ユーザーが語る Webブラウザで使えるICカードリーダーの可能性

PR／ITmedia

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　オンライン本人確認サービスの利用をはじめ、マイナンバーカードを使った業務のデジタル化が自治体を中心に広がっている。今後、企業においてもマイナンバーカード活用の流れは加速するはずだ。

　そうしたマイナンバーカード活用の推進に一役買っている企業がポケットサインだ。マイナンバーカードを使ったスマホアプリ「ポケットサイン」など、マイナンバーカードを活用したさまざまなサービスを提供している。その一つとして多くの自治体に導入されているのが「ポケットサイン防災」だ。

　ポケットサイン防災は、災害時の避難支援や自治体による避難所の運営業務を効率化するサービスで、避難所の利用者はマイナンバーカードや二次元コードを使ってチェックインが可能となる。管理画面で避難状況や来場者データをすぐに可視化できる。

　これらのチェックイン方法は3つ。「手入力」「二次元コードの読み取り」「専用端末によるマイナンバーカードの読み取り」だ。このうちマイナンバーカードの読み取りシステムとして使われているのが、ソニーのNFC／FeliCaリーダー「PaSoRi」（パソリ）と非接触ICカードやデバイスに対応したソフトウェア開発キット（SDK）の「SDK for NFC Web Client」（エスディーケー フォー エヌエフシー ウェブクライアント。以下、Web Client）だ。PaSoRiとインターネット接続したPCを避難所などに設置するだけで受け付けシステムとして機能する。利用者がこれにマイナンバーカードをかざせばチェックインが完了する。ポケットサインの下村光彦氏（プロジェクトマネージャー）は「PaSoRiとWeb Clientの組み合わせでアプリ開発が大きく前進し、自治体担当者が管理しやすいサービスになりました」と振り返る。

ポケットサイン 下村光彦氏

Webブラウザでマイナンバーカードを読み取れる機能を容易に開発

　ポケットサイン防災は当初、PCにインストールして使用するネイティブアプリとして開発していた。しかし、情報セキュリティの観点などから自治体が管理するPCにインストールするにはさまざまな手続きや庁内での調整が必要で、実用性に欠けていたという。

　「ソフトウェアをアップデートする際もその都度申請が必要になるなど、担当者の負担が増すことが想定されました。有事の際に利用するサービスなので、インストールが不要でアップデートや管理が簡単なWebアプリとして開発することにしました」

　そこで課題になったのが「Webブラウザからマイナンバーカードにどうアクセスするか」だ。実現する方法を模索した結果たどり着いたのがWeb Clientだった。マルチOS対応で、カードリーダー／ライターアプリのインストールや設定は不要。クラウドにライブラリがあるため最新版を常に利用できる。また、さまざまなカードタイプに対応しており、PaSoRiと組み合わせることでWebブラウザからマイナンバーカードにアクセスできる。

　「独自のドライバを作ることもできたかもしれませんが、それはあまりにも大変です。ソニーさんの製品であれば公式サポートも用意されていますし、マイナンバーカードの受け付け端末としてすでにPaSoRiを導入していたこともあって、すぐに問い合わせました」

　Web Clientを用いた開発で下村氏が特に良かったと話すのが、導入の手軽さと充実した支援体制だ。「Web Clientのサポートサイトには複数のサンプルやドキュメントが掲載されており、スムーズに開発できました。検証段階で気になった箇所を問い合わせたところ、的確な回答をスピーディーに提示してもらえた点も心強かったですね」

PaSoRiとWeb Clientを使ったタッチ受け付けの利用イメージ

施設やオフィスの入退室管理など民間企業でもニーズが拡大

　PaSoRiとWeb Clientの汎用（はんよう）性を生かして、ポケットサインは自治体や企業と共にマイナンバーカードを使ったさまざまなサービス展開や実証実験をしている。民間企業からのサービスに関する問い合わせも増えており、下村氏は「施設やオフィスの入退室管理にもPaSoRiとWeb Clientを使ったマイナンバーカードの読み取り機能は有効です」と力を込める。

　同社は、マイナンバーカードのICチップに搭載された電子証明書を用いた本人確認機能（公的個人認証サービス）をさまざまなサービスやアプリに組み込むための事業者向けAPIサービス「PocketSign Verify」を開発者向けに提供している。Web Clientと併せて利用すれば、マイナンバーカードを使ったWebアプリ開発が容易になる。

　「PaSoRiとWeb ClientはFeliCaの技術を持つソニーが開発している製品であり、トラブル発生時のサポートも充実しています。この組み合わせでエンドユーザーも安心して使えるアプリを開発できるはずです」

ポケットサイン防災の使用イメージ