インターネット上における企業の「看板」とも言えるWebサイト。商品に興味を持った潜在顧客はもちろん、既存顧客からの問い合わせ対応などのコミュニケーションを含め、さまざまな機能を有している。
一方で、頻繁に更新していないと「情報が古い」「回答がない」と思われ、顧客のエンゲージメント低下を招くこともある。社内システムとの分断からWebサイト経由の問い合わせ対応が現場の負荷となり、業務効率を下げるボトルネックにもなりがちだ。
本記事では、問い合わせ対応やコンテンツ更新といったWebサイトにまつわる悩みを、「Webサイトとkintoneの連携」というアプローチで一気に解決する方法を紹介する。Webサイトを、単なる看板にとどまらない、業務全体を加速させるエンジンへと変貌させるディーエスブランドのソリューション「おりこうブログDX」とは。
おりこうブログDXは、ディーエスブランドが2006年から展開している国産CMS「おりこうブログ」をベースとして、2023年に誕生した。20年近く企業のWebサイト関連のサポートをしてきた同社でCX本部長を務める伊藤和吉氏は、企業とWebサイトを取り巻く課題について次のように話す。
「『どんなコンテンツを更新するのか』を中心に、運用面で迷って“なおざり”になってしまう企業が多いと感じています。個人的な感覚ですが、しっかり自社サイトを活用できている企業は3割ほどではないでしょうか」
継続的な更新に加え、訪問者からの問い合わせや申し込み対応も企業を悩ませる。これらの情報はメールで届くのが一般的だが、共通アドレス宛では「気付いた人が対応する」運用になりがちで、顧客対応が遅れて企業イメージの低下を招きかねない。Webサイトに寄せられた情報をデータベースに登録するアナログな運用も、現場の負担を増している。
運用面の課題が浮き彫りになる一方で、企業のWebサイトが担う戦略的な重要性は高まっている。かつてWebサイトは、情報を掲載するだけの「広告」として認識されていた。しかし、DXが企業の重要課題となる近年、その役割は大きく変化した。Webサイトは顧客との最初の接点であり、顧客体験を左右する重要なプラットフォームへと進化したと言える。
そのため、問い合わせや各種申し込みへの対応をデジタル化して顧客とのコミュニケーションを円滑にするためのアップデートは急務だ。
「新規顧客からの問い合わせは、売り上げを拡大する上で絶対に取りこぼせませんし、既存顧客への対応も重要です。これらをデジタル化し、かつ高度化する上でWebサイトは非常に重要な立ち位置を占めるでしょう」
Webサイトの戦略的価値と、日々の運用負荷。この課題にどう向き合うべきか。その有効な一手がディーエスブランドのおりこうブログDXだ。伊藤氏は、製品開発の背景について次のように話す。
「これまでは『Webサイトをイチから立ち上げたい』という新規開設のニーズが多かったのですが、近年はほとんどの企業が自社サイトを保有する時代になりました。同時に、問い合わせなどにおいて、いかに顧客に対してフレンドリーかつ業務効率を毀損(きそん)しない形にリニューアルするか――という点に課題が移っています。そうした時代の要請に応えるために、kintoneを使ってWebサイトの運用改善と業務効率化を両立させるツールとして、おりこうブログDXを開発しました」
おりこうブログDXを一言で表現するなら「CMSとkintoneが連携し、データを出し入れしながら業務を効率化するツール」だ。
前身となったCMSであるおりこうブログは、自社サイトの構築を外部に委託している企業が多かった当時、内製化を容易にするために簡便さにこだわって開発したという。そこに、プログラミングの知識があまりない人でも直感的にアプリや業務フローを作成できるのが大きな強みであるkintoneが組み合わさっている。
おりこうブログDXの代表的なユースケースとして、伊藤氏は問い合わせや申し込み対応の自動化を挙げる。
Webサイト上にイベントの開催日程を表示するページを作り、申し込みフォームを設置したとする。フォームに入力された情報はkintoneのデータベースに自動で登録されるため手作業での転記は不要だ。さらに、kintone上のデータと連携して定員管理もできる。定員が埋まると自動で申し込みを締め切り、申し込みをした人には登録情報の確認や更新ができるマイページを発行できる。おりこうブログDXは、こうした一連のプロセスをスムーズに実現する。
Webサイトの商品情報管理も負担が大きくなりがちだ。新商品の追加や廃盤品の更新を手作業で行うのは非常に煩雑で、更新漏れのリスクも伴う。おりこうブログDXは、この課題も解決する。kintone上の商品情報をマスターデータとして管理し、その更新内容をWebサイトの表示に自動で反映するように設定できる。「kintone上には存在するがWebには表示しない」といった公開/非公開の制御も簡単なので、情報の保守にかかる手間を大幅に削減できる。
社内向け共有ページも作成可能だ。最大1000アカウントのIDとパスワードを発行できるため、業務日報や有給休暇など各種の申請に使う企業もあるという。
「端的に表現すれば、おりこうブログDXの役割はWebサイトとkintoneとの間でデータの出し入れをすることです。そのタイミングや方法を工夫するだけで、さまざまな業務に応用できます。この自由度の高さこそが、おりこうブログDXの強みです」
Webフォームの作成や入力された情報の集計・表示などの機能単位で見れば類似のツールはいくつかある。おりこうブログDXは、各機能をつないで一元的に管理できる点に大きな強みがあるとも伊藤氏は話す。
「CMSの中に全ての機能が統合されているので、Webサイトの運用がしやすくなります。Webページとkintoneのデータベースを別々に更新する必要はありません。kintoneの情報を更新するだけでWebページに埋め込んだ価格表やイベントカレンダーなども自動で最新の状態になるため、更新の手間とミスを同時に防げます」

Webフォームに入力された問い合わせや申し込みをkintoneに直接登録したり(左)、kintoneで一元管理しているイベント情報をWebサイトのカレンダーに自動で表示させたり(右)できる(提供:ディーエスブランド)《クリックで拡大》コストパフォーマンスの高さも大きな魅力だ。伊藤氏によれば、複数のプラグインを組み合わせたりシステムを独自開発したりするよりもかなり手頃な価格で導入できるという。同氏は「大手クライアントさまが『こんな金額でできるなら』と即決したケースもあるほどです」と、その手軽さを強調する。
非常に高いカスタマイズ性や対応業務の広さ以外に、おりこうブログDXの強みとして伊藤氏はサポートの手厚さも挙げる。顧客が最も喜ぶのはこの点なのだという。
同社はもともとサポート部門を設けていたが、従事していたのは5人にも満たない人数だった。しかし、市場が「Webサイトを持つ」時代から「いかに活用するか」が問われる時代へと成熟するにつれて、同社の事業の主眼も新規顧客の獲得だけでなく既存顧客の成功支援へと移っていった。
そこで10年ほど前から本社がある長崎に専門部隊を集約してサポート体制を大幅に強化。現在は約40人の組織に拡大し、電話は着信を受けて「3コール以内」に取れるように徹底している。
「当社のサポートは、単なる操作説明にとどまりません。『こういうページを作ってみたい』『この業務を効率化したい』といった、お客さまの目的を実現するためのご相談にまで踏み込んでいます。おりこうブログDXは非常に多機能だからこそ、そのポテンシャルを最大限に引き出すサポートが不可欠だと考えているからです」
よくある四角四面なカスタマーサービスとは異なって顧客に徹底的に寄り添うからこそ、「社外のWeb担当者」のような距離感で頼る企業も多いという。中には、自社のWebサイトに掲載したコンテンツについて「こんなの作ったけど、どうかな?」と意見を求めてくる顧客もいると伊藤氏は笑いながら話す。まさに、顧客からの信頼の厚さを物語る一幕だ。
おりこうブログDXはさまざまな業種で導入が進んでいるが、特に多いのが協会や組合といった業界団体だ。その背景には、特有の課題がある。会員や企業向けに数多くのセミナーを開催しており、その煩雑な予約管理こそがおりこうブログDXのkintone連携で解決できる典型的な業務だからだ。
ある団体は、一般公開しているページと会員向けページにおける情報の出し分けやセミナーの受け付けをするためにおりこうブログDXを導入。以前はセミナー情報と、申し込みの受け付けや管理を別のページで行っていたが、ワンストップで完結できるようになった。こうしたケースを含めて、従来の工数が半減した導入事例が多いと伊藤氏は胸を張る。
某大手製菓会社もおりこうブログDXのユーザー企業だ。同社はWebサイトに掲載しているコンテンツの6割ほどがkintoneと連携しており、導入以降は最新の商品がWebサイトに掲載されるまでのタイムラグを大幅に短縮できたという。
問い合わせがあった内容は即座に「よくある質問」ページに反映させ、他の顧客が同じ疑問を自己解決できるように促している。わざわざ電話で問い合わせる手間を減らすための、こうした工夫も容易になった。いずれの情報更新もkintoneでデータを更新すればWebサイトに反映されるようになっており「Webサイトの更新をkintoneだけで完結できる点を評価くださっています」と伊藤氏は話す。
Webサイトにまつわる課題は、冒頭で触れたように数多い。しかしその課題を乗り越えられれば、単なる「看板」としてではなくさまざまなポイントで事業を加速させる起爆剤にもなり得るのは間違いない。
「情報発信だけでなく、売り上げアップなどを含めた可能性がWebサイトには眠っています。ぜひ、おりこうブログDXを使って現場の負荷を下げながら試行錯誤し、今までにない活用方法を見いだしていただきたいと思います」
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提供:株式会社ディーエスブランド
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2025年10月17日