リビング＋：PSX、仕様変更の“なぜ？” (2/2)

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2003/12/02 23:59:00 更新

PSX発売直前インタビュー（前編）
PSX、仕様変更の“なぜ？” (2/2)

　PSXは、“PS2＋BBユニット＋ハイブリッドレコーダー”だといわれている。既に稼働実績があり、PSBBへの対応が遅れる理由が「ファームウェアの準備が整っていないから」とは考えにくい。初期のPSXにはPSBBを利用するためのソフトウェアは入っているが、単に動作サポートは行わない、ということなのだろうか？

「PSBBをサポートするためには、PSBBを利用しているゲームコンテンツとの互換性検証を行う必要があります。PSX発売前にリリースされたコンテンツに関しては、ゲームを開発したベンダーと共同で検証作業を進めなければなりません。このためPSBBにアクセスするためのソフトウェア自身を、組み込まない状態で出荷することになります。コンテンツによって、PSBBの利用が不可欠なもの、不可欠ではないもの、あるいはPCを使ってWebからオンライン登録を行えば遊べるものなどがあります。そのあたりは現在、各コンテンツごとに情報を集約しているところで、発売までには告知することができると思います」（松岡氏）。

　ということは、これもまた、ファームウェアのアップデートに依存するわけだ。ソニーはPSXのアップデートをオンラインで行うと案内しているが、それにしても“後日、アップデートで”という項目が多すぎるように感じる。

「ファームウェアアップデートで対応する項目が多くなった背景には、発売日との兼ね合いがありますが、発売後にアップデートで対応するという判断が行えた背景として、PSXのファームウェアアップデートがインターネット経由で簡単に行えることが挙げられるでしょう」（松岡氏）。

メニュー画面のネットワークアップデート

機能アップデートにお金はかかる？

　販売される製品の数やさまざまな家庭環境を考えると、インターネット経由の自動アップデートとはいえ、家電製品で頻繁なファームウェア更新を行うことは難しい（もちろん、不可能という意味ではない）。PSXのファームウェアはハードディスク内に記録されると聞いているが、アップデートが頻繁になると、ファームウェア更新の失敗やバグなどで、PSXのシステムを再インストールしなければならない、といったPCのようなことが発生する可能性もありそうだ。そうした場合の対応はどうなるのだろう。リカバリーディスクのようなものが添付されるのだろうか？

「いえ、ユーザーサイドでファームウェアを再インストールすることはできません。ファームウェア更新や配布ファームウェアの検証は十分に行いますが、万一、ハードディスクからシステムが読めなくなった場合は、ソニーのサービスセンターで修理となります。もちろん、ハードディスク自身がハード的に故障している場合だけでなく、単にファイルシステムがおかしくなっているケースもあるかもしれません。しかし、原因の切り分けをお客様にしてもらうことはできませんから、すべて修理扱いとなります」（松岡氏）。

　ここで話題にした各種機能がすべて実装され、また互換性検証が進みさえすれば、当初アナウンスされていた機能はすべてカバーできることになる。ここまでは無償アップデートとしても、その先はどうなるのだろう？　今後、さまざまなアップデートが行われるとして、アップデートに費用が発生する可能性はあるのだろうか？

「本来の機能を実現するためのアップデートなどは無料で行っていただけます。今後行われるすべてのアップデートが無料か？　と問われると、その約束はできないとしか答えられません。しかし、われわれはアップデート料金で儲けるのではなく、ハードウェアを販売して利益を得るビジネスモデルでPSX事業を進めています。ですから、可能な限り無料に近い形で提供するつもりです。ただし、すべてのユーザーが高速なダウンロード回線を持っているとは限りませんから、実費程度をいただいてCD-ROMを配布することも考えています」（松岡氏）。

　さて、仕様変更の問題と、それに対応するアップデートに関するポリシーについては、かなりクリアになってきた。アップデートを提供する時期、即ち本来の仕様になる時期については「まだアナウンスできる段階ではない」とかわされたが、その後、提供する予定の機能には、どのようなものがあるのだろうか？

（インタビュー後編に続く）

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