「ITツール、どう選んでいる?」 導入担当者に聞く、製品選定のリアル 積極的に目を通す“モノ”とは?

» 2023年09月15日 10時00分 公開
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 企業がITツールを新しく導入するとき製品を選ぶ基準は何か、導入担当者はどのようなことを考えているのか――自社製品をユーザー企業に届けるマーケターにとって、こうした情報はマーケティング戦略を考えるうえで重要な情報になります。

 自社に何らかのITツールを導入する際、一般的にはまず「課題の整理」「解決策の検討」を行う工程が存在し、検討した解決策が「何かしらの製品を導入すること」になった場合、そこから製品選定がスタートします。

 一昔前であれば「付き合いのある業者が置いていくカタログを眺めて相談、あとは業者にお任せ」という企業も少なくありませんでした。しかし現在では、製品の多様化はもちろん、業務課題の複雑さも増しており、こうしたある意味“牧歌的な導入方法”は既に過去のものとなっています。

photo サーラビジネスソリューションズ 小出輝雄氏(サーラデジタル推進グループ)

 では、企業はどのように製品選定を進めているのでしょうか。企業の導入担当者にリアルな現状についてお話を伺いました。取材したのは、コミュニケーション促進や情報共有の強化と活用支援を目的に、クラウドサービス「Google Workspace」とeラーニングサービス「Master Program」を導入したサーラビジネスソリューションズ(愛知県豊橋市、以下SBS)の小出輝雄氏(サーラデジタル推進グループ)です。

サーラビジネスソリューションズ

エネルギー供給をはじめ、社会インフラの整備、住宅・輸入車の販売など幅広い事業を展開し、2023年に創業114年目を迎えるサーラグループのIT部門を担当。財務・人事・販売といった基幹業務向けITサービスの提供はもとより、グループ企業が手掛ける新事業/新サービスのITパートナーとしての活動も行っています。

製品導入プロセスの“新しい形” 担当者が感じた「従来との違い」とは

 SBSは、総合生活関連企業のサーラグループ内においてITに関する業務全般を担う情シス子会社です。サーラグループはエネルギー供給をはじめ、社会インフラの整備や住宅・輸入車の販売など幅広い事業を展開しており、2023年に創業114年目を迎えます。

 小出氏が所属するSBSの業務は、グループ46社、4000人超を相手にする大規模なものです。その業務は単なるPCの導入にとどまらず、ERPのような事業基幹システムの開発・運用や、勤怠管理や経費精算といった現場業務システムの管理、コミュニケーション/コラボレーションツールの導入といった生産性の向上に寄与する領域まで広範にカバーしています。

 小出氏はサーラグループの別会社で営業職をしていましたが、2008年からSBSで業務効率化や業務改善に有効と思われるツールやサービスをグループ各社に提案/提供する業務を担当しており、これまでの経験を基に現場目線を持ってIT導入支援を行っています。これまでグループ企業へのITサービスの導入・展開プロジェクトに何度も関わった小出氏ですが、近年では選定・導入プロセスその物に変化が起こっていると言います。

 「IT導入がパッケージ導入と同意義に近い時代は、課題の整理から解決策の検討、情報収集、ベンダーへの問い合わせを経てコンペ、デモ依頼といった流れを踏んで製品を決定していました。決定後には導入プロジェクトを発足させてシステム構築やトレーニング、運用開始という工程でした。このやり方はとても時間がかかるもので、苦労して現場にシステムを導入した時点で当初の要求がすっかり変わっていた、という事もありました」(小出氏)

photo 従来型のIT製品導入プロセス

 「しかし最近は『使いにくい』『なんとなくやりにくい』『時代に即していない』といった明文化しにくい課題が増えており、それに伴って選定・導入プロセスも変化しています」(小出氏)

 これまでは「サーバやアプリケーションの保守期間が終わってしまう」「ディスク容量やユーザー数が足りない」「既存システムと現業にミスマッチが見られる」など課題が明確だったため、選定・導入プロセスも性能や仕様の比較から始まる分かりやすいプロセスだったと言います。

 近年のIT製品は性能が目覚ましく向上し、また、多くの現場で使われるようになったため「IT製品が職場にあるのは当たり前」になりました。ですが、普及していることと使いやすいことはイコールにはなりません。普及したからこそ、より使いやすく、より業務の効率化に寄与できる製品が求められるのは必然の流れです。

 IT製品が企業に普及した現在、IT製品導入に携わる人が持つ大きな悩みは「見えにくい課題に対処していくこと」に加えて「変化への対応」が重要になったのです。小出氏は「言い換えると、“過去のやり方”や“プロセスを定義したシステム導入”から、『将来の拡大を見据えた利用サービス選定』にシフトしている」と語ります。

導入担当が積極的に目を通したモノ 「ありたい姿を示してくれた」

 では小出氏は見えにくい課題にどう向き合い、将来を見据えた準備にどのように取り組んだのでしょうか。

 小出氏が着目したのは、選定・導入プロセスにおけるスタート地点でした。これまでのように自社における課題整理から始めるのではなく、類似の課題を抱える他社事例を数多く参照し、課題の可視化と解決策の類型化をスタート地点にしたのです。さらに「ありたい姿も描くようになった」と言います。

 「【●●の業務課題を解決】のような文字が躍るメールマガジンやタイアップ記事は積極的に目を通しましたし、セミナーにも数多く参加しました。自社の課題と解決策が明確化できていない段階では、こうしたメルマガやタイアップ記事のタイトルが“ありたい姿・向かいたい方向”を示してくれたように思います」(小出氏)

photo 小出氏が意識した、将来を見据えたIT製品導入プロセス

事例に見る選定プロセス Google Workspaceの導入をどう決めた?

 ここで小出氏が例として挙げてくれたのが、サーラグループにおけるコミュニケーション/コラボレーション基盤の刷新についてです。これまで同グループではエンタープライズ向けのWebグループウェアを利用していました。しかし近年はグループ全体として事業範囲が拡大しており新しいコミュニケーション基盤が求められていました。さらにリモートワークへの対応に加えて、産学連携や地域貢献などの活動を進めるにあたり社内利用が前提のオンプレミス型グループウェアではなく、より外部との連携性に優れた製品を使う必要があったといいます。

 ただ一口に「外部との連携性」といっても、自社の要求に即した要件定義を行うだけでも多大な労力が必要となります。さらにSBSではグループ会社にIT製品を導入するだけではなく、それを利用してもらうための教育活動も担当します。そのためサービス導入がゴールではなく、速やかに現場への定着を図り、いかに活用してもらうかがポイントになります。

 最終的にSBSではグループ各社にGoogle Workspaceの導入を決定し、教育プログラムとしてストリートスマート(大阪市)のeラーニングサービス「Master Program」を利用することにしました。そこに至るまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。

photo SBSにおけるGoogle Workspace(GWS)とMaster Programの導入プロセス

製品サイト、メルマガ、タイアップ記事 情報収集でどう使い分けた?

 「コミュニケーション/コラボレーション基盤を変えたいという意識はあったので、いろいろな情報収集アクションをしました。検索に始まり、メルマガやタイアップ記事を読み込んだのもそうですし、ホワイトペーパーにも数多く目を通しました。そこで候補の一つになったのがGoogle Workspaceですが、すぐさま決定とはせずに他社サービスとの比較や、自社課題の抽出、さらにはトライアルアカウントでの試用を経て決定としました」(小出氏)

 ここで小出氏が強調したのは、多角的な情報インプットでした。課題の抽出や仕様の比較に入る前に、「自社グループの目的を達成するにはどのような手法・製品が存在するか」「そのサービスを使い倒すことで、組織や企業風土はどのように変えられそうなのか」についても情報を丹念に収集したのです。SBSの目的、つまり外部との連動性を持ったコミュニケーション/コラボレーション基盤の刷新と活用支援を念頭に情報を集めました。

 情報収集の基本は「自社と同じ課題感」「自社に似た企業」に近い事例や製品紹介などです。ただ、その時々に応じて得たい情報や参考にする媒体は変わると言います。費用対効果や製品仕様の情報はホワイトペーパーや製品/サービス提供企業のWebサイトが役立ったと言います。SBS社内や導入先となるグループ各社に対して「心理的な巻き込み」「寄り添い」「世界観の共有」をしたいときには叙情的・心理的に作用するタイアップ記事が有用だったと小出氏は話します。

 こうして収集した情報に加え、「利用企業による独自カスタマイズをなるべく避けたい」「導入・利用コストを抑えたい」「ユーザー端末管理の容易さ」「導入後の利用促進」などIT導入管理会社としてのSBSの要望を加味していき、Google WorkspaceとMaster Programを選定するに至りました。

 「Master Programを紹介するタイアップ記事を読んだとき、現在使っているグループウェアの導入当時に現場を駆けずり回って導入・利用の支援をしていた記憶がよみがえりました。こうしたeラーニングプログラムがあれば、あの大変さを繰り返さずに済む! と思えました。いまでは心の支えになっています(笑)」(小出氏)

マーケターは、導入担当者の多角的な情報収集にどう応えるのか

 もはや企業活動とIT製品は切り離せない関係にあります。業務に必要だからと単純に製品を導入すれば良い時代は終わり、自社の課題を解決したり新たな価値を生み出したりするIT製品の導入が求められています。それは、製品仕様を眺めるだけでは実現できないので、IT製品の導入担当者はさまざまな情報源からいろいろな切り口で情報を集めているのです。

 小出氏の場合は検索に始まり、メルマガやタイアップ記事、ホワイトペーパーの閲覧、さらには各種セミナーへの参加といった多角的な情報収集から解決策にたどり着きました。それぞれの情報は役割が異なり、1つとして欠けては結論にたどり着かなかったことは想像に難くありません。マーケターの視点で見ると、最新の製品導入プロセスや製品情報を発信する各媒体の特性を理解し、適切にメッセージを伝えることで初めて製品やサービスの特長が伝わるといえるでしょう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年11月1日