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2003/05/22 23:50:00 更新 |
ビジネスシヨウ 2003フォトレポート
ケータイだけじゃない、注目の展示を一気に紹介
携帯電話に話題が集まりがちな「ビジネスシヨウ TOKYO 2003」だが、それ以外にもユニークな展示はたくさんある。IPv6対応ユニバーサルホームボックス、車載用ルータ、有機ELディスプレイ搭載のMP3プレーヤーなどを紹介しよう
東京・有明の国際展示場(東京ビックサイト)で開催中の「ビジネスシヨウ TOKYO 2003」。話題は新しい携帯電話に集まりがちだが、それ以外にもユニークな展示はたくさんある。KDDIブースを中心に、いくつかを紹介しよう。
KDDIブースでは、6月1日から始まる「DION ADSL IPv6実証実験」のデモンストレーションを見ることができる。この実験の目的は、IPv6を活かしたアプリケーションの検証。モニターには、ヤマハ製のIPv6ルータのほか、松下製Webカメラ、KDDI研究所が開発したセットトップボックス「IPv6対応ユニバーサルホームボックス」などが貸与される。
これまでも何度か展示会に出品されているUHB。今回は、実際に携帯電話からビデオデッキや照明を操作するデモも行われた
KDDI研究所が開発したIPv6ユニバーサルホームボックスは、本体にWebブラウザやメーラといった機能を持ち、TVに画像を出力できる一種のSTB(セットトップボックス)。ただし、それだけではない。MPEG2のデコーダチップを内蔵しているため、VoDなど動画配信の端末としても利用できるうえ、外付けの赤外線ユニットや電灯線インタフェースを接続すれば、外出先から家電を遠隔操作することも可能だ。家電とインターネットをつなぐ“ホームゲートウェイ”といえる。
UHBの右側にある赤いものが赤外線ユニット
赤外線ユニットで操作できる機器は、今のところビデオデッキだけだが、将来的にはエアコンにも対応する予定。リモコンになるのはPCや携帯電話で、例えば会社のPCから自宅のUHBにアクセスし、ビデオの録画予約が行える。
携帯電話からビデオデッキを操作しているところ
一方の電灯線通信は、北米を中心にホームオートメーション用途に使われているX10対応だ。オン・オフなど簡単な操作に限られるものの、照明などの電化製品をリモートコントロールできる。
IPv6実験の概要。ネットワーク上に専用の管理システムを構築しており、UHB側は設定などが不要の「Zero Administration」を実現。非PCユーザーでも簡単にWebブラウズやメールを利用できる
松下電器産業のIPv6対応Webカメラをホームネットワーク上に設置すれば、外出先から宅内の様子を知ることができる。カメラにはパン/ティルト機能もあり、携帯電話やPCからリモートコントロール可能
カーテレマティクス
またKDDIブースでは、カーテレマティクスの通信モジュールを展示していた。パイオニア製通信カーナビに、CDMA2000 1xに対応した通信モジュールを搭載し、144Kbpsのパケット通信をアピール。
会場では、実際に車のシートが用意されていた
ここで興味をひかれたのが、カーナビの下にひっそりと設置されていた「車載用モバイルルータ」と銘打つ端末。カーナビなどの情報端末を含む“車内LAN”と外部をつなぐ1DINサイズのルータだ(参考出展のため、写真撮影も禁止。なお、外観は上記のUHBと酷似している)。
このモバイルルータ、PCカードスロットやUSBを使い、第3世代携帯電話、無線LAN、DSRC(Dedicated Short Range Communication:狭帯域無線通信)といった通信手段を搭載できる。「電波状況などにより、最適なメディア(通信)へ自動的に切り替えるため、アプリケーションレベルではシームレスな通信が可能になる」(同社)という。
KDDI研究所が3年ほど前から開発しているもので、2001年2月には上尾市内で実際に自動車を走らせる実証実験も実施済み。今後は、IPv6にも対応するほか、デジタル放送のチューナーなどを搭載することも検討しているという。製品化のスケジュールはないが、KDDIでは「メーカーからの問い合わせもあるので、技術提供して端末を製造してもらうことになるかもしれない」(説明員)と話している。
車載用モバイルルータの利用イメージ
多機能でスタイリッシュなMP3プレーヤー
最後に紹介するのは、個人的に物欲を刺激されたガジェットだ。トーエイ工業が6月中旬に発売する「MUZIO」(ミュージオ)は、PCのUSBポートに接続し、外付けストレージとしても利用できるMP3プレーヤー。USBポート経由の充電も可能で、約3時間の充電で10時間再生できるという。
トーエイ工業が6月中旬に発売する「MUZIO」(ミュージオ)。開発は韓国のJUNGSOFTが担当した
内蔵フラッシュメモリは、128/256/512Mバイトの3タイプ。Windows(98以降)やMac OS Xを搭載したパソコンであれば、特別なドライバを必要とせずにストレージとして認識する。
また、FMチューナーを内蔵しており、MP3形式でエアチェックも可能。さらに、FMトランスミッター機能もあり、「カーステレオやミニコンポにFMチューナーが付いていれば、MP3を再生できる」(同社)。
録音も可能。録音時のビットレートは8k〜320kbps。
本体サイズは84×33×22mm、重量は約38g。価格は未定だが、6月中旬頃から同社サイトで直販を開始するという。
なお、今回は残念ながらワーキングモデルが間に合わず、動作するところを見ることはできなかったが、MUZIOにはもう1つ大きな特徴がある。本体上面の有機ELディスプレイだ。カタログには「明るく鮮明。洗練されたデザインの世界初Organic ELDを採用」とある。
トーエイ工業によると、2週間後に大阪で開催される「ビジネスシヨウ 2003 OSAKA」に動作モデルを出品する予定だという。実際に動作するMUSIOを見たい人は大阪にも行ってみるべし。
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[杉浦正武&芹澤隆徳,ITmedia]