「経理業務が5倍に」「繁忙期は連勤も」――M&Aによる事業拡大で壁に直面 ソラストの課題解決策に学ぶ経理改革

PR/ITmedia
» 2025年10月27日 10時00分 公開
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 事業の急成長、M&A、組織再編など、企業が成長フェーズに入ると経理などのバックオフィス部門は業務量の急激な増加に直面する。この壁を乗り越えられなければ成長の勢いは鈍化し、最悪の場合は事業継続のリスクにもなりかねない。

 本記事では、M&Aなどによる事業拡大で急増した経理業務を本社に集約し、アウトソーシングによって効率化したソラストの事例を紹介する。業務量が5倍以上に膨れ上がった経理部門が業務をどのように効率化し、成長戦略を支えたのかを明らかにする。

事業成長と経費処理の本社集約で経理の仕事量が急増

 ソラストは、1965年に創業した国内初期の医療事務教育機関だ。現在は医療事務などを提供する医療事業と介護事業、保育園を運営するこども事業を柱に成長を続けている。2016年6月に東証1部に上場し、2022年4月に東証プライム市場に移行した。2025年3月時点で医療オフィスは41カ所、介護事業所は709カ所、保育所は67カ所と全国各地に拠点があり、従業員は3万人を超える。

横田諭氏(管理本部 本部長 公認会計士)

 介護事業やこども事業を中心に積極的なM&Aを進めて事業を拡大させたが、経理部門は課題を抱えるようになる。特に大きな課題が、全国の支社や施設で経理担当者が行っていた請求書の処理や立替経費精算などの本社集約だ。ソラストの管理本部で本部長を務める横田諭氏が当時を振り返る。

 「現場の従業員がサービスに特化できる体制をつくろうと、2019年ごろに経費処理の本社集約を決めました。特に、介護事業は介護保険法によって職員の配置基準が決められているため、間接コストをいかに合理化できるかがM&Aによるシナジーの種だと考えていました」

古里理人氏(管理本部 経理部 経理サポートグループ グループ長)

 経理部門には決算や開示、税務などを担当する主計グループと、現場の経費処理などを担当する経理サポートグループがある。各拠点から集約した業務は経理サポートグループが担うことになった。しかし、当時の経理サポートグループは残業が問題になっていたと同社グループ長の古里理人氏が明かす。

 「当時は日常的な残業や休日出勤、決算時期の連勤も珍しくなく、当たり前だと思っていました。加えて、業務の集約によって請求書の枚数や処理量は5倍に増えることが予想されました」

 グループ長代理として業務の進捗(しんちょく)管理を担当する森本弥生氏によると、当時はアナログな方法で業務を進めていたという。「請求書のデータをExcelに手入力して、インターネットバンキングへの取り込みも手作業で行うなど、全ての業務を人の力で済ませていました」

 医療事業の経費処理を担当する中川まどか氏も、手作業での業務に限界を感じていた。「とにかく仕事を回すのに精いっぱいで効率化を考える時間はありませんでしたが、もっと楽にできるのではないかと思っていました」

「バーチャル経理アシスタント」の選定理由は

 このままでは人手が足りないのは明らかだったが、人を増やすだけで対応できるのかといった疑問もあった。そこでアウトソーシングが選択肢として浮上したと古里氏は説明する。

 「当初は、追加採用や派遣社員の増員を検討していました。しかし、派遣社員を管理するのは我々のため、結局手間がかかることから、人員を増やすだけでは業務の集約化を成し遂げるのは難しいとの結論に至りました。別の方法を検討する中でアウトソーシングが選択肢に上がり、コストをかけてでもアウトソーシングするタイミングではないかと考えました」

 この方針に対して「自分たちの仕事がなくなるのではないか」と不安を抱いたメンバーもいたという。

 「アウトソーシングについて説明したところ、メンバーから『じゃあ、私たちの仕事って何ですか』という声が上がりました。これは、最も時間をかけていた業務を外部委託することで『自分たちは会社にとって必要なくなるのではないか』と不安を抱かせてしまったことが原因です。そこで、改めて時間を設けて『空いた時間で業務を効率化して会社に貢献することがこれからの経理サポートグループに求められていることだよ』と伝えました。振り返ってみると、この会話ができたことは、その後の業務集約に当たっても大きな意味があったと感じています」(古里氏)

 アウトソーシングするに当たって、候補を5社程度リストアップした。その中から2社に絞って、最終的にメリービズのアウトソーシングサービス「バーチャル経理アシスタント」を選んだ。その理由について古里氏は「レスポンスの早さ」を挙げた。

 「コストやクオリティーの面など多角的に検討しました。メリービズさんにお願いしたいと思った一番の理由は、レスポンスが一番早かったからです。経理業務の本社集約プロジェクトは全体スケジュールが決まっていて、アウトソーシング先を決める期間は1〜2カ月程度しかありませんでした。余裕がないスケジュールの中でスムーズにやりとりができたことで、メリービズさんとなら一緒に前に進んでいけると感じました」

森本弥生氏(管理本部 経理部 経理サポートグループ グループ長代理)

 森本氏は、当初はアウトソーシングに不安があったものの、打ち合わせを重ねる中で安心感を得ることができたと語る。

 「アウトソーシングは初めてで、私たちと同じように業務をやっていただけるのか心配でした。ですが『これはできますか』と聞くと、どの質問にも『できます』と答えてくれたので、同じ精度で業務を進めていただけると安心しました。業務を担当するメリービズの専属チームのスタッフは、日商簿記2級資格や3年以上の実務経験があるなど、専門性が高いスキルを持つ人材であることも大きかったですね。土日も稼働する施設が多く、時間外や休日の対応が必要な場合もありますが、その点も柔軟に対応してくれます。コスト面だけで比較すればメリービズさんより安価な企業もありますが、クオリティーの面も含めて考えるとメリービズさんにぜひお願いしたいと感じました」

安定した運用を実現するメリービズの手厚いサポート

 集約化を進めるために、経理サポートグループは業務の標準化に取り組んだ。古里氏は業務のやり方が支社によって違っていたことに苦労したと話す。

 「最初に苦労したのは、経費精算の全体像を把握することでした。会社としての月次締め日は決まっていたものの、社員の経費精算や業者への支払タイミングは拠点によって異なっていたため、ヒアリングを通じた業務の可視化に時間を費やしました」

 ヒアリングの結果、支払金額や件数の多さなどから全ての事業を一度に集約するのは難しいと判断し、医療事業の業務から段階的に進めることにした。

中川まどか氏(管理本部 経理部 経理サポートグループ)

 業務の集約と並行して、メリービズへの引き継ぎ準備も開始した。実際の準備期間は1カ月しかなかったものの、中川氏はメリービズのマニュアル作成などのサポートでスムーズな引き継ぎができたと振り返る。

 「2021年12月にキックオフミーティングをして、2022年1月に稼働しました。年末で私たちもバタバタしていて、社内で使っていた簡単な手順書しかお渡しできませんでした。それでも、メリービズさんが手順書とミーティングを基に2週間程度で準備を整えてくれたので非常に助かりました」

 導入前から伴走したメリービズのコンサルタントの存在も大きかったと森本氏は語る。

 「導入前から運用が安定化するまでずっと見ていただきました。コンサルタントによる伴走は他社の提案にはなかったと思います。メリービズさん側の窓口として、全ての疑問に答えていただきました」

 中川氏はアウトソーシングを通して、属人化の解消にもつながったと感じているという。

 「メリービズさんに業務内容をお伝えする過程で、請求書を処理する手順や確認するポイントなどが経理サポートグループのメンバー間で違っていることに気付きました。業務の集約が、仕事の進め方を統一するきっかけになりました」

残業は半分以下に、新システムの導入も実現

 事業の急拡大で請求書の枚数や処理量が大幅に増加する中で、経理サポートグループは業務の標準化とバーチャル経理アシスタントの導入によって業務効率化を実現した。その成果を古里氏と横田氏は次のように強調する。

 「残業は半分以下に削減できました。休日出勤もなくなりましたね。導入前は5人いた常勤の派遣スタッフも1人になりました。2024年8月には経費精算を全社で統一する新たなシステムも導入できました。これらを実現できたのはメリービズさんへのアウトソーシングで時間が生まれたからだと考えています」(古里氏)

 「私たちはサービス導入後、介護領域の企業を中心に、多い年で年間10社ほどのM&Aを行っています。シナジーを生み出す一つの重要な要素は、管理部門などの『間接コスト』をいかに合理化するかという点にあります。メリービズさんは目先の課題解決に留まらず、まさに当社の成長戦略の基盤を支えるという根本的な役割を担ってくださいました」(横田氏)

 横田氏は、アウトソーシングをきっかけにメンバーの考え方が変わったと見ている。

 「以前は全部自分たちで何とかしなければと思っていましたが、それは『残業で頑張る』という意味でした。会社に貢献する方法が残業ではなく効率化だと擦り合わせたことで、考え方が少しずつ変化したのではないでしょうか。全社の経理業務を巻き取って効率化できた経験は大きいですね。今後も業務をデザインして、いい意味で楽に仕事ができるようになったらうれしいです」

 会社と現場が同じ方向を向いたことで、経理サポートグループが会社の成長戦略を支えることにもつながった。導入して感じたメリットを、古里氏と横田氏はこう語る。

 「世の中に経理業務を委託できる会社はあまたあると思います。大事なのはアウトソーシングの目的をきちんと定めることではないでしょうか。メリービズさんにお任せすることによってコア業務に充てる時間をつくることができ、効率化も実現しました。メリービズさんは、困難に一緒に取り組めるパートナーだと思っています」(古里氏)

 「管理部門もサービス業ですから、サービス品質の向上を図ることは当然です。その際に上司に言われた通りに仕事をするだけでは面白くないですよね。管理部門を変革するのは難しいと考えている企業は多いと思いますが、管理部門も株主や取引先、従業員など、サービスの提供先に目を向けることで能動的に変わることが可能です。その際にメリービズさんとのパートナーシップがあれば、変革は加速するのではないでしょうか」(横田氏)

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