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中級者も満足、豊富なフィルターも楽しい――ペンタックス「K-r」(2/3 ページ)

ペンタックスのデジタル一眼レフ「K-r」を試用した。エントリークラスに属する製品ながら、「自分好みの写真を撮る」ためのさまざまな装備や機能を搭載した“ハイスペックエントリー”だ。

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最大6コマ/秒の高速連写、多彩なフィルター処理

 測距点はK-xと同じく中央9点クロスの11点だが、AFセンサーに新型の「ASFOX IX」を搭載したほか、本体前面にはAF補助光ランプを用意することでAF速度を向上させている。また、K-xには搭載されていなかった合焦点のスーパーインポーズ機能も用意された。キットレンズは超音波モーター非搭載タイプなので、AF駆動時にはギュインというやや大きな音がする。

 ライブビュー撮影時のコントラストAFの速度も向上している。背面の「LV」ボタンを押すとミラーアップが行われ、シャッターボタンを判押しすると選択中のAFエリアが拡大されてAFが駆動し、全体の表示に戻る。ミラーアップの音は結構大きい。動きのある被写体へライブビューのコントラストAFでピント合わせをすることは難しいが、動作自体はキビキビしており、気持ちよく撮影できる。なお、ライブビュー時のAF方式にコントラスト/顔検出/位相差のそれぞれを選択できるのはK-xから引き継がれている。

photophoto ライブビュー撮影は背面の「LV」ボタンを押してから行う(写真=左)、モードダイヤルの下に見えるのがAF補助光ランプ(写真=右)

 K-xから大きな進化点のひとつとしては連写速度の向上があげられる。K-xでは最大4.7コマ/秒であった連写速度が最大6コマ/秒に高速化している。さすがにソニー「α55」の最大10コマ/秒にはかなわないが、EOS Kiss X4(最大3.7コマ/秒)やD5000(最大4コマ/秒)など他社製品に比べても高速。しかし、連写後にはメモリカード書き込みにやや時間のかかる傾向があるようだ。

 撮像素子はAPS-Cサイズ 有効1240万画素のCMOSセンサー。画像処理エンジンには「645D」にも採用されている「PRIME II」を採用しており、ISO感度は常用域でISO200〜12800までが選択可能(k-xは常用200〜6400)で、拡張設定時には100〜25600まで設定できる。ISO AUTO時の感度上限は400/800/1600/3200/6400/12800に設定できる一方で、ISO AUTO時の下限がISO 200というのはやや物足りないが、上限設定を細かく施せるのはうれしいところだ。シャッタースピード約4段分の効果を発揮する手ブレ補正機能「SR」はボディに内蔵されており、組み合わせるレンズを問わずに機能する。

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「INFO」ボタンからも「カスタムイメージ」「クロスプロセス」「デジタルフィルター」「HDR」の設定が行える(写真=左)、

 画像処理機能には「鮮やか」「リバーサルフィルム」「銀残し」など9種類の仕上がりを選択できる「カスタムイメージ機能」やオートのほか3段階に効果を設定できるHDR、「デッサン」「ポスタリゼーション」など全18種類のデジタルフィルターを搭載する。デジタルフィルターは撮影後の適用も可能だ。

 デジタルフィルターについては「カスタム」を利用すれば、好みのフィルター効果を作成して保存できるほか、クロスプロセスについては撮影が完了するまで結果の分からない「シャッフル」、3種のプリセット、好みの結果のパラメータを保存して次回にも適用できる「お気に入り」が用意された。これらフィルターはライブビュー撮影時に効果を確認しながら適用できるほか、カスタムを含めると膨大な数のフィルターを作成・適用することが可能なので、この機能を使い込むのも楽しそうだ。

photophotophoto 再生画面からのデジタルフィルター適用。効果はプレビューにて確認でき、効果の重ねがけもできる。元画像は保持されるので思い切ってさまざまな効果を試せる

 シーンモードには「ペット」や「夜景」「スポーツ」などのほか、撮影した画像を重ねあわせてダイナミックレンジを拡大する「夜景HDR」も用意されている。夜景HDRは画像の位置補正機能を備えており、手持ちで夜景の連写合成撮影を行える。また、設定でJPEG記録を選択していても、再生時に露出補正ボタンを押せば直近に撮影した1枚に限り、キャッシュからデータを読み込んでRAW形式で保存してくれる。これは普段はJPEGで撮影するヒトにとってうれしい機能といえる。

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