AI時代だからこそ“正論”ではないアプローチを Dentsu Lab Tokyoが本気で向き合う「Playful Solution」の威力

PR/ITmedia
» 2026年01月14日 10時00分 公開
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 さまざまな情報があふれる中で、顧客や消費者といかにコミュニケーションすべきか、悩む企業は多い。どんなに自社のプロダクトが優れていても、届けたい相手に知ってもらって興味を持ってもらえない限り「売る」ことはできず、かといって真っ向から“正論”でアピールしても響かない。

 そのヒントを探るべく、ITmedia ビジネスオンライン編集部は「Dentsu Lab Tokyo OPEN LAB 2025」(2025年12月4〜5日)に参加した。主催は、電通のクリエイティブR&Dチーム「Dentsu Lab Tokyo」だ。

 会場に並んでいたのは、広告ビジネスの常識を覆すような自由で実験的なプロトタイプの数々。「テクノロジー×クリエイティビティ」を掲げるDentsu Lab Tokyoの正体とは? 本稿でレポートする。

「未知の触感」や「遠隔の香り」も ユニークな展示が満載

 会場には、「未知の触り心地を生成する装置」や「遠隔地に香りを届けるデバイス」など、企業の展示会とは思えないほどユニークな展示が並んでいた。

ALTALT Dentsu Lab Tokyo OPEN LAB 2025の会場の様子《クリックで拡大》

 スタッフに聞くと、これらは春に行われたDentsu Lab Tokyoのプレゼン大会で、約50の応募の中から採択された20の「プロトタイプ」だという。そこで生まれたアイデアやプロダクトを披露し、Dentsu Lab Tokyo内の創発やビジネス機会の創出を狙うのがイベントの目的だそうだ。

 「Phantom Snack」は、利用者がそしゃくする動きを画像認識で検知して、かむタイミングに合わせて骨伝導イヤフォンで振動と音を発する装置。映像や香料による演出も交えて、実際に口に入れていなくても、クッキーやポテトチップスを食べているような感覚を味わえる。

ALTALT かむ動作によって消費したカロリーや、かんでいる間に食べていると仮定したクッキーやポテトチップスのカロリーを画面に表示する《クリックで拡大》

 「さわれる読書」は、言葉から触り心地を生成するシステム「FANTOUCHIE」(ファンタッチー)を応用した展示だ。架空の言葉や「ざらざら」などの言葉を触感に変換して、名作文学に登場するものの感触をリアルに再現する。物語の世界に「触れながら」読む、新しい読書体験を提案するという。

ALTALT 「水晶細工のように見える銀杏の木」など作中の言葉を選ぶと(左)、指先のデバイスを通じて感触(水晶でできた銀杏の木は、シャリシャリしていた)が伝わる(右)《クリックで拡大》

 会場には他にも、3D生成AIゲームや対話型縫いぐるみなど、多種多様なプロトタイプが並んでいた。印象的だったのは、全展示に「解決する課題」「ビジネス展開」が明記されていた点だ。単なる実験で終わらせず、クリエイティビティを起点に社会実装を目指す、そんなDentsu Lab Tokyoの姿勢と熱気が伝わってきた。

Dentsu Lab Tokyoとは何者か?

 イベントで体験した、「遊び心」あふれる研究開発。一体どのような狙いで生み出され、ビジネスに実装されているのか。会場にいたDentsu Lab Tokyoのチーフディレクター、廣田元章さんに話を聞いた。

――あらためて、Dentsu Lab Tokyoとはどのようなチームなんですか。

photo 廣田元章さん(Dentsu Lab Tokyo Chief Director / zero Dentsu Lab Tokyo zero GM)

廣田さん: 私たちはテクノロジー×クリエイティビティを軸に、新しい体験で課題を解決する「クリエイティブR&Dチーム」です。

 大型スポーツイベントの開会式の演出やウォーターショーなどのコンテンツ作りから、社会課題の解決、マスコミュニケーション領域まで幅広く活動しています。従来の広告は「認知」を促す間接的なアプローチが中心でしたが、情報過多の現代、それだけでは人の心は動きません。だからこそ、解決策となるプロダクトそのものを開発するような直接的なアプローチが必要です。既存の手法にとらわれず、多様な手段で「心を動かす体験」を作るため、2015年に発足しました。

――どのくらいの規模なんでしょうか。

廣田さん: 2025年に、グループ会社も含めて170人強になりました。2024年は30人程度だったので、1年で5倍以上に拡大しました。売り上げも昨対比で150%成長していて、ここ数年はずっと右肩上がりです。

――好調の要因は何でしょう。

廣田さん: 「プロトタイプをベースとした提案」が大きいですね。提案時にはまず現物を作るようにしていて、これがお客さまに非常にウケが良いんです。

 どんなに良いアイデアでも、スライドの説明だけでは伝わりません。だからこそ“正論”ではなく、とにかく現物を作って触ってもらう。「リサーチプロセス」や「プロトタイピングを通じた意思決定の支援」がわれわれの強みの一つです。

――どういった職種の方が在籍していますか。

廣田さん: まずは「クリエイティブテクノロジスト」のメンバーです。「とにかく作るのが好き」な人間が多く、新技術に触っては「これどう?」とよく議論しています。

 そして、コピーライターやプランナー、プロデューサーも在籍しています。モノづくりの技術だけでなく、人の心を動かす広告領域の知見も充実しており、職能を超えた横のつながりが大きな強みです。

生成AI時代だからこそ「心を動かす遊び心」が重要に

――通常の業務と並行してR&Dを行うのは大変そうです。R&Dにこだわる理由は何ですか。

廣田さん: クライアントワークで失敗は許されませんが、R&D活動は何度でもトライ&エラーできます。だからこそ「間違えてもそこから何かを学ぶ」という姿勢を、メンバーには常々共有しています。また、これから必要になるスキルは、「自ら問いを立てる力」だと考えます。メンバーそれぞれが「技術で何ができるか」ではなく、「技術で社会の何を解決すべきか」を考えてプロトタイプを作る。そういった自ら問いを作るトレーニングにもなっていると思います。

 人に見てもらうことも重視しています。プレゼン大会や今回のイベントもそうです。作っても、人に見てもらって評価されないと面白くないですから。そうした活動は2024年まで社内向けにやっていたのですが、2025年からはその機会を社外にも広げました。技術やアイデアをアピールしながらR&D活動をビジネスチャンスにつなげたいと思っています。

――Dentsu Lab Tokyoの活動を象徴する言葉に「Playful Solution」があると聞きました。これはどういった意味を込めているのでしょうか。

廣田さん: クライアントさまの依頼を突き詰めると、シンプルに「商品を売りたい」というミッションに行き着きます。でも、ただ商品を置くだけでは人は動きません。消費行動のスイッチって、理屈よりも「なんか好きだな」「面白そうだな」という感情から入ると思うんです。だからこそ、解決策(Solution)には遊び心(Playful)が必要になる。誰かの心を動かすために、機能や正論だけでなく「ワクワクする体験」や「思いも寄らない驚き」を乗せて届けよう――そんな意味を込めています。

 昨今、生成AIが急速に広がりましたよね。さまざまなコンテンツが均一化していることも見逃せないなと思っていて。マーケティングも同様に、どれも似通ったものばかり目にするようになっていると感じます。今後もさらにAIのアルゴリズムが支配的になる中で、「平均的なものからいかに離れられるか」は重要です。人間ならではの遊び心は、重要なマーケティング戦略のカギになるのではないでしょうか。

デジタルとアイデアの融合により、「運ぶ」が人々の自由を拓く未来を可視化

――これまでDentsu Lab Tokyoはどういった案件を手掛けてきたんですか。

廣田さん: 直近で大きな反響を頂いたのは、「Japan Mobility Show 2025」におけるいすゞ自動車さんとUDトラックスさん(以下、いすゞグループ)の展示ブースですね。いすゞグループさんというと、トラックやバスのイメージを持つ方が多いと思います。自動車の魅力は伝えつつも、それらが社会で動き出したときに生まれる「運ぶ」の未来のワクワクを伝えることを目指しました。そのために、展示全体のコンセプトや世界観作りから、一つ一つの体験コンテンツの企画・開発までトータルで担当しました。

――どんな体験を設計したんですか。

廣田さん: 会場全体を「一筆書き」で巡るような体験を設計しました。まずは純粋な「ワクワク」を入り口にして、順路を進むにつれて最終的にいすゞグループさんのビジョンやファクトが深く伝わるような構成になっています。移動の概念を覆す空間演出や、生成AIで来場者一人一人の「未来」を形にする仕掛けなど、随所にテクノロジーとアイデアを掛け合わせています。一方で、デジタル一辺倒にならず、あえてアナログな手法も柔軟に取り入れることで「どうすれば一番見やすく、心を躍らせるか」を徹底しました。単なる技術の専門家としてだけでなく、「コミュニケーションをどう作るか」というDentsu Lab Tokyoの強みを発揮できたと思います。その結果、車好きの方はもちろん、お連れさまとして何となく来場されたような方々にも広く楽しんでいただける場になりました。

ALTALT Dentsu Lab Tokyoが手掛けた、Japan Mobility Show 2025のいすゞグループの展示ブース(提供:Dentsu Lab Tokyo。以下同)《クリックで拡大》

シームレスにタッチポイントを創出し、ブランド価値を高める

廣田さん: PARCOさんの事例もあります。2024年、2025年と2年連続で正月グランバザールのプロジェクトに携わりました。初年度は松平健さんをテーマにして、マツケンサンバをモチーフにしたインパクトのあるCMを制作しました。ご本人をキャプチャーして作った3DCGの「デジタルマツケン」とARを組み合わせてリアルでも楽しめるイベントも開催して好評を得ました。

 2025年は西川貴教さんとコラボして、「新HOT LIMITスーツ」を作ってさまざまな媒体で展開しました。2024年も大きな反響がありましたが、2025年はさらに売り上げや期間中の入館者数も前年比超えという結果を出せました。2年とも、CM単発やイベント単発ではなく、それらをテクノロジーとアイデアでシームレスにつないで統合できた点で、Dentsu Lab Tokyoらしさを出せたのかなと思っています。

ALTALT PARCO正月グランバザールのメインビジュアル(左:2024年、右:2025年)《クリックで拡大》

――最後に、今後の展望についてお聞かせください。

廣田さん: アムステルダムに新たな拠点をオープンしたばかりでして、国外にも活動の場を広げています。先日も、東京のメンバーとアムステルダムのメンバーが融合し、ALSのダンサーと共に脳波による”意思”が生み出すライブパフォーマンス「Waves of Will」を披露しました。私たちが提供する「体験」は、言葉が要らないノンバーバルなもので、国境を問いません。日本のアニメや漫画は、ビジュアルや世界観で国を問わず熱狂を生んでいますよね。それと同じように、私たちが作る「ワクワクする体験」も言葉の壁を越えて世界中の人の心を動かせると信じています。

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提供:Dentsu Lab Tokyo、株式会社電通
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年1月30日