リビング+:レビュー 2003/11/18 23:59:00 更新

レビュー
PC直結、有機ELディスプレイも鮮やかなMP3プレイヤー「MUZIO」

百花繚乱のMP3プレイヤーの中でも、ちょっと変り種の製品が「MUZIO」。最近増えつつあるPC直結可能なスティックタイプだが、操作性も配慮され、鮮やかな有機ELディスプレイが目を引く個性派の1つだ。

 百花繚乱のMP3プレイヤーの中でも、ちょっと変り種の製品が「MUZIO」(ミュージオ)。最近増えつつある“PC直結可能”のスティックタイプだが、操作性も配慮され、鮮やかな有機ELディスプレイが目を引く、個性派の1つだ。

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スティック状というには、ちょっと厚みがあるデザイン。手のひらにはすっぽり収まるサイズだ

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インナーイヤーヘッドフォン、ネックストラップに加えてUSB延長ケーブル、Line入力用のケーブルも付属する。付属のクリアケースは、ケースに入れたままほぼ全ての操作が可能

 フラッシュメモリを内蔵するタイプで、製品には128M/256M/512Mバイトのバリエーションがある。フラッシュメモリを利用するMP3プレイヤーとしては、概ね平均的なサイズ。単4電池1本で動作し、充電式の単4電池も利用できる。

 MUZIOの第1の特徴は、USBコネクタを持ち、PCに直結できることだ。このタイプの製品は最近増えつつあるが、特徴的なのはUSBコネクタを回転式で収容できること。このコネクタ部分は180度回転し、自由な位置で止めてUSBポートに接続できる。例えば90度の位置でPCに接続すると、PCから出っ張る部分を押さえることもできる。もちろんコネクタカバーが無いので、紛失するということもない。

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コネクタが180度まで回転し、任意の位置で使用できる

 PCからは、USBマスストレージクラスとして認識されるので、WindowsXP/2000/Meではドライバレスで使える。MP3やWMAといった音楽ファイルも、コピーするだけで良い。いわゆるUSBメモリとして、任意のファイルをコピーして持ち運ぶことも可能だ。

 USBは1.1だが、アルバム1枚分(64MB)の転送で実測7分程度。できればUSB2.0対応が望ましいが、ケーブルレス、専用ソフトも不要で、PCさえあればさっと音楽ファイルの入れ替えもできる。こういった点を考慮すれば、特に弱点とまではいえないだろう。

鮮やかな有機ELディスプレイ、サイズと操作性の良好なバランス

 第2の特徴が、有機ELディスプレイだ。ディスプレイ自体が発光するので、液晶と異なり視野角も広く、見た目の鮮やかさもまったく違う。ディスプレイサイズ自体はそれほど大きくないが、視認性は非常に高いし、何より見栄えが良い。MP3プレイヤーは首に掛けて利用する人も多いだろうから、こういった見栄えも重要な要素と言える。

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ディスプレイ自体はさほど大きくないが、細かい部分まで見やすい(写真で文字が重複して見えるのは、スローシャッターのため)

 MUZIOはコンパクトな製品ではあるが、MP3プレイヤーとしてはもっと小さな製品はほかにもある。USBメモリをそのままMP3プレイヤーにしてしまったような製品や、SDメモリカードを利用した製品などがそうだ。

 しかし、MUZIOではサイズの分の余裕が、良好な操作性を生んでいる。3つのボタンと1つのスティックを備えており、日常的な操作はかなり直感的だ。たとえば、再生時にはスティックは上下方向がボリューム、左右方向にクリックすると曲の移動、倒したままにすると巻き戻し/早送り再生ができる。

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トップにある3つのボタンと、スティックで操作を行う。右のボタンは短押しで再生/停止、長押しで電源ON/OFFといった組み合わせ。RECボタンは、再生時にはイコライザの切替として機能する

 こういった小型の製品では面倒な「設定操作」も、上下で項目選択、左右で機能設定、中央で押すと決定と、非常にわかりやすい操作だ。このスティックは手探りでも操作しやすいので、ポケットに突っ込んだまま聴きたい曲を選ぶ、といった操作もほとんど“慣れる”必要なく行えるのだ。

専用ソフト不要だが、転送時には注意も必要

 MUZIOには、ユーティリティソフトも付属するが、これはFMチューナーのプリセット、ファームウェアアップデート、アニメーション画像の変更などに利用する。既に述べているが、音楽ファイルはPCからエクスプローラなどで単にコピーするだけで良いし、任意にフォルダ分けすることでアルバム管理も行える。

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付属のユーティリティ。設定やファームウェアアップデート用で、音楽ファイルの転送には必要ない。専用フォーマットのフォントのダウンロードなども可能になっている

 もっともこのコピー作業には注意がいる。再生順が音楽ファイルをコピーした順番(正確には、フォルダ内でのファイルシステム上の物理的な並び順)になってしまうことだ。フォルダ単位でコピーする場合にはファイルは通常名称順にコピーされるため、例えばファイル名の先頭が曲順などになっていれば問題はない。

しかしファイルを複数選択してコピーする場合、エクスプローラは最後に選択したファイルを真っ先に転送すると言う悪い癖がある。ファイル単位で複数のコピーを行う場合、面倒でも1ファイルずつ行うか、エクスプローラ以外のプログラム(WinFDなど)を利用した方がいいだろう。

FMチューナー、MP3での録音機能も装備

 MUZIOは、前述のとおりFMチューナーも装備する。MP3プレイヤーに必須の機能とまでは言わないが、ちょっと気分転換に聴くといった使い方には便利だろう。また録音することも可能なので、気になる曲がオンエアされたらさっと録音するといったこともできる。チューナーは事前にPCでプリセットすることも可能なほか、オートスキャンでチャンネルを検索することもできる。

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FMラジオは、このようにオートスキャン機能もある

 MP3に対応した録音機能は、前述したFMのほか、内蔵マイク、外部入力(Line)でも行える。入力ソース毎にLow/Hiという音質設定があるほか、ユーザーモードではビットレート、サンプリングレートなどを任意に設定可能。ボイスレコーダー代わりに利用する場合には、無音部分をカットする機能、CDプレイヤーなどから音楽を録音する場合には、無音部分でファイルを分割するといった機能も持つ。

 MUZIOを購入するユーザーのほとんどは、PCを所持していると思うので、Line入力での録音機能はあまり利用価値はないだろう。しかし、ボイスレコーダーとして利用できる点はメリットとして大きい。“Low”設定の32Kbpsなら非常に長時間の録音もできるし、MP3であればPCですぐ再生でき、PCに直結できる点も大きなメリットとして生きてくる。

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ちなみに、今後オプションでFMトランスミッタも発売される予定だ

ありそうでなかった製品

 MUZIOは、言い方は悪いかもしれないが、隙間商品的でもある。従来、PC直結可能な製品は超小型の製品が多く、操作性やデザインが犠牲になる傾向があった。平均的なサイズの製品は、PCに直結可能な製品がほとんど無かった。この“隙間”を突いた発想の製品というわけだ。

もちろん、平均的なMP3プレイヤーと比較して特に大きいと言うわけではないし、既に述べたとおり多機能で操作性も良好。鮮やかな有機ELディスプレイは視認性の高さという実用性と共に、所有する満足度も高いだろう。これからMP3プレイヤーを購入しようと思っている人は気に留めておく価値のある製品だ。

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[坪山博貴,ITmedia]



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