月130時間の工数を削減 長谷工グループが挑む「RPA×AI」を使った業務革新の舞台裏

紙文化と属人的な業務からの脱却を目指して、DXを推進している長谷工グループ。取り組みの一つがRPAによる業務効率化だ。入金消込業務の自動化で月130時間の工数を削減し、大きな成果を挙げている。

PR/ITmedia
» 2026年03月13日 10時00分 公開
PR

 マンション建設で数多くの実績がある長谷工グループは、建設、不動産、リフォームなど住まいと暮らしに関わる事業を幅広く展開している。グループ全体でDXに取り組んでおり、デジタル施策の展開・実施フェーズの主力を担うのが長谷工システムズだ。

 同社はグループ各社に多様なデジタル施策を展開している。中でも大きな成果を挙げているのがRPAツールの導入だ。長谷工グループがRPA導入の検討を始めたのは2020年。建設・不動産業界は伝統的に紙文化が根強く、当時は多くの業務を人手に頼っていた。しかし、コロナ禍による出社制限や社会全体で高まる業務効率化の機運を受けて、グループでも生産性向上が急務となっていた。

 長谷工システムズの岡村春日氏は、当時の状況を次のように振り返る。

photo 長谷工システムズの岡村春日氏(デジタルソリューション部門 営業部 DXチーム)

 「グループ全体でDXを推進する動きがあり、その一環で定型業務を自動化するRPAの検討を開始しました。建設や不動産の現場には、システム化されていない細かな事務作業が大量に残っています。これらをRPAのロボットに置き換えることで社員をルーティン作業から解放し、より付加価値の高い業務に集中できる環境を整備しようと考えました」

 この動きが加速したきっかけは、あるグループ会社がRPAで業務効率を大幅に向上させ、グループ内で表彰されたことだった。成功事例の評判はグループ内に瞬く間に広がり、「当社も試してみたい」という声が次々と上がった。

 そこで採用したRPA製品が、NTTアドバンステクノロジが開発し、丸紅情報システムズ(以下、MSYS)が販売代理店としてライセンス販売と活用支援をする「WinActor」だった。

※2026年4月1日、長谷工リンクスに変更予定

グループ全体のRPA施策を一括して担う

 WinActorは国産製品ならではの使い勝手の良さと安心感に加えて、日本語のマニュアルやサポートが充実している点などが多くの企業に高く評価されている。MSYSは販売代理店として多数の企業をサポートしてきた。長谷工グループ内での評判の高まりを受けてグループ各社からも立て続けにWinActorの引き合いがあった。

 当初はMSYSが各社に個別にWinActorを販売していたが、これをグループ内で一本化しようという声が上がった。

photo 長谷工システムズの佃和也氏(デジタルソリューション部門 営業部 開発チーム 主任)

 「各社でばらばらにWinActorを導入するのではなく、まとめてライセンスを購入してグループ内に展開した方が、効率面でメリットがあるという結論に至りました。そこで長谷工システムズが販売二次店としてWinActorのライセンスをMSYSに卸してもらい、各社に販売するという形になりました」

 こう語るのは、長谷工システムズの佃和也氏だ。同社がグループ内におけるRPA支援のまとめ役となり、各社にツールの導入から技術サポート、活用支援までワンストップで提供する体制を構築した。現在は複数社がWinActorを導入しており、シナリオ数は約90だ。

たったひとつの業務をWinActorに任せただけで1カ月当たり130時間を削減

 長谷工グループ内におけるWinActorの活用範囲は広いが、大きな成果を挙げている領域の一つが、不動産管理や賃貸事業における入金消込業務だ。

 不動産管理会社では、膨大な件数の家賃や駐車場代の振り込みが毎月ある。これまでは、担当者が銀行の入出金明細データを目視で確認して基幹システムのデータと突き合わせる作業をするために工数を費やし、人的ミスが発生するリスクと隣り合わせだった。長谷工システムズはこの業務にRPAを導入して、作業の自動化と省力化を図ることにした。

 佃氏は成果について、次のように説明する。

 入金確認業務を自動化することで、1カ月当たり約130時間を削減できました。RPAのロボットは疲れることなく作業を正確に続けるため、ヒューマンエラーがほぼゼロになりました」

 これ以外にも、さまざまな業務でWinActorによる自動化が進んでいる。この動きを後押ししてグループ全体で業務の自動化・省力化を推進するために、佃氏や岡村氏のチームが各社のニーズをヒアリングして、課題を解決するためにRPAを実装している。

MSYSの支援サービスでWinActor活用が拡大

 プロジェクトは順調に見えるが、当初はRPAのノウハウが十分になく、グループ各社に技術的なサポートや教育を提供するための経験が長谷工システムズには不足していた。

 これをカバーする上で大いに役立ったのが、MSYSの支援サービスだ。MSYSは導入支援や教育コンテンツの提供といったサービスを用意している。長谷工システムズはこれらを利用して、WinActorの開発・運用スキルを短期間で身に付けた。

 「私もRPAツールに触るのは初めてで、当初は予備知識がありませんでした。しかし、MSYSのeラーニング教材を使って学習したり分からないことをサポート窓口に問い合わせたりすることで、スキルを習得できました」(岡村氏)

 現在、グループ企業からのWinActorに関する質問や相談には長谷工システムズが直接対応している。

photo MSYSの徳田愛里氏(CXディレクション事業本部 RPA事業部 デジタルイノベーション課)

 MSYSは定例会などを通じて長谷工システムズと密接に連携しており、単なる「ベンダーと代理店」「代理店とユーザー」という関係を超えて、共にグループ全体の課題解決に取り組むパートナーとしての信頼関係を築いている。MSYSの徳田愛里氏は、同社と長谷工システムズの関係性を次のように述べる。

 「長谷工システムズさまはライセンスを購入されるユーザーというだけでなく、グループ全体への普及を共に推進する強力なパートナーです。現場の声を吸い上げて、それを具体的な改善策や新たな活用方法に昇華させる姿勢は、私たちにとっても大きな刺激になっています。今後も重要なパートナーとして、一緒に市場を切り開きたいと考えています」

「WinActor×AI」でさらに高度な自動化ソリューションを目指す

 長谷工グループのRPA活用を多方面から支援しているMSYSは、今後はさらに高度なRPA活用を提案することで、より高い価値を提供したいとしている。その鍵になるのがAIだ。MSYSの安藤久人氏によると、進化が著しいAIをRPAと組み合わせることで、これまでは不可能と思われてきた高度な自動化が次々と現実になりつつあるという。

photo MSYSの安藤久人氏(CXディレクション事業本部 RPA事業部 RPA技術課 部長 兼 課長)

 「AIをRPAと組み合わせることで、1年前は十分な精度で読み取れなかった手書きの帳票がいまや人間とほぼ遜色ない精度で読み取れるようになっています。当社は、こうしたAIの最新技術とWinActorを組み合わせて簡単に利用できるようにする『WinActor MSYS追加ライブラリ』を提供しており、AIとRPAを掛け合わせた高度な自動化をユーザーが手軽に実現できるように支援しています」

 最新バージョンのWinActorはAIとの連携機能が強化されている。MSYSは今後も最新の技術動向をキャッチアップして、長谷工グループに価値の高いRPAソリューションを提供したいとしている。

 既にWinActorで大きな成果を手に入れている長谷工グループだが、岡村氏は取り組みについて「まだまだ道半ば」と語る。

 「率先してWinActorを活用して業務を効率化しようというモチベーションを持つ人は、まだ一部に限られているのが実情です。今後はそうした人たちを増やし、グループ各社でWinActorを使った業務自動化や省力化の取り組みをさらに活性化する必要があると考えています」

 佃氏も、WinActorの効果を最大化するためには各社がWinActorを活用する「自走化」が欠かせないと指摘する。

 「私たちがWinActorの開発・運用を一手に担う体制はさまざまな面で効率が良い半面、スケール性という面では制約にもなりかねません。グループ全体で広くRPAを活用するためには、現場による自走が不可欠です。現場主導の自主的なツール活用の文化が根付けば、おのずとDXのモチベーションも高まるでしょう。将来の構想を実現する上でも、MSYSの支援には今後も大いに期待したいと思います」

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:丸紅I-DIGIOグループ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年4月12日