シンプルなデザインながらも、一度見たら忘れられない強烈な存在感を放つ。U-BOATの第一印象は“モダン”だった。しかし、「U-BOAT」という名前から想像されるとおり、この時計は世界が混乱を極めた第二次世界大戦の時代と密接な関係がある。 米・英と対立を深めていた日本が、独・伊と軍事同盟を締結した1940年、イタリアの屈指のウォッチメーカー、オフィス・フォンタナはイタリア軍航空部隊パイロットと、ドイツ軍潜水艦部隊“U-BOAT”の乗組員のために、戦闘用プロフェッショナルウォッチを製作していた。ところが完成寸前でというところまで進んでいたにもかかわらず、政局の悪化によって、このプロジェクトは結局表に出ることはなく終わってしまう。 考案されたデザインは、それ以降60年もの間、陽の目を見ることはなかったが、同社の創立者の従兄弟であるイタロ・フォンタナが、オリジナルの製図や色見本をベースに7年をかけて再構築し、U-BOATウォッチを復活させることになる。 |
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この9月、日本代理店としては最大規模のユーロパッションが、U-BOATの販売を開始する。採用を決定した理由はその存在感にある。「日本ではまだ正規販売ルートがないことを知って、すぐに本社に掛け合いました」と同社広報担当は明かした。イタリアデザインのスイス製U-BOATは人を魅了するという“ブランドアイデンティティー”の点で、頭ひとつ抜け出していると言えるだろう。 |
U-BOATは、軍事用に作られたものだけあって、耐水性、耐久性は抜群。暗い場所での視認性も非常に高い。またほとんどの商品が、女性の手首では到底納まらない直径50ミリ以上もの特大フェイスを搭載しており、手首を傷めないように、リュウズが左側に配置された右手装着タイプも特徴的だ。大きさ、重量感も半端ではないので、男らしさアピールするには最適のアイテムだろう。 ナイトビジョンには、さらにイエロー、ブルー、レッドの3色カラーガラスが付き、天気や目的、気分など用途に合わせて取替えることができる。天気が良い日はブルーがオススメ。光に当たっても文字盤が見やすいからだ。取替え用のガラスには、金属原子を表面に層状に付着させるPVDトリートメント加工を施したK1オプテックガラスを採用している。ムーブメントホルダーは軽量化が実現した。その穴の開いたユニークなデザインは、シースルーのケースバックから楽しめる。 |
目的や気分に合わせて選べるイエロー、ブルー、レッドのカラーガラスが付属されている |
穴が開いたユニークなムーブメントホルダーは、ケースバックから臨める |
スクリューダウン式の特大のリュウズは、手首を傷めないように左サイドに配置する |
クラシコAS2(9月下旬発売) ムーブメント:自動巻き(ETA社製Cal.2824-2) 1940年当時の原型にもっとも近いタイプ。ダイヤル面からムーブメントに使われている人工ルビーが光る |
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クラシコA925(9月下旬発売) ムーブメント:自動巻き(ETA社製Cal.2824-2) クラシコシリーズの中でもっとも希少価値のある商品。世界限定300本が発売となる。サイドにシリアルナンバーが記載されている |
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サウザンズ オブ フィートMB(9月下旬発売) ムーブメント:手巻き(ETA社製Cal.6497) ケースバックに「レーザーグリル」と呼ばれるプロテクションカバーを採用。また風防としてPVDトリートメントを施したカラーリングガラスを使っているモデルもある。レザーストラップは、小さなホールをアレンジした「アエロデザイン」がアクセントとなっている |
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ユーロパッション 03-5295-0411 |
取材・文/+D Style編集部
撮影/香野 寛