2024年以降、出社回帰が加速している。ITmedia ビジネスオンラインの読者調査によれば、回答企業の過半数が出社率80%以上に達している。ただ、出社率100%未満の企業の多く(77.5%)は現状維持を予定しており、出社とリモートを併用するハイブリッドワークが定着しているようだ。
出社回帰の背景にあるのはコロナ禍収束だけではない。リモートワークで働き方の柔軟性や効率性が向上した一方、コミュニケーション不足によるイノベーション創出機会の減少やエンゲージメント低下といった弊害が顕在化したことも理由に挙げられる。
しかし、ハイブリッドワークも万能ではない。調査では依然として「コミュニケーションが足りない」(46.1%)が課題のトップだ。出社回帰の目的である「コミュニケーションの活性化」が達成されていないこの状況は、なぜ生まれるのか。その要因を考えるとき、従業員の交流の場である「ハイブリッド会議の質」は無視できない。
ハイブリッド会議の質が上がらないのはなぜだろうか。フル出社であれば会議室に皆が集まり、画面共有が必要なら誰かのPCをモニターと接続すれば事は済んだ。これがハイブリッド会議になると、出社組と在宅組をつなげるという作業が発生する。マイクスピーカーを誰かのPCに接続して、会議室全体を写せるカメラがない場合は出社組も全員がそれぞれWeb会議に接続。同じ会議室にいても、皆が在宅組のように画面に向かって会話するという「出社の意味なし」状態になる。
編集部も同じ課題を抱えている。特にストレスなのが配線だ。モニターやマイクスピーカーに接続するケーブルが届かないため、機器に接続する担当者は席が固定される。機器の設置場所によっては机を動かしたり、PCを置く台を持ってきたりと準備時間もかかる。
接続設定の問題もある。編集部では、PCがマイクスピーカーを認識できず何度も接続し直すのはほぼ恒例に。毎回、在宅組と「聞こえますか」「聞こえません」のやりとりをするのも面倒だ。編集会議はこれらの作業でいつも5分ほど時間を消費する。
この状況をどうにかしたい――そう話し合い、良いソリューションはないかと情報を収集していて目に入ったのがベルギーのBarco製の「ClickShare」だ。
日本の販売代理店である内田洋行のWebサイトを見ると、ClickShareは「ハイブリッド会議対応 無線プレゼンテーション機器」とある。PCに差した「ClickShareボタン」をワンクリックするだけで、従来はケーブルでつなぐ必要があった会議室のカメラやマイクスピーカーといった機器とPCをワイヤレスで連携させるという。デモ機の貸し出しを申し込むことにした。
ラインアップは「CXシリーズ」「Cシリーズ」「Barシリーズ」の3つ。まずは内田洋行が「ハイブリッド会議に最適ですよ」とお薦めしてくれたCXシリーズから試してみる。
CXシリーズは、会議室の規模や用途に合わせてさまざまなカメラやマイクスピーカーを組み合わせられる製品だ(互換性はサイトで確認可能)。ベースユニットの電源を入れたら、ClickShareボタンをUSB Type-Cポートに差してペアリングを行う。ClickShareボタンのリングが緑色に点灯したら完了だ。マイクスピーカーとカメラはUSB(Type-CかType-A)ポート、モニターはHDMIポートに接続する。
モニターの電源を入れると待ち受け画面が表示される。ClickShareボタンをPCに差し、しばらく待つとClickShareアプリが自動起動した。なおマニュアルには、ClickShareボタンをPCに差した後は「PC」→「ClickShare」ドライブ→「ClickShare_for_Windows.exe」または「ClickShare_for_MacOSX.app」を手動で起動するようにと書かれている。アプリが自動起動しない場合はこの方法を試そう。
以上でセットアップは完了。Zoomを起動すると、「オーディオ」「ビデオ」選択からベースユニットに接続したマイクスピーカー(Room Speakerphone)とカメラ(Room Camera)がワイヤレスで選択できるようになっていたClickShareボタンの操作性をチェックする。といっても、操作は「中央の大きなボタンを押すと画面共有できる」というシンプルなもの(もう1回押すと共有解除)。共有される画面は、現在のPC全画面が対象になる。もう一つの小さなボタン(クイックアクセスボタン)を押すとClickShareアプリが起動し、ウィンドウを選んで共有できる。
ClickShareボタンを複数人が使っており、すでに誰かが画面共有している場合はボタンの長押しで割り込み共有できる。2人のPCにClickShareボタンを差した状態でそれぞれが押すと、画面を分割して共有可能だ(分割は2人分まで。分割の可否は機種で異なる)。
ベースユニットとClickShareボタンはワイヤレスで通信している。会社のネットワークに接続しなくても、ベースユニットが独自のWi-Fiネットワークを作り出してボタンと直接通信する仕組みだ。通信距離は見通しの良いところで10メートルとのこと。試しにベースユニットから数メートル離れた席から操作してみたところ、タイムラグなく画面を共有できた。
20人程度収容できる会議室でCXシリーズを使ってみた。ベースユニットとClickShareボタンが数メートル離れていても操作のタイムラグはない。ClickShareボタンは、画面共有中はリングが赤く点灯するClickShareボタンを接続したPCだけでなく、スマートフォンやタブレットでも画面共有できる。モバイル端末に専用アプリをインストールする方法の他、端末のOSに標準搭載されているAirPlayやGoogle Castといった機能を利用する方法もある。
Cシリーズ、Barシリーズもセットアップ方法はCXシリーズとほぼ同じだ。CシリーズはベースユニットとClickShareボタンがセット(C-5は除く)になった製品で、見た目はCXシリーズと変わらない。ただし、ベースユニットに外部カメラとマイクスピーカーの接続機能はなく「画面共有の簡便化に特化」した、対面会議向けのシリーズだ。
Barシリーズは、オールインワンビデオバー(ベースユニット、マイクスピーカー、カメラ一体型)とClickShareボタンのセット製品。外部マイクスピーカーがない会議室でClickShareを利用できる。ClickShareボタンのペアリングは、ビデオバーのUSB Type-Cポートに差して行う。
カメラの表示モードは、会議室全体を写す「グループフレーミング」、会議室にいる人を分割して写す「合成フレーミング」をClickShareアプリで切り替えられる。上位モデルのBar Proなら、話者にフォーカスして写す「サウンドフレーミング」も選択可能だ。驚いたのは、反応の速さ。グループフレーミング時は会議室にいる人を的確に判別して瞬時にフォーカスするし、合成フレーミング時は誰かが席を外すなど室内に動きがあるとスムーズに分割数を変更した。
ハイブリッド会議の難点に、「会議室の雰囲気が在宅組に伝わらない」ことがある。会議室にカメラがなく、出社組が各自のPCカメラで参加すると、在宅組には個々の顔しか見えず、会議室全体の空気感がつかめないためだ。かといって会議室にカメラやマイクスピーカーを設置しても、今度はそれを接続する「手間」が発生する。Barシリーズはこうした課題への最適解だと感じた。
ClickShareシリーズを使って得られたのは、ハイブリッド会議のセッティングの簡便化による「時間の創出効果」だ。読者調査では「コミュニケーション不足」が課題の上位にあったが、ClickShareでケーブル接続や設定の「5分のロス」がなくなれば、その時間を本来の目的である議論やアイデア出しに充てられる。
ClickShareのセッティングの簡便化は、配線ストレスからの解放にもつながる。従来は、画面共有を担当する人のPC周りやマイクスピーカーはケーブルで混雑していた。ClickShareを導入すれば視界からケーブルを一掃できる他、画面の共有者を変えるときもClickShareボタンを押すだけで済む。ケーブルの長さに制限があり「ケーブルが届かないから席を交代」なんてやりとりもない。
これらは、会議の生産性向上だけでなく従業員のモチベーションやエンゲージメント向上にもつながるのではないだろうか。
コミュニケーション不足を解消し、イノベーションの創出機会を増やすために出社回帰を促すのは企業として当然の行動かもしれない。しかしこの数年で、働き方や従業員の労働に対する価値観は変わった。それを考慮せず、ただ「皆が出社していた時代に戻そうとするだけ」では従業員の反発を招き、生産性の低下や人材流出を招きかねない。
ハイブリッドワーク時代にはハイブリッドワークに合わせたオフィスづくりが必要であり、特にWeb会議体験をストレスフリーなものへと進化させることは従業員の満足度や生産性向上の上で非常に重要だということをあらためて感じた。
ClickShareは、内田洋行のWebサイトで気軽にデモ機を申し込める。現在のWeb会議環境に課題を感じているなら、検討してみてはいかがだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:株式会社内田洋行
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2025年12月8日