ブロードバンド放送サービスとして、鳴り物入りで始まった「BBケーブルTV」。当初はチャンネルラインアップが揃わず、有料課金開始時期を若干遅らすなどしたが、ここへきて、サービスが充実しつつあるようだ。
Yahoo!BBのインフラを利用するブロードバンド放送サービスとして、鳴り物入りで始まった「BBケーブルTV」。当初はチャンネルラインアップが揃わず、有料課金開始時期を若干遅らすなどしたが(記事参照)、ここへきて、サービスが充実しつつあるようだ。 ビー・ビー・ケーブルは11月17日、報道向けにサービスの現状を公開した。今後、コンテンツを拡充することや、新サービスを検討していることなどが明かされた。 BBケーブルTVのユーザーインタフェース(クリックで拡大)。当初より、多少改良を加えてあるという ディズニーチャンネルなど追加BBケーブルTVは現状、1都3県でサービスを提供中。月額2000円の「ベーシック・サービス」として17チャンネルを揃えるほか、VoD(ビデオ・オン・デマンド)コンテンツとして約1600タイトルを揃える。 このコンテンツラインアップが、年末にかけて拡充される。11月18日からは、「ディズニーチャンネル」が開始されるほか、12月から「ザ・ゴルフ・チャンネル」と海外ニュースの「CNNj」が放送される予定。これにより、ベーシック・サービスは20チャンネルとなる。 またハリウッド・メジャーの一つ、MGMの傘下にあるMGMインターナショナルテレビジョンと、ライセンス契約を締結。11月から、MGMの提供するハリウッド映画がVoDコンテンツとして視聴できるようになった。具体的には、「ロッキー」5作品、「レインマン」「ターミネーター」などのクラシック作品、および「キューティーブロンド/ハッピーMAX」などの比較的新しい作品が配信される予定。 BBケーブルTVではこれまで、Universal StudiosやFOX映画と契約しており、これでハリウッドメジャー3社の作品が視聴できるようになった。VoDコンテンツは、MGMから提供される100作品を含め、年末までには2000タイトルまで増やしたい考えだ。 11月から、MGMのコンテンツが追加される コンテンツの増加に伴い、「視聴したいコンテンツになかなかたどりつけない」との声が上がったことを受けて、作品に“VoDコード”も割り当てられた。毎月家庭に届けられるBBケーブルTVガイド、もしくはホームページからVoDコードを調べて、テレビ画面上で入力すれば、容易にコンテンツ視聴画面にアクセスできる仕組みだ。 現状では、VoDコンテンツを月5本以上購入するユーザーが、購入者全体の19%を占める状況。2〜4本購入するユーザーは、41%を占めている。また、人気カテゴリーを見ると、新作洋画が50%と最も人気が高く、続いてアニメが24%といった具合。ちなみに、これはアダルトを除いた割合だという。 次期コーデック開発中?会場では、次期コーデックが開発されていることも触れられた。ビー・ビー・ケーブルの橋本太郎社長は、技術面で各種DRMシステムを検討していることや、次期コーデックを開発中であることに言及。特にコーデックは、「現在の品質を1Mbps以下で実現」できるものを目指すとした。 BBケーブルTVは現状、MPEG-2の2Mbpsでコンテンツを配信している。このため、2Mbpsの通信速度が安定して出ないユーザーには、サービスを提供できない。 だが仮に、より低速でも高画質な動画を配信できるようになれば、サービス提供対象となるYahoo!BBユーザーは大幅に増える。橋本社長は「現在でも、Yahoo!BBユーザーの6〜7割に提供できるが、1Mbpsで配信できるとなると9割近くをカバーできるだろう」とした。 地上デジタル再送信は?もう一つ気になるのが、地上デジタル放送の再送信サービスだ。この件は、以前から取りざたされている(記事参照)。 有線放送で地上デジタルを視聴できれば、難視聴地域にとっては“救済策”となる。実際、こうしたサービスを希望するユーザーの声も多いという。ビー・ビー・ケーブル側も、「(地上デジタル放送は)全国に鉄塔を立てるだけでは、カバーするのが難しいようだ。BBケーブルを、補完的なインフラとして利用できれば」と話す。 もっとも、これは事業者同士の交渉が進まなければ、実現は難しい。会場でも、具体的なスケジュールなどは一切、示されなかった。 現在の事業規模は?最後に、BBケーブルTVの現在の事業規模を確認しておこう。まだ始まったばかりのサービスとはいえ、注目のブロードバンドサービスが、どれほどの加入者を集めたのかは、気になるところ。 こうした数値は、現状では未公開とされた。明らかになったのは、「現在、1日数百件ベースで加入者が増えている」ということ。今後、提供エリアを全国展開した頃には、数値を公表するという。 橋本社長は、現状ではそれほど広告宣伝、およびマーケティングに費用をかけていないと話す。「数百万円とか、数千万円の単位。1億円には、届かない」。顧客獲得に向けた積極的な活動としては、10月から開始した「試して納得!キャンペーン」を来年1月まで延期することを決めたほか、10月からYahoo!BBユーザー向けに、テレマーケティングを開始したことなどが挙げられるようだ。 今後は、テレマーケティングを継続するとともに、家電量販店での勧誘や、Yahoo!JAPANを利用した加入促進も展開するとのこと。既に述べたように、コンテンツを拡充するほか、リモコンのレスポンス向上、多様な価格体系のVoDサービス提供、などを順次実現していくことで、契約者増につなげたい考えだ。橋本社長は、具体的な目標として「Yahoo!BBユーザー全体の、2〜3割」を掲げた。 関連記事![]() ![]() ![]() ![]() 関連リンク ![]() [杉浦正武,ITmedia] ![]() モバイルショップ
FEED BACK |