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免許取得の最前線――最短約1週間で限定解除を手に入れる
実は身近だったビッグバイク

 学生時代はバイクでいろんな所へ出かけたものだ――。ようやく手にした免許を誇らしげに胸に抱き、バイトで稼いだなけなしのお金を握りしめてバイク屋へ。とうとう憧れだったあのバイクにまたがり、エンジンの鼓動を感じた瞬間をつい先日のことのように思い返せる人も多いだろう。

 +D Styleのメイン読者層である30〜40歳代が若かりしころの“バイクの免許”といえば、400ccまでしか乗れない中型自動二輪免許がほとんど。ビッグバイクに乗れる限定解除ライダーとなるには運転免許試験場で難関をクリアしなければならず、雲の上の存在だった。カワサキのGPZ900R“Ninja”やスズキのGSX1100S“KATANA”、深紅のイタリアン“Ducati”を駆るライダーを見かけるたび、「いつかは俺も」と希望とも嫉妬とも言えぬ感情に胸を焦がすこともあったろう。

CB1300 SUPER FOUR

 そのビッグバイクが身近な存在になっていることをご存じだったろうか。1996年の法改正によって教習所での免許取得が可能になり、中型免許(現在の名称は普通自動二輪免許)を所有していればほんのわずかな教習時間で免許が取得できる。週末だけしか通う時間がなかったとしても、1カ月ほど集中して通えば「限定解除ライダー」になれるのだ。

 2輪車専用の教習コースを持つ、関東最大規模の自動車教習所「レインボーモータースクール」に最新の教習所事情を聞いてみた。

広々としたレインボーモータースクールの2輪専用コース(左)、大型の教習車はホンダのCB750(右)
最短約1週間で憧れの限定解除を手に入れる

 免許を取ったのは十数年前という人のために、現行の2輪免許制度を説明しておこう。排気量別に原付(50cc以下)/小型限定普通自動二輪(125cc以下)/普通自動二輪(400cc以下)/大型自動二輪(制限なし)と区分けされており、原付以外のそれぞれにAT限定の免許区分も用意されている。

 既になんらかの運転免許を持っていれば、学科/技能の時間が少なくて済むのは以前と同様で、俗にいう中免(普通二輪)を持っていれば、学科教習はゼロ時間、技能教習を12時間こなすだけで大型自動二輪を取得できるのだ。

大型自動二輪免許に必要な教習時間
バイク用のドライブシュミレーター(左)、慣れるまで重いビックバイクでのクランク走行は大変かもしれない(右)

 高速道路の2人乗り解禁などの影響もあり、大型免許を取得する人の数は年々増えている。レインボーモータースクールには多ければ月間100人を超える入学者があり、その年齢も20歳過ぎから60歳近い方までさまざまだという。これだけの入学者がありながら合計83台という教習車の多さもあり、「教習予約が取れない!」という事態にはそうならないという。

 レインボーモータースクールには技能予約のみ土日中心で卒業まで一括して行える「ドニーチプラン」(入校時の申し込みが必要)が用意されているほか、Web/携帯電話を利用した教習予約受け付けシステムも用意されている。また、ヘルメットや長靴(レインブーツ)、ニーパット、雨天時に必要なレインコートまで、グローブ以外の必要なアイテムのレンタルも行っている。

 バイクを運転すること自体が久しぶりだし……。そう思っても尻込みすることはない。確かに最初は初めてまたがる大型車のサイズやパワーに戸惑うかもしれないが、すぐに体は昔の感覚を思い出すはず。ギアを1速に入れてゆっくりと左手を開きながらクラッチをミート、同時に右手を絞ればあの日にあこがれていた“ビッグバイク”が自分の意のままに走り出すはずだ。

 がんばれば約1週間、週末ごとに通っても1カ月もすれば大型免許が手に入る。気になる費用だって、普通二輪(中免)を持っていれば目が飛び出すほどの値段ではない(レインボーモータースクールの場合、普通二輪所持なら11万4030円)。

 あの日は身近だったけれど、いつか忘れていた感覚。体で風を受ける、風との一体感をビッグバイクで取り戻しにいこう。

レインボーモータースクール

取材・文/+D Style編集部

取材協力/レインボーモータースクール http://www.rms.co.jp/