THE POLICE――ヴォーカル&ベースのスティングとギターのアンディ・サマーズ、ドラマーのスチュワート・コープランドの3人から成るこのバンドは、解散から20年以上経た今でも、その短い活動期間で創り出した音楽とともに愛され続けている。そんな活動の中、スチュワートがスーパー8でまわした50時間ものプライベート映像は、THE POLICEと同じく長い間眠ったままだった。20年の封印を解いてApple社のFinal Cut Proで編集したのも、最初はただの遊びだったという。
ミュージシャンの活動を追ったドキュメンタリー作品は数多くあるが、この映画が特別な点は、ミュージシャン自身が撮影・編集をしていることだ。スタジオの風景、移動中の車内、ライブ中のドラムセットからの様子……。2006年1月のサンダンス映画祭で初公開されたこの「ポリス インサイドアウト」には、内側から見たTHE POLICEの姿があるのだ。
デビュー当時、セックス・ピストルズなどが牽引するパンク・ムーブメントの時流に乗ったバンドと思われていた彼らだが、イギリスからアメリカに活動の拠点を移した頃からその音楽性を認められていく。小さな車でツアーする立場からスターへと変貌を遂げていくなかで彼らのサクセス・ストーリーは突然終わりを告げる。
スチュワート自身がインタビューでTHE POLICEでの活動を「冒険」と表現しているが、「自分たちの行き先が見つかったとき、“旅”は終わった」とわずか6年の活動で世界を制し、全盛期に活動を停止し鮮やかに去っていった。その3人が、2007年再び活動を本格的に開始する。この映画が彼らの中の何かを呼び起こしたのではないかと思わずにはいられない。長い眠りから覚めたTHE POLICEの新たな「冒険」は5月から始まり、来年の2月に日本にもやってくるのを待ちきれない。
ポリス インサイドアウト
3/31(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて
2週間限定ロードショー!
http://thepolice.jp/
(c)2006 Crotale Inc |