リビング+:ニュース 2003/10/03 23:57:00 更新


2Passエンコードに対応した「スゴ録」の仕組み

「スゴい録画機能満載」というソニーの新しいDVD&HDDレコーダー「スゴ録」シリーズ。「おかませ・まる録」などCoCoon譲りの録画機能を採用しつつ、DVDメディアへのダビング時に2Passエンコードをサポートするなど、高い画質で“残す”ことにも注力している。その仕組みと狙い、そしてCoCoonとの違いをソニーに聞いた。

 ソニーマーケティングは、10月下旬より発売するDVDレコーダーのニューブランド「スゴ録」の説明会を開催した。4つの新モデルをラインアップするスゴ録だが、主要機種には250Gバイトの大容量HDDや自動録画機能の「おまかせ・まる録」などが搭載され、同シリーズの先駆けとなった「RDR-GX7」よりも、むしろ「コクーン」に近いといえる。異なるのは、DVDメディアへのダビング時に“2Passエンコード”をサポートするなど、高い画質で“残す”ことに注力している点だ。

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250GバイトHDD搭載の「RDR-HX10」は、オーディオ機器との調和も意識したアルミフロントパネルを採用

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対して、160GバイトHDDの「RDR-HX8」は「高光沢塗装仕上げデザイン」。DVDレコーダーの「RDR-HX5」も同様だ

 「スゴ録」は、大方の予想通り「スゴい録画機能満載」という意味。新ブランドの登場とともに4機種がリリースされ、DVDレコーダーの「RDR-GV7」と合わせて5機種のラインアップとなった。なかでも今回は、DVDと大容量HDDを搭載した“売れ筋”の2機種(RDR-HX8/10)にフォーカスして製品を見ていこう。

「おかませ・まる録」の使い方

 コクーン譲りの「おかませ・まる録」は、事前に設定したキーワードやジャンルに合致する番組を自動録画するもの。キーワードは直接文字入力のほかEPG(G-Guide)の番組情報からも登録できる。

 たとえば、温泉に関連する番組を片っ端から集めたいとき。“おまかせ条件”として、時間帯を「すべての時間帯」に設定し、キーワードとして「温泉」「露天」「秘湯」など番組情報に載りそうな言葉を複数入力しておく。検索方法として「いずれかの項目を含む」を選択すれば、PCではお馴染みの「or検索」と同じように、検索結果の幅が広がる。

 EPGは「G-Guide」をサポート。更新は一日5回だ。もちろん、番組のあらすじなどを確認できるほか、クリックするだけで予約は完了する。また、GX-7から搭載された野球延長への対応機能も採用した。これは、録画予約が野球中継のあとにあった場合、番組表の“最大延長時間”をみて録画時間を自動的に延ばすというもの。マニュアル設定なら、延長時間を60分まで設定することもできる。

 録画した番組はHDDからDVDに移して保存可能だ。対応メディアは、DVD-R/RW/+RWの3種類。+Rに関しては、「まず普及率の高い海外向け製品に搭載し、その後で国内向けにも検討していく」としている。

 ダビングにかかる時間は、番組の録画モードやメディアの種類に依存するが、もっともビットレートの低いSLPで録画した1時間番組をDVD-Rへ、という条件なら約2分30秒で終了する。逆にDVDからHDDへダビングすることも可能だが、この場合は再生時間と同じだけの時間が必要だ。

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リモコン。録画と再生を同時に行えるため、それぞれの停止ボタンを備えた。録画中には、停止ボタンを押すのを躊躇してしまうユーザーが多いためだ

“HQ+モード”&“2Passエンコーダー”搭載

 一番の注目は、新たに設けられた「HQ+」録画モードと、2Passエンコード可能なハードウェアMPEG2エンコーダーの搭載だろう。

 従来のHDD&DVDレコーダーでは、最高画質でもビットレートは9Mbps程度なのが一般的だ。しかし、動きの早い場面や複雑な場面ではデジタル特有のノイズが発生したり、細かい部分がつぶれてしまうことも多い。そこでソニーは、最大15MbpsのビットレートとなるHQ+を設け、情報量を増やして画面の破綻を極力減らしている。もちろん、クオリティが高いぶんHDDの消費量が増えるわけだが、容量の拡大により“それなり”の録画時間は確保できた。仮に、すべての番組をHQ+モードで録画しても、250GバイトのHX10なら約34時間、160GバイトのHX8は約21時間は録画可能だ。

 また、「ダイナミックVBRダビング」機能も新しい。こちらは、高画質の保存用DVDを作成する際、2Passエンコードが行えるというもの。PC用のソフトウェアエンコーダーなどでは一般的になった2Passエンコードだが、CPUパワーによっては処理に時間がかかる点がネック。スゴ録では、再生時間と同じ処理時間で2PassのVBRエンコードとDVDへの書き込みが終了する。

 周知の通り、MPEG2のVBR記録は、限られたビットレート(上限や平均値を設定した)のなかで、場面ごとに情報量を増減させトータルの画質向上を狙ったものだ。たとえば、動きの早い場面などには多くの情報量を割り当て、逆に動きのない場面は少なくすることで映像の破綻を防ぐ。

 それを一歩進めたのが2Passエンコードだ。基本的な考え方は、平均ビットレートよりも、“タイトル全体で画質を高いレベルで一定に保つ”こと。もちろん、それだけではビットレートの平均値が保てないから、まず一度エンコードを行い、映像の複雑さや動きといった情報を取得、それを分析して基準を設定し、再度エンコードを行う。市販のDVDソフトが、8Mbps程度の平均ビットレートで高い画質を実現しているのは、これと同じ作業を高精度で行っているためだ。

 しかし、普通に考えるなら、2回エンコードを行うとかなりの時間がかかりそうだ。スゴ録で2Passエンコードが可能になったのは、HDDに番組を録画する時点で1Pass〜つまり映像の“複雑さ情報”を取得する作業を行う仕組みによる。ここで分析した情報をもとに、再エンコード時(ダビング時)に「番組全体のなかで、よりダイナミックなビットレートの配分を行うことができる」(同社)。

 ただし、この場合はソースとなる録画データの情報量に余裕がなければ意味はない。したがって、2Passエンコードによるダビングが可能になるのは「HQ」モードか「HQ+」モードで番組を録画したときのみ。DVDによる保存を前提としているなら、やはりHQ+を選択するべきだろう。逆にいえば、そのためにHQ+モードが設けられたともいえる。

高画質がキーワードだが?

 このほかにも、HX8/10には、エンコード前にノイズやジッターを除去する「Pre FrameNR」やTBC、そして3次元Y/C分離などが盛り込まれている。ただし、残念なことにGV7には採用されていたGRT(ゴーストリダクションチューナー)は未搭載。また、GV7の特徴でもあるiLink端子と編集機能も省かれている。

 その理由についてソニーは、「まず、普及価格帯で160GバイトHDDを搭載した製品を出したかった。ゴーストリダクションチューナーはコスト的な問題もあり、今回はあきらめた」(ホームネットワークカンパニー、ホームストレージカンパニー商品企画部DVD企画課の斉藤栄一係長)と説明している。

 またiLink端子に関しては「テレビ録画というコンセプトに合わないと判断した」。ただし、今後の製品ラインアップでは、GRT搭載モデルや、“編集機能”にフォーカスしたモデルの投入も検討していくという。

CoCoonとの違い

 調査会社のマーケティング・データ・バンク(MDB)が8月に行った「DVD&HDDレコーダーに関する消費者調査」によると、「購入したいメーカー」のトップはソニー(28%)だという。しかし、実際に購入した製品のランキングは松下電器産業、パイオニア、東芝の順となっており、これまでの製品ラインアップが必ずしもユーザーの期待に沿ったものではなかったことを示している。

 「Clip On」や「CoCoon」チャンネルサーバーといったHDD録画専用機は一定のファン層を獲得したが、より多くのユーザーが東芝の「RDシリーズ」に代表されるハイブリッド機を求めていたのは事実だ。スゴ録シリーズに期待されるのは、より幅広いユーザー層に支持されること。いくつかの機能をそぎ落として「普及価格帯」に持ってきた理由もここにある。

 ソニーでは、スゴ録とCoCoonの関係を「CoCoonはTVの新しい視聴スタイルを提案し、成長する商品。これに対して、スゴ録は手軽に映像を記録し、保存・配布も可能な録画機」(同社)と位置づけている。両者の大きな違いはネットワークと付随する機能の有無だが、それ以上に、“提案”より“今ある需要に応える”ことを重視した製品といえそうだ。

関連記事
▼ソニー、「おまかせ」録画機能搭載のHDD&DVDレコーダー

関連リンク
▼ニュースリリース
▼DVD&HDDレコーダーに関する消費者調査(MDB)

[芹澤隆徳,ITmedia]



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