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ポロプリズムの復活――オリンパス「E-330」:矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」(2/2 ページ)
オリンパス「E-330」といえば「ああ、あの」と思い起こす人、いまだ愛用している人もいるはずだ。ポロプリズム方式を採用した希少性は今でなお、輝きを失っていない。
オリンパスブルーを探す楽しみ
E-330をまるでコレクターズアイテムのデジカメのように書いてしまったが、カメラとしての本来の性能はかなり高い。フォーサーズのレンズマウントを持っているのだから、今後発売される交換レンズにも対応するわけで、特徴をつかめば長く使えるカメラなのである。
オリンパスと言えば「オリンパスブルー」が有名だ。いわく「コダック製の青空を最もきれいに写すCCD」→「コダックブルー伝説」→「フォーサーズのCCDはコダック製」→「オリンパスも青がきれいなはず」→「オリンパスプルー!」となったらしいのだが。
僕はオリンパスのデジカメを長期間使ったことがない。今回初めて自由に使える機会を得たので、少し意識して青を撮影してみた。
抜けの良い、気持ちのいい写真が手元に残った。これが「オリンパスブルー」なのかは僕には分からない。きっとこの青が気に入ったユーザーがオリンパスを盛りたてているのだろう。
技術的に言えば、露出をアンダー側に落とすほどにきれいな群青色が出てきて、もう限界、ほぼ黒だろうという露出でもまだ青が残っているのが印象的だった。このへんがオリンパスの絵作りに多くのファンが存在する所以(ゆえん)なのかもしれない。
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