日本流の働き方を否定せず生産性アップ? AIを“知恵袋”で終わらせない「実行力」

日本の労働生産性は低迷している。あえて日本流の働き方を否定せず、デジタルで昇華させる方法とは。

PR/ITmedia
» 2026年06月08日 10時00分 公開
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 日本の労働生産性が危機的な局面を迎えている。日本生産性本部の調査によると、日本の時間当たりの労働生産性はOECD加盟38カ国中28位で、G7中では最下位が続いている。

 停滞を打破する切り札として期待されてきたのがDXだ。しかし、「新しいツールを入れるなら古いやり方は捨てるべきだ」という一部の風潮がDXへの拒否感を生んできた。

 では、ここから抜け出す道筋はどこにあるのか。

 ヒントは、日本市場で存在感を強めているSmartsheetの戦略にある。同社の「Smartsheet」は世界各国で12万社(Fortune 500の85%を含む)が導入しているエンタープライズAIワークマネジメントプラットフォームだ。

 Smartsheetは既存の慣習を否定せずに、デジタルでその価値を昇華させるアプローチを提唱している。従来の業務プロセスを尊重しながら、いかにして生産性を引き上げるのか。同社CEOのラジーヴ・シン(Rajeev Singh)氏と、日本法人社長執行役員の嘉規邦伸氏に聞いた。

※出典:日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025」

生産性低迷の要因

 なぜ日本の生産性向上は足踏みしているのか。

 嘉規氏は「組織のサイロ化」と「現場への過度な依存」を要因に挙げて、「日本企業は個々の部門やプロジェクト単位で情報を把握して業務を進める傾向にあります」と指摘する。全社レベルの状況を把握するには無数のファイル、メールのやりとり、チャットツールなどに埋もれた断片的な情報を収集して統合し、整合性を確認するという「作業のための作業」が発生する。

photo Smartsheet Japanの嘉規邦伸氏(社長執行役員)

 深刻な人手不足も問題を加速させている。かつてのように人を増やして事業を拡大する策は、生産年齢人口が減っている時代には通用しない。限られたリソースで前年以上の成果を出すことが企業の生存条件だ。

 ここに追い打ちをかけるのが、経営層と現場の「意識の断絶」だ。現場はデジタル化を望んでいるが、経営層が紙の資料や対面での報告を求めることで変革の芽がつまれる。あるいは、経営層によるトップダウンでツールを導入しても現場が既存のプロセスを維持して二重管理が生じている。

使い慣れた機能を「カバーする」発想

 こうした構造を解決したとしても、最終的にツールを使うのは人間だ。長年慣れ親しんだ方法を変える際、心理的な壁をどのように突破するかが難所になる。

 特に日本企業のExcelへの信頼と愛着は根深く、無理に排除しようとすると反発を招く。そこでSmartsheetはExcelを置き換えるのではなく、既存の運用のままで上からSmartsheetのプロジェクト管理やコラボレーションの機能を「カバーする」という戦略を採る。

 「Smartsheetの見た目はExcelによく似ており、心理的なハードルは低い」(嘉規氏)が、その本質は表計算ソフトではない。各所に散らばった情報を自動的に統合し、リアルタイムで可視化する役割を果たす。

 ユーザーは従来通りに情報を入力する。Smartsheetがそれを吸い上げて集計し、経営層向けのダッシュボードに複数のオプションを提示する。レポートも自動で生成するため、資料作成の時間を大幅に短縮できる。

 ここで誤解してはならないのは、Smartsheetの本質は日本特有の稟議や根回しといった承認プロセスを単にデジタル化するためのツールではない、ということだ。嘉規氏は「ダッシュボードを通じて全社の状況をリアルタイムに把握して、次の意思決定を迅速に下すためのプラットフォームです」と明言する。

 データがリアルタイムに透明化されることで、従来の「報告のための資料作成」や形ばかりの「順調です」といった報告は不要になる。「誰が、どこで、何を検討中か」がダッシュボードで明らかになれば、属人的な遅延や忖度(そんたく)は排除される。結果として、意思決定のよどみが解消され、激変する市場環境で好機を逃さない組織へと変革できる。

複雑なワークフローにこそ強みを発揮

 Smartsheetで特筆すべきは、単一業務から全社レベルのプロジェクトまで一気通貫で拡張できる柔軟性だ。業界をリードする強固なセキュリティ体制、グローバル基準のコンプライアンス、データレジデンシーを揃えて、ビジネスに不可欠なガバナンスを担保する。

 「当社は『FedRAMP Moderate』をはじめとするセキュリティ基準を満たしており、金融機関や政府機関の要求にも応えるロールベースのアクセス制御や監査機能を備えています。顧客データは他者と混在させず、生成AIの学習にも使用しません」

 シン氏はある日本大手メーカーの事例を挙げる。その企業は、複数の事業会社を統合して多数のERPを1つの業務基盤に集約するというプロジェクトを進めていた。

 「国や地域、部門をまたいで異なるシステムが複雑に絡む案件こそSmartsheetの出番です。バラバラに存在する情報の断片を一つのプロセスに統合して、全体像を浮かび上がらせる。それこそ当社が得意とする領域です」

photo Smartsheetのラジーヴ・シン氏(CEO)

既存の働き方を維持して可視化を実現

 Smartsheetの導入によって、どのような変化が起きているのか。

 海外では、衛星通信サービスを展開する米国大手通信企業が15のシステムを統合する運用基盤としてSmartsheetを採用。あるドイツの製薬会社はSmartsheetを活用してグローバルチーム横断でプロジェクトを一元管理しており、業務プロセスの効率化・自動化によって年間数百万ドル規模のコスト削減を実現した。

 日本に目を向けると、建設大手の大林組の事例はまさに日本流DXのモデルケースと言える。建設現場は数百種類もの文書が飛び交うが、同社は既存のExcel管理をあえて廃止しなかった。

 代わりに、各現場のExcelデータをSmartsheetとシームレスに同期させる管理レイヤーを構築した。現場は使い慣れた入力方法を変えず、本社側は数百の現場の進捗(しんちょく)をリアルタイムに把握できる。現場の自由と経営の統制を両立させた点が、Smartsheetによる「カバーする」戦略の神髄だ。

 法曹界でも変革は起きている。アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、全社的なプロジェクトの管理体制を4カ月で構築。ユーザーの4分の3が「タスクが明確に共有された」と回答し、6割以上が生産性の向上を実感しているという。

 これらの事例が証明するのは、従来のシステムや文化を壊さなくても環境を整えれば変えられるという事実だ。Smartsheetは、散在した情報の点と点を結んで循環させる「情報の結合組織」として機能する。これによって、今や企業に欠かせない存在となったAIツールが組織全体で価値を発揮するための基盤となる「組織知」が構築できるのだ。

AIを「実行」につなげる基盤に

 AI活用でもSmartsheetの戦略は明快だ。シン氏は、AI活用には個人、部署、全社の3段階があるとした上で、現状を次のように分析する。

 「多くの企業がAIを単なる“知恵袋”として使う段階で止まっています。ガバナンスやデータ連携の壁があり、分析や提案までは使えてもそれを業務に反映させる一歩が踏み出せていないと感じますね」

 この「実行」の壁を突破するため、Smartsheetは各段階に応じた機能を用意している。個人向けには、自然言語による指示で複雑な数式の生成やデータ分析、要約をする「AIアシスタント」を提供。部門向けには「AIエージェント型ワークフロー」が大きな価値をもたらす。AIツールの多くは汎用データを学習しているため、出力結果も汎用的なものにとどまるが、SmartsheetのAIは業務の実行履歴を学習しているため、タスクの開始前から「何が最適か」を理解している。同社のAIは顧客の個別データを学習しておらず、あくまで業務のパターン(規則性)を読み解いているという。

 全社レベルでの「実行」を実現する切り札として打ち出したのが、オープン規格「MCP」(Model Context Protocol)サーバの導入だ。これによって、ユーザーはSmartsheetを開かずに使い慣れた外部のAIアシスタントを使えるようになった。

 「Smartsheetは、堅牢(けんろう)なワークフロー基盤によってAIが導き出した解を即座に形(タスク)にします。AIをアドバイザーで終わらせない、実効力のあるビジネス基盤を提供する。これこそが真の価値と言えます」(シン氏)

日本市場へのコミットメント

 Smartsheetは2020年に、アジア太平洋地域初の拠点をシドニーに設立。新規顧客の開拓と既存顧客との取引拡大によって同地域は約250%の成長を遂げており、その中でも日本を「戦略的優先市場」と位置付けており、2023年に支社を開設した。

 「プロセスを重視して改善を積み重ねる日本企業の姿勢は、他の国や地域にも誇れる強みです。私たちは個人の頭の中や散在したデータに埋もれている知見を構造化して自動化し、未来につなげる基盤を提供します」とシン氏は語る。

 日本の経営層やDX担当者に向けて、嘉規氏もこう続ける。

 「働き方を一夜にして変える必要はありません。まずは1つのチーム、1つのワークフローから始めてください。そこで得た小さな成功体験と経営判断を支えるデータの透明性を経営層が実感すれば、変革は自走し始めます。私たちは、その第一歩を支える伴走者でありたいと願っています」

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提供:Smartsheet Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年7月7日