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自分だけの指定席 最高のくつろぎシートを持つ  ―― オフィスチェアの真髄
プロローグ
ラウンジチェア 46万2000円 オットマン 14万4900円

 デンマーク、スウェーデンといった「北欧」家具人気に拍車がかかる近年。素朴さを感じる素材やデザイン性から、インテリアの定番として親しまれている。長く厳しい冬が続く北欧には、室内で快適に暮らすためのコツとして、秀逸なインテリアを生み出してきた背景もあるとされている。中でも「イス」という分野には、アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェングナーといったデザイナーが生まれ、名作と呼ばれるイスの数々を残していった。ソファーもあればダイニングチェアもあり、さらにデスクチェアなどそれぞれのシーンに合うイスが存在する。畳文化の日本であっても、もはやイスは日常に欠かせないものになっている。

 北欧に限らず、「イス」には世界中に名作・定番という冠の付く作品がある。例えば1950年代から1960年代ごろアメリカでデザイン・生産された「ミッドセンチュリー」。鮮やかな色使いと近未来的なデザインが特徴的だ。言わずと知れたミッドセンチュリーを代表する「チャールズ&レイ・イームズ」の作品は、今もなお多くの人に愛されている。文化的な影響も計り知れない。

 イームズ作品の製造権は、1949年にハーマンミラー社が獲得。同社はイームズ以外にもジョージ・ネルソンといった名だたるデザイナーとのコラボレート作品を展開し、ミッドセンチュリー時代をけん引していった。

 そのハーマンミラー社は現在、これらの作品を名作シリーズ「ハーマンミラー・フォー・ザ・ホーム」として販売しているが、「オフィスチェア」の生産を重点に展開している。

オフィスチェアの真髄
ハーマンミラー アーロンチェア

 ハーマンミラーは、1976年世界で初めて人間工学的な観点からチェアを開発。この後高機能ワークチェアを重点に開発・販売していき、現在ではオフィスチェアの代名詞ともなった「アーロンチェア」をコアとして、高機能ワークチェア3部作(アーロンチェア・ミラチェア・セラチェア)を展開している。

 コンセプトは「身体をイスに合わせるのではなく、イスが姿勢の変化に合わせること」。オフィスでの“座り方”は3つのタイプに分かれるのだという。

オフィスでの座り方
アーロンチェア

 これらの姿勢の変化をサポートするように設計された同社のワークチェアは、人間工学研究に基づいて作られた。研究を重ね、すべての体型や体重の人に合う製品に仕上げられている。「オーダーメイド感覚」がハーマンミラーの製品の最大のウリと言えるだろう。
 まずシートの高さ調整。続いてリクライニングの硬さ調整、背もたれの裏にあるランバーサポートの調節、骨盤をささえるポスチャーフィット調節が行え、さらにシートを約5度前傾のポジションに設定できる前傾チルト、リクライニングの範囲、アーム高さ・角度の調節というように、自分の好みや姿勢に合ったチェアに設定することができる。

 アーロンチェアには、クッションが入っていない。その理由は座面と背もたれに独自で開発したぺクリルサスペンションがクッション以上の効果をもたらすためだという。
 また、背もたれや座面の素材や形状は、耐圧を均等に分散させることと、通気性に優れ熱をコントロールするという、同時に2つの役割を果たしている。ポスチャーフィットと呼ばれるサポートシステムが、背もたれと下部の骨盤の隙間を埋め、猫背をカバー。正しい姿勢をキープすることができる。