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2003/11/11 23:59:00 更新 |
NTT、「goo」を前面に出してYahoo!に対抗?
NTT-XとNTT-BBが事実上統合して、新会社が設立された。この意味するところは、「NTTグループ全体のブロードバンドポータル」として、gooが選ばれたということのようだ。
NTT持ち株会社は11月11日、ブロードバンド事業を担当する新会社「エヌ・ティ・ティレゾナント」を設立すると発表した。既報のとおり、「goo」を運営するNTT-Xと、映像コミュニケーション事業などを手がけるNTTブロードバンドイニシアティブが、新会社に営業譲渡するかたち。この意味するところは、NTTグループ全体のブロードバンドポータルサイトとして、gooが選ばれたということのようだ。
NTT-X広報に、新会社でのgooの位置付けと、今後の展開などを聞いた。
gooで、「BROBA」のサービスが受けられる?
まずは、新会社でどのようなサービスが展開されるのか確認しよう。現在明らかになっているのは、主に2つ。“映像コミュニケーションサービス”や“ブロードバンドポータルの開発”だ。
映像コミュニケーションサービスといえば、NTT-BBがこれまで事業展開してきた分野。また、ブロードバンドポータルとしては、gooをベースとすることが明言されている。ひとまずは、「gooでNTT-BBのサービスが提供される」と考えてよさそうだ。
NTT-Xの広報は、新会社になっても、gooのサイトインタフェースがガラリと変わることはないと話す。
「gooのブランドは、維持する。gooはこれまでも、Googleと技術協力を行い検索機能を強化するなど(記事参照)、ステップアップを図ってきた。この一貫として、ブロードバンド関連のサービスも加わるということ」。
もちろん、今回の新会社設立はNTT全体としての“組織再編”の意味合いを持つ。話はNTT-BBとNTT-Xの統合にとどまらず、NTT各社で提供されているブロードバンドサービスも、goo上に統合される、ということになりそうだ。
「グループでポータルが多すぎた」
NTTグループは、これまで関連各社が個々にブロードバンド事業を展開してきた。たとえば、動画配信一つとってみても、NTT-BBが配信の場を設けていたほかに、「フレッツ・オンデマンド」などもあったし、OCNやぷららなども実質、動画ポータル化していた。こうした状況は、グループ全体の経営資源が分散している、ともとれる。
これら各種サービスを、goo上に結集できれば、経営の効率化が図れることは確か。また、ユーザーにとっても分かりやすくなるだろう。
もっとも、これにより各関連会社がブロードバンドサービスをやめる……ということではない。「NTT持ち株会社の発表でも、全部を直ちに(新会社に)移管するわけではない、としている」(NTT-X広報)。従来のサービスは残した上で、あくまで統一的なサービス提供プラットフォームとして、gooがスケールアップしてくるようだ。
こう聞いていると、ソフトバンク陣営が頼みとするインターネット上のポータルサイトとして、Yahoo!JAPANがあるように、NTTはgooをグループの“旗艦”として据えるのか、という印象をうける。
そして、NTT-Xの広報は、これを否定しない。「現状では水をあけられているが、Yahoo!JAPANやMSNとも対抗できるように……」と、巻き返しを図る姿勢だ。
グループの中心に踊り出た格好で、士気が上がるNTT-X。はたして同社広報の意気込みどおりに、NTT陣営の組織再編が吉と出るのか。興味は尽きない。
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ニュースリリース
[杉浦正武,ITmedia]