RADOの歴史を語るのならば、世界大戦の真っ只中まで遡らなければならない。前身であるシュラップ・アンド・カンパニーが設立されたのは、1917年。第二次世界大戦後には、後にRADOの父と呼ばれるポール・ルーテー博士がそれまで米国向けに生産していたムーブメント製造から、オリジナルブランドを作ることを決意し「イグザクト」を完成させる。ところがこの名前での商標登録ができなかった。ルーテー博士は、考え抜いた末ついにこの名前を閃く――「RADO」。「分かりやすい」「発音しやすい」「世界中で商標登録できる」3つの利点を持ち合わせたこのブランド名が、1957年に誕生した。 来年で50周年を迎えるRADO。半世紀を経てもなお、コンセプトはそのままだ。RADOが輝き続ける所以は「傷がつきにくい」丈夫な素材を採用するところにある。その技術はギネスにも認定されるほど。「世界で一番」「世界で初めて」を果敢にチャレンジする。 |
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主な商品はダイヤモンドを10としたモース硬度で、硬度7を示すハイセラミックスを採用した「シントラ」「インテグラル」、1962年からの伝統を受け継ぐハードメタル(硬度8)「ジ・オリジナル」。そのどれもが長い間目の肥えた腕時計ファンを唸らせてきた。 これら素材の魅力を引き出すために、デザインの探求も怠っていない。“ほかのどの時計にも似ていない”個性的なフォルムは鮮烈な印象を与える。また、人間工学に基づいたRADO独自のデザインは、着用する人の快適さを極限まで追求しているため、手首に優しくフィットし、流麗なラインと美しいフォルムを生み出すとともに、存在感を際立たせている。 |
今回紹介するのは、1962年に発売された「ダイヤスター ジ・オリジナル」を引き継ぐ「ジ・オリジナル」シリーズ。バレルラインと呼ばれる楕円形べゼルは当時の形をそのままに残している。 2005年、その伝統的なデザインを守りつつも新たに進化を遂げた「ジ・オリジナル クラシック」が登場。2006年新たにレザーストラップ仕様が加わった。またユニセックス用として女性でも使えるように、サイズをXLからLサイズに変更している。 類をみないしっかりとした作りで、ずっしりとした重さを感じるが、腕にもフィットし逆に心地が良い。ハードメタル素材で傷が付きにくいため、長い間第一線で活躍できる時計だろう。 |
文字盤の下部でくるくると回る錨のマークが、自動巻きを示す。このアンカーマークも伝統のもので、RADOを象徴する印だ |
1962年世界で初めてハードメタルを採用した時計を発表。当時ハードメタルを加工する道具がなかったため、道具から作る必要があった。バレルラインと呼ばれる樽型のベゼルは、ハードメタルを加工できる形も限られていた当時のデザインの名残である |
新作は、文字盤と同色のブラック、ブルー、レッドのストラップに加え、シルバーの文字盤にブラックストラップを装着した計4色展開。彼女と色違いを身に付けるのも善し、同じ時計を共有するのもいいだろう |
ジ・オリジナル ダイバー ムーブメント:自動巻き 300メートル防水のインナーべゼルタイプ。 |
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ジ・オリジナル クラシック ムーブメント:自動巻き ジ・オリジナル クラシックの新色モデル。 |
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スウォッチ グループ ジャパン ラドー事業部 03-5565-8515 |
取材・文/+D Style編集部
撮影/香野 寛