けにUSB 2.0ストレージを用いたNAS(Network Attached Strage)機能をくわえたファームウェアを開発していることから、将来のファームウェアバージョンアップで、NASをサポートする可能性が高い。本機の開発ベンダーであるプラネックスコミュニケーションズは、同じIXP425を採用し、NAS機能をサポートした高機能ルータ「BRC-114IXR」を発表済みだ(記事参照)。

photo

カメラサーバ機能を使い、外部のPCから静止画を見たところ。カメラは専用のUSBカメラ「EE260」(3800円)を利用する

      | 1 2 | 次のページ

[本田雅一,ITmedia]



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!