今から始める超入門!! iPad+iPhotoの写真管理術(後編):広田稔のMacでGO!(25)(3/3 ページ)
今回はiCloudのフォトストリームやEye-fiを使った、完全無線の写真同期について紹介。カメラとPCの間にiPadをかますことで、出先で写真がすぐに見られるのが便利だ。
その4、パソコンできっちり管理コース
・メリット:フォルダー分けなどの分類が楽
・デメリット:放置できずに整理の手間が必要
カメラやスマホの写真は、まずパソコンに集めて整理。iPadは閲覧専用に使うという「THE おふくろの味」みたいな旧来の手法だ。「もう語ることないでしょー」と思いきや、ここでも意外とフォトストリームが役立つ。
iPhoneやiPadで撮った写真は、そのままフォトストリームでMacに送ればいい。その3のiOSで見るのとは異なり、PCならオリジナルサイズできっちりダウンロードしてくれる。カメラの画像は、無線LAN対応のSDカードで飛ばすか、普通にカードリーダーでMacに取り込もう。出先でいったんiPadに取り込んで閲覧し、帰宅後にiPadからMacに保存してもいい。
iPadで画像を見る場合、「共有フォトストリーム」を利用するのがオススメだ。実は自分のフォトストリームは、保管期限が30日に限られている仕様。それ以前の写真は、iOS端末が以前に取得していれば、端末内のキャッシュで表示されるが、iPhoneやiPadをリセットしたり、新モデルに乗り換えると、30日/直近の1000枚までしかさかのぼれない。
一方、共有フォトストリームは削除を指示しない限りずっとiCloud上に写真が残っている。最大100個、1つにつき5000枚まで保存しておけるので、たいていの人は「2013」や「2012」といった年単位で分けて共有を指示すれば問題なく分類できるはずだ。本来は共有目的だが、自分用に使ってもいい。
さらに共有フォトストリームはビデオも扱える。ファイル形式は.mp4か.mov、映像コーデックはH.264かMPEG-4、最長5分間、解像度は720p(1280×720ドット)という制限があるので、変換が必要なこともあるが、自分のフォトストリームにはない魅力だ。
実は1番ベーシックなiTunesを使ってMacの写真をiPadに送る手段も試したが、同期にめちゃくちゃ時間がかかるのが難点だった。日本の多くは3G/LTE/無線LANが使える環境にあるので、共有フォトストリームを利用するほうが気軽なはずだ。
プロジェクト名も同期
筆者的に「フォトストリーム意外と便利じゃん!」と思ったのは、MacのAperture同士ならプロジェクト名も同期してくれる点。iOSからiCloudに転送した写真は、「月 年 フォトストリーム」というプロジェクト内に月ごとに分類されるが、せっかくパソコンに取り込むならイベントごとに分けて整理したいという声もあるはず。
例えば、出先のMacBook Airで「年末旅行」というプロジェクト名をつけて画像を取り込むと、フォトストリーム経由で写真が送付されて、自宅のiMacでも「年末旅行」というプロジェクト名をつくって同期してくれる。MacBook Airでは必要なショットだけ取り出して編集したら、プロジェクトごと消去。あとはiMacでフォルダーわけしつつ、共有フォトストリームに流す。
その5、iPadだけで完結コース
・メリット:SDカードでストレージを拡張できる
・デメリット:無線LAN対応カードリーダーが必要
最後は、iPadの内蔵ストレージ容量を超えるフォトライブラリーを常に持ち歩きたい人向けのコースになる。例えば、16GバイトモデルのiPadをWebブラウズとメール用に買ってみたものの、意外と写真やビデオを見るのにも便利だと気づいた……。
そんなシチュエーションでは、「AirStash」のような無線LAN対応のカードリーダーを用意すれば、iPadから無線LAN経由でアクセスしてSDメモリーカードを外付けHDDのように扱える。必要最低限の写真だけiPadに取り込み、あとはSDメモリーカードで持ち歩けばいい。動画の場合も、iTunesを使ってiPad内に同期しなくても、SDメモリーカード上のものを無線LAN経由でストリーミング再生できる。
以上の5つのコースは単純化しているので、組み合わせて使うのもアリだろう。
iPadを触っていて感じたのは、「写真版iPod」ともいうべき存在だということ。最新版ではAirもminiも内蔵ストレージの最大容量が128Gバイトになっている。そのうちの100Gバイトを写真用に使うとしても、1枚1MバイトのJPEG画像なら約10万枚、2Mバイトでも約5万枚ほど保存できるわけだ。
人生でどれくらい写真を撮るかは人によるだろうが、多くの人は数十年分の写真を1枚のiPadに収められるのではないだろうか。かつてiPodは自分の音楽ライブラリをすべて持ち運べて、ホイールをくるくるスリスリしながら曲を探せたのが便利だった。それと同様にiPadはアルバムを丸ごと持ち運んで、タッチでサクサク閲覧したり、iPhotoでいろいろ活用できるツールといえる。新iPadを手に入れて、人生を豊かに過ごしてほしい。
著者紹介:広田稔
Mac雑誌の編集者、IT系ニュースサイトの編集記者を経てライターに。アップルとインターネットが専門分野で、初代iPhoneが発表された「Macworld Expo 2007」や、初音ミクの海外初ライブとなる「MIKUNOPOLIS」、ニコニコ動画史上最大のイベント「ニコニコ超会議」などをがっつり取材した。
近著は「ニコニコ動画めもりある ニコニコ大会議編」(アスキー・メディアワークス)など。個人のTwitterアカウントは「kawauso3」です。
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