テクノロジーとさまざまな業種の知見を掛け合わせ実践的な価値を具現化し、顧客と社会を前進持続可能な世界に向けたサステナビリティ・トランスフォーメーション

PR/ITmedia
» 2025年03月06日 10時00分 公開
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 2021年10月、富士通が社会課題を起点とした新たな事業モデル「Fujitsu Uvance」(富士通ユーバンス)を立ち上げた。日本中がDXのうねりに身を委ねている中でDXだけでなく「SX」(サステナビリティ・トランスフォーメーション)、持続可能な世界を掲げた点がFujitsu Uvance最大の特徴だ。

 90年間に及ぶ富士通のDNAを受け継いでいるFujitsu Uvanceは、顧客や社会に何をもたらすのだろうか。Fujitsu Uvanceの歩みと価値を解説する。

photo Fujitsu Uvance

創業90年の歴史が生んだFujitsu Uvance

 Fujitsu Uvanceには「あらゆる(Universal)ものをサステナブルな方向に前進(Advance)させる」という理念が込められ、ここから「Uvance」という言葉が生まれた。SXを軸にして新しい価値を創造し、顧客のビジネスの加速、拡大と社会課題の解決を両立させることで、富士通のテクノロジーやノウハウをオファリングとして提供する。

 富士通がSXにフォーカスする背景には、テクノロジーが進歩しているのと同時に環境問題、社会課題、経営課題が従来の業種や企業単位で解決できないほど複雑化している現状がある。テクノロジーの進化とサステナビリティの推進という2つの潮流が交錯する“未来の転換点”に立っている中、これらの課題に取り組むためには異業種間連携(クロスインダストリー)が不可欠である。テクノロジーを活用したサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けた事業モデルとして打ち出しているのがFujitsu Uvanceだ。

 同社がサステナビリティに注力してきた歴史は長い。1935年の創業時から「自然と共生するものづくり」を掲げ、1938年に完成した川崎工場では周辺環境との調和を重視。バブル期を経て自然環境問題への社会的な関心が高まると、「富士通環境憲章」を制定して環境問題対策を経営課題の一つに位置付け、ICTと創造力を活用して持続可能な発展に貢献するとした。

 こうした流れを経て誕生したFujitsu Uvanceが目指す到達点は、同社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」だ。

 富士通は、パーパスを実現するためにマテリアリティの必要不可欠な貢献分野として、

  • 地球環境問題の解決(Planet)
  • デジタル社会の発展(Prosperity)
  • 人々のウェルビーイングの向上(People)

を設定している。

 マテリアリティに基づく施策の一つが、2020年に始めた社内DX推進プロジェクト「Fujitsu Transformation」(フジトラ)だ。製品やサービスの刷新にとどまらず業務プロセスや組織文化の改革などを意図したもので、フジトラによってデータドリブン経営やリアルタイムな意思決定を可能にする仕組みを構築してビジネスモデルを変革させる狙いがある。

 フジトラによって社内のDXが進んだものの、日本社会を見渡してみると「DX後進国」と呼ばれている現状があった。「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスを推進するために、富士通は何ができるのか――このような思いから生まれたのがFujitsu Uvanceだ。

富士通の価値をいかに具現化するか

 Fujitsu Uvanceの根底には、マテリアリティの達成に欠かせない11の貢献分野がある。「気候変動(カーボンニュートラル)」「責任あるサプライチェーンの推進」「顧客・生活者体験の向上」といった11分野は単なる内部目標ではない。顧客が直面する課題と一致しているからこそ、富士通は顧客と同じ視点で解決策に取り組むことができる。

 企業の課題解決を支援しようにも、ビジネス課題も経営環境も複雑化しているというのは前述の通りだ。これまでは個社ごとに最適な課題解決策を見つけるシステムインテグレーション(SI)が主流で、その多くはオーダーメイドだった。しかし、それでは富士通のパーパスを実現できない。社内外のプロジェクトで蓄積してきたノウハウとテクノロジーをオファリングとして集約、具現化し、さまざまな顧客との検証を通じてアップデートを続ける必要がある。富士通が持つ「価値」を総動員して、サステナブルな事業成長というSXの文脈を含めて事業モデルに落とし込んだものがFujitsu Uvanceというわけだ。

 富士通は、業種や企業の枠を越えた複合的なアプローチによって新たな解決策を生み出し、持続的な事業成長と社会課題解決に導く知見を磨いてきた。同社が国内外の顧客と取り組んできた先進事例を「成功モデル」としてオファリング化して提供できるようになった点がFujitsu Uvanceの強みと言える。

 同社が積み重ねてきたクロスインダストリーな取り組みを標準化し、すぐに利用できるオファリング群として展開。そこには富士通が研究、実装してきたデータ利用やAIといった先進テクノロジーが詰め込まれている。これらを“富士通の価値”として提供するに当たり、企業のメインフレーム構築やDX推進を手掛けることで磨いた洞察力を徹底的に生かす姿勢だ。

 富士通の取り組みは国内だけにとどまらない。「WBCSD」(持続可能な開発のための世界経済人会議)のPACT(炭素の透明性のためのパートナーシップ)では、サプラチェーンの企業間データ連携や方法論の標準化策定に貢献。富士通自ら、複数のグローバルサプライヤーとグローバル標準にのっとった実データを活用した製品カーボンフットプリント算出とCO2排出量のデータ連携を世界的にも早期に社会実装し、脱酸素に向けた実践を本格的に開始。データ流通の仕組みである「データスペース」を巡る取り組みにも参画していて、これらの知見を顧客に還元する考えだ。

Fujitsu Uvanceによるオファリングの全容

 Fujitsu Uvanceを通じて顧客に提供する価値は、次の3つに集約できる。

  • 企業・業種を越えた複合的なアプローチで新たな市場を生み出し、サステナブルな事業成長を実現する
  • 複雑な問題や未知の問題に対し、高度な意思決定を可能にし、知的創造経営を実現する
  • 先進事例に裏付けされた成功モデルにより、ToBeを圧倒的スピードで具現化する

 これらの価値を提供するオファリングの鍵は「データ」だ。AIやデータを活用して、複雑なビジネス課題や経営の問題に対する高度な意思決定を可能にする。富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」が需要予測や在庫管理、損益予測などで成果を挙げている他、データドリブン経営を支援するデータ基盤、テクノロジーに立脚したコンサルティングなど多様なソリューションを組み合わせて顧客を支援するという。

 本記事ではマテリアリティにおける重点分野のうち、「気候変動(カーボンニュートラル)」、「責任あるサプライチェーンの推進」、「顧客・生活者体験の向上」を例にオファリングの中身を見ていく。ここで紹介するオファリングは標準的な例であり、個社の状況に応じたカスタマイズも可能だという。

気候変動(カーボンニュートラル)

 気候変動の分野は「持続可能なものづくり」と密接に関わっている。Fujitsu Uvanceの一環で、企業が温室効果ガス(GHG)排出量を削減してカーボンニュートラルを達成することを支援。ESG経営を支える「ESG Management Platform」を使ってGHG排出量を算出、可視化できる。サプライチェーン全体の排出量データを集積、分析することで排出量削減の具体的な施策を立案し、その効果を測定可能だ。

責任あるサプライチェーンの推進

 サプライチェーンの分野では、ある大手製造業の事例がある。同社はグローバルで3000社のサプライヤーと18の工場を抱え、20の既存システムで20万以上のパーツを管理していた。全オペレーションの効率性とレジリエンスの向上が課題だった。

 これに対して、富士通はデータ統合や分析をオールインワンでできる基盤「Fujitsu Data Intelligence」を使ったデータ統合を数週間で完遂。既存のシステムを停止させることはなかった。データ統合によって在庫状況や流通状況を可視化でき、サプライチェーンマネジメントの業務量を約5割削減した。

 Fujitsu Data IntelligenceはFujitsu Kozuchiを組み入れている。AIを使って300種類のパーツの需要予測を2カ月かけて最適化し、全体として十数億円のコスト削減につなげたという。企業の枠を超えた事業改革を短期間で成し遂げられるFujitsu Uvanceの強みが生きた事例だ。

顧客・生活者体験の向上

 顧客・生活者体験の向上については、「Omni-Channel Services」「Personalized Marketing Services」などを提供している。これらのオファリングは、小売業やB2Cビジネスにおける顧客接点の最適化を目指すものだ。

 Omni-Channel Servicesによって、小売業やB2Cビジネスにおける店舗やECサイトといった複数のタッチポイントを一元管理するオムニチャネル基盤を構築し、顧客と従業員のニーズを適切に把握することで一貫した顧客体験の提供と従業員の満足度向上が可能になる。グローバルベースでユニファイドコマース基盤を統一し、さまざまな既存アプリケーションとの連携も可能なGK SoftwareのプラットフォームやAI技術を活用したパーソナライゼーションやダイナミックプライシングを実現するアプリケーションをグローバルに展開している。

 Personalized Marketing Servicesは、タッチポイントにおける行動データや購買情報をAIで分析。顧客一人一人に合わせた商品を提案可能にする。需要を喚起して売り上げを向上させると同時に、需要を正しくつかむことで過剰生産や廃棄を防げるサービスだ。

テクノロジーが課題解決、市場創造、社会発展につながる

 Fujitsu Uvanceの中身を見つめると、ビジネスとテクノロジーを共存させているのだと理解できる。顧客の課題はビジネスに起因するが、それを解決するのはテクノロジーだ。AIや量子コンピューティングなどのテクノロジーを富士通が積極的に進化させる背景には、技術革新が顧客課題を解決して新たな市場の創造につながり、顧客のビジネスの成長だけでなく社会の持続的な発展に寄与するという信念があるからだろう。

 富士通は、Fujitsu Uvanceによって自社や顧客、社会のSX実現に貢献していく。気候変動への対応からサプライチェーン改革、顧客体験の向上まで多様なスケールでの課題解決への取り組みは、富士通だからできることだ。Fujitsu Uvanceがもたらす価値に期待したい。

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2025年3月28日

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