「KITTE大阪」と名古屋「星が丘テラス」の、テナントに負担をかけない販促強化術 決済端末を生かした新手法とは

商業施設の販促において最大の壁となるのがテナントへの協力要請だ。これ以上、現場に新しい業務をお願いできない――そんな施設運営担当者を救ったのは、どの店にもある「決済端末」の活用だった。KITTE大阪と星が丘テラスは、いかにしてテナントの手を煩わせることなく「クーポン利用1万枚超」「キャンペーン時の売り上げ(決済金額)4倍」などの数字を作ったのか。その手法に迫る。

PR/ITmedia
» 2026年02月18日 10時00分 公開
PR

 人手不足が常態化し、商業施設や小売店舗の現場は余裕のない状況が続いている。売り上げ向上のための施策を打ちたいが、現場の負担は増やせない――。これが、多くの施設運営者が直面している“販促のジレンマ”だ。

 現場を見渡せば、レジ回りはキャンペーンの告知POPなどの案内物であふれ、肝心の情報は顧客に届きにくい。スタッフは日々の業務に追われ、クーポンの渡し忘れや案内漏れが起きると機会損失やクレームにつながることもある。かといって、紙の販促物を減らせば集客に響き、デジタル化しようにもアプリ開発や運用には多大なコストと手間がかかる。

 こうした課題の解決に、決済端末を活用する方法がある。店舗向けにサービスプラットフォームを展開するtance社の「tance promo」(タンスプロモ)だ。会計時に顧客の目にとまりやすい端末画面への広告表示や、レシートクーポンの発券ができる。本記事は、tance promoを活用して現場に負担をかけずに成果を挙げている2つの商業施設「KITTE大阪」と「星が丘テラス」の事例を紹介する。

アプリ施策の課題を払拭したKITTE大阪の販促戦略

 2024年7月に開業したKITTE大阪は、119店舗が集結するJR大阪駅直結の大型複合施設だ。「まだ知らない日本の魅力を再発見できる場所」という意味を込めた「UNKNOWN」をコンセプトに多くの来場者でにぎわう。しかし、その裏側では販促オペレーションの効率化が課題となっていた。

 当初は「KITTE大阪公式アプリ」を活用したクーポン配布や抽選会を実施していたが、現場の負担は大きかった。KITTE大阪を運営するJPビルマネジメントの多田春樹氏は、当時の状況について次のように語る。

多田春樹氏(JPビルマネジメント KITTE大阪 アカウントマネージャー)

 「アプリクーポンは全館で使用できる仕様でしたが、運用に不慣れなショップ側で処理漏れや入力ミスが発生しやすく、管理側の集計データと誤差が生じることもありました。『アプリクーポンが使いにくい』という声は、全ショップの総意として店長会議の議題に上がるほどで、改善が急務でした」

トライアルで実証 「大規模告知なし」でも伸びる集客力

 そこでKITTE大阪が注目したのがtance promoだ。既存の決済端末を利用でき、発行するレシートにクーポンを印字する「レシートクーポン発券機能」に魅力を感じたと多田氏。スタッフの目視確認や手動処理といった負担を排除できるメリットが大きい。しかし、そのまま導入すると同施設のオペレーションとはかみ合わない部分があった。

 「tanceさんに相談したところ、細かい要望にも真摯(しんし)に向き合い、機能拡充に対応してくれました。その点が導入の決め手となりました」

 オペレーションへの懸念が解消されたので、3カ月のトライアル導入に踏み切った。大多数の店舗で「2500円以上の会計で使える500円クーポン」を発券する施策を展開。飲食店の利用者には物販店のクーポンを、物販店には飲食店のクーポンを出すことで相互送客を狙った。その結果は、運営側の想定を上回るものだった。

 「クーポンの利用枚数は約1万2000枚に達し、期待以上の送客、売り上げ効果を確認できました。特に評価しているのは、決済端末のディスプレイ以外での特別な告知を一切せずにこの数字が出た点です。クーポンの利用枚数や利用金額という点では、大々的なプロモーションを実施した時のアプリ施策とほぼ同等の効果が、この仕組みだけで得られました」

 売り上げを向上させる効果も大きかった。クーポン施策を実施した9月の売り上げは、繁忙期である8月に対して大きな落ち込みが見られなかった。「あと少し買えばクーポンが使える」という心理が働き、単価の低い食品・物販店舗などで客単価アップの効果も見られたという。

tance promoのサービス概要(提供:tance)《クリックで拡大》

 当初懸念された「紙クーポン」への抵抗感についても、意外な反響があった。

 「当初は一部のショップから『紙クーポンの発行はアナログで手間がかかる』という否定的な意見もありましたが、結果的にはクーポンをお渡しする際にお客さまとのコミュニケーションが生まれ、再来店や客単価アップにつながったと評価されました。クーポン発行条件の金額に少しだけ足りないお客さまに、アップセルをお勧めできるのです。お客さまの年齢層が高い傾向もあり、アプリクーポンよりも紙のレシートクーポンの方がご案内のハードルが低いと感じたという意見もありました」

 JPビルマネジメントの藤野良太氏は、準備期間の短さについても評価する。「1カ月ほどで一気に準備しました。もともと展開していたアプリクーポンの使いにくさは各ショップも感じていたので、その代替施策として協力的に準備に取り組んでいただけたと思います」

藤野良太氏(JPビルマネジメント KITTE大阪 販促担当 主任)

高単価客を狙い撃ちする「条件付きクーポン」

 トライアルの成功を受け、tance promoの本格導入に移行したKITTE大阪。現在はターゲットを絞り、主に物販店舗を対象としたキャンペーンを展開している。JPビルマネジメントの長瀬杏子氏は、現在の施策についてこう説明する。

長瀬杏子氏(JPビルマネジメント KITTE大阪 販促担当 主任)

 「決済金額に応じてクーポンの内容を変えて、最大5000円分のレシートクーポンを配布しています。単価が高いショップも多いため、5000円の割引は強力な再来店動機になります。レシートを金券らしく演出するために、横レイアウトのデザインを自分たちで考えて作成しました」

 システムが自動で決済金額を判別して対象者のみにクーポンを出力するので、スタッフが計算したり判断したりする必要がない点も評価している。

実際に配布したレシートクーポン

 今後は、一部のショップから要望が出ている「ショップ独自のレシート広告やディスプレイ広告」の実現なども検討し、施設のさらなる活性化を目指す。

「景観」と「テナント負担」を守る 地域密着型施設のDX

 名古屋市の緑豊かな丘陵地にたたずむ星が丘テラス。2003年の開業以来、地域住民の生活に寄り添うオープンモールとして親しまれてきた。美しい街並みと調和した低層の建物が特徴だが、「景観へのこだわり」故の悩みも抱えていた。

 星が丘テラスを運営する東山遊園の飼沼賢二氏は、同施設特有の課題をこう語る。

 「当施設は景観維持のため、ポスターの掲示場所を制限しています。提携クレジットカードの入会や利用促進キャンペーンを行いたくても、ポスターをたくさん張るわけにはいきません。口頭でクレジットカードの入会を勧めてもらおうにも、接客や業務がある中で施設全体の告知まで手が回らないのが実情でした」

飼沼賢二氏(東山遊園 星が丘テラス営業部 業務統括)

 クレジットカードの入会や利用の促進はもちろん重要だが、掲示物が増えると景観に影響し、施設の方針と矛盾する。屋外通路が多いオープンモールのため、掲示スペース自体が少ないという課題もあった。

 「星が丘テラス全体のキャンペーン施策を考えるのは施設側ですが、お客さまへの告知はテナント側にも委ねられているというのが大きな課題でした」

テナントに負担をかけずに実現した売り上げの伸長

 この課題をtance promoで解決した。同施設は「Proプラン」を導入し、全テナント約70台の決済端末への広告配信を一括管理している。最大のメリットは、テナント側に一切手間をかけずに施設側が情報を発信できる点だ。

 「ポスターを張る代わりに、全ての決済端末の画面にキャンペーン情報を表示しています。これなら景観を損ねず、キャッシュレス決済を利用するお客さまに情報を届けられます。ポスター告知で必要だった制作費や印刷代もかかりません」

 効果は数字として表れている。「キャンペーン時期の売り上げ(決済金額)は、tance promo導入前の2024年度上半期は平時の約3倍でした。導入後の2025年度上半期は約4倍まで伸びました。お客さまの目にとまりやすい場所で告知できていると感じています」

 会員限定施策の精度も向上した。レシート広告のターゲットは提携カード利用者に絞り、対象者のみにクーポンや引き換え券を発券するように設定している。

会計の待ち時間に目にとまりやすい決済端末の画面にキャンペーン情報等の広告を表示できる

 「Proプランは、ディスプレイ広告の表示開始日時を指定できる予約配信や配信終了日時の設定の他、告知やクーポンを出す条件を細かく指定できるので便利です。クーポンの渡し忘れを避けられ、クレームにつながらない仕組みもよいと思います」

 今後の施策として、異なるカテゴリーのテナント同士で相互送客する仕掛けを展開したり、決済端末を広告枠としてテナントに提供したりするなど、tance promoのさまざまな機能の活用を構想している。

決済シーンを来店促進の場へ

 KITTE大阪と星が丘テラス。立地も規模も異なる2つの施設だが、成功の要因は共通している。それは、「現場スタッフに依存しない」販促の自動化だ。

 どんなに優れたキャンペーンも、現場のスタッフに過度の負担がかかるのでは継続は難しい。tance promoは、顧客が見る機会の多い端末画面とレシートというタッチポイントを活用することで、この課題を解決する。「Basicプラン」は、決済端末1台当たり月額500円で利用できるというハードルの低さもあり、大規模施設だけでなく個人商店やチェーン店でも導入しやすい。

 これまで決済は単なる事務処理の場だった。これからは、顧客との関係を深め、次の来店を約束する「最大の販促チャンス」の場へと変わる。DXによって煩雑な作業を自動化し、スタッフが本質的な接客や店舗体験の向上に注力できる環境をつくる。それこそが、これからの商業施設運営に求められる姿だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:tance株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年3月17日