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2003/11/26 16:19:00 更新 |
NEC、マルチドライブ搭載のホームAVサーバ「AX300」を発表
NECは11月26日、ホームAVサーバ「AX300」シリーズを発表した。HDDが300Gバイトの「PK-AX300H」と160Gバイトの「PK-AX300L」の2機種をラインアップ。発売は1月末の予定だ。
NECは11月26日、ホームAVサーバ「AX300」シリーズを発表した。HDDが300Gバイトの「PK-AX300H」と160Gバイトの「PK-AX300L」の2機種をラインアップ。ともにオープンプライスだが、店頭ではAX300Hが16万円前後、AX300Lが11万〜12万円で販売される見込みだ。発売は1月末の予定だ。
デザインも一新された。右側にはスロットインタイプのマルチドライブ。また、左側のアルミドアをあけると前面端子がある
型番が1桁増えたことから分かるように、従来モデルの「AX20」からのフルモデルチェンジとなり、機能面は大きく向上した。HDD容量の増加はもちろん、マルチドライブタイプの光学ドライブを初めて搭載してDVDへの書き出しをサポート。DVD-RAM(VRフォーマット)、DVD-RW(VR/Videoフォーマット、再生のみ)、DVD-R(Videoフォーマット)に対応する。DVD再生では、プログレッシブ出力(D2端子装備)や、Dolby5.1ch&DTS Digital Outも可能だ。
デザインが一新されたきょう体には、地上波にくわえてBSアナログチューナーを搭載。ゴーストリデューサ、3次元Y/C分離、デジタルノイズリダクション、タイムベースコレクタといった高画質回路を備える。もう1つの独自機能が専用ハードウェアトランスコーダー「高速レート変換エンジン」による高速処理。たとえば、HDD残量が少ないときには番組を再圧縮して空き容量を確保することができる。再エンコードは時間のかかる作業だが、ハードウェアによって高速処理が可能。たとえば、8Mbpsの固定ビットレートで録画した番組を4MbpsのVBRにしても、約17分間で処理が完了するという。また、DVD書き出し機能に伴い、GOP単位のカット編集機能も備えた。
おまかせ番組表とおまかせ録画
EPGは従来モデルから引き続き「ADAMS-EPG」だが、電子番組表を判別して、予約時に目的の番組の前に野球中継があるとアラームを発して注意を喚起する「野球延長アラーム機能」が付いた。また、キーワードやジャンル、曜日などの条件から番組表を検索し、一覧表示する「おまかせ番組表」もある。
さらに、同社のTVチューナー/キャプチャーボード「SmartVision」シリーズでお馴染みの「おまかせ録画」機能も新たに搭載された。こちらは、おまかせ番組表でリストアップされた番組を自動録画してくれるというもの。また、録画はしたものの見ない番組がHDDの“肥やし”になることも多いが、それを防ぐ自動削除機能も装備している。7日や30日など録画日からの経過時間とHDDの空き容量をみて、自動的にファイルを削除するというものだ。
録画した番組をフォルダ別に管理できるのもAX300の特徴の1つ。たとえば、「お父さん」「お母さん」などユーザーごとに、あるいは番組名やジャンル別のフォルダを20個まで作成できる。再生時には、フォルダ単位で連続再生したり、丸ごと削除するといったPCライクな使い勝手も実現している。
アドバンスドタイムシフト
AXシリーズの特徴である常時タイムシフト機能にくわえ、今回は「アドバンストタイムシフト」を搭載した。常時タイムシフトは、視聴中の番組を常時録画しておくことで、最大90分まで遡って視聴できる機能。テレビ放送にビデオ視聴のメリットを加えるような機能だ。ただし、AXシリーズの場合はすべてのテレビ放送がタイムシフト画像だったため、ライブの映像に比べて2秒ほどの遅れがあった。そこで今回は、普段はライブのスルー映像として、「一時停止」や「巻き戻し」ボタンを押した瞬間にタイムシフト映像へ切り替える仕組みにしたという。
このほか、録画済み番組視聴時にサムネイル映像を表示して一発ジャンプできる「シーンサーチ機能」、しおりを挟むようにブックマークを挿入できる「ブックマーク機能」、15秒先へ飛べる「ワンタッチスキップ」も引き続き搭載している。
ネットワーク連携機能も充実
記録型DVDドライブの搭載により、ネットワークを介したPC連携機能も強化された。ネットワークを介し、TV機能を持たないPCでも放送中や録画済み番組の視聴ができるのは従来機と同じだが、今回はPCに蓄積していた映像ファイルをAX-300からDVDに書き出すことができるようになった。PC側にイントールするソフトウェア「AX連携ツール」では、ドラッグ&ドロップの操作でコピーが可能。ビデオフォーマットの変換もファイル移動時に行える。
さらに、「スケジューラー機能」を使えば、指定した時刻にAX300からPCやPDAへ録画ファイルをコピーできる。たとえば、AX300でドラマを録画しておき、深夜にノートPCやPDAにコピーするよう指定する。次の日には、通勤時間や休み時間に番組を楽しめるといった具合だ。映像フォーマットの変換もスケジュール可能なため、PDAにはWMVで記録するといった設定が行える。
新しい機能が「メールコミュニケーション機能」だ。これは、AXユーザー同士がオススメ番組の予約情報やブックマーク情報をメールでやり取りできるというもの(ブックマーク情報の場合は同じ番組を録画している必要がある)。AX300には通常のメール受信にくわえ、定型文による返信機能も用意されており、テレビ画面でメールを読むことができる。
そのほかの主な仕様は下記の通り。
製品名 | AX300H | AX300L |
型番 | PK-AX300H | PK-AX300L |
HDD容量 | 約300Gバイト | 約160Gバイト |
記録可能メディア | DVD-RAM(DVD-VR)、DVD-R(DVD-Video) |
テレビチューナー | 地上波、BSアナログ |
オーディオ入出力 | 入力×3、出力×2、デジタル(S・PDIF)×1 |
ビデオ入出力 | 入力×3、出力×2(S端子、コンポジット)、D1/D2出力端子 |
ネットワーク | 10/100BASE-TX |
本体サイズ | 430(幅)×365(奥行き)×77.5(高さ)mm |
価格 | オープン(16万円前後) | オープン(11万〜12万円) |
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ニュースリリース(NEC)
[芹澤隆徳,ITmedia]