さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。今回は神田小川町のオリンパスプラザ東京で、2014年6月5日から開催予定の田中裕子写真展「グアテマラ、先住民に知る」を紹介する。
中米、グアテマラ共和国。国民の約半数をマヤ系の先住民が構成し、ウィピルと呼ばれる民族衣装に代表される色彩豊かな伝統文化が色濃く残る。1996年まで 36年に及んだ内戦の後遺症、治安、人権侵害など、複雑で深刻な問題を多く抱える。
2013年3月、内戦時の独裁者リオス・モント元将軍を大量虐殺と人道に対する罪に問う裁判が開始、元国家元首が虐殺の罪で自国の司法制度によって裁かれるのは世界でも初めてとなった。
グアテマラの特徴ともされる先住民。その8割は深刻な貧困状態に生きる。国内における先住民族と非先住民族間の生活の様式や水準の格差は二極化、グアテマラはまるで1つの国の中に2つの異なる国を抱える国家ともいわれる。
先住民のほとんどは教育や保健医療など公共サービスを受ける機会を得られず、日々の食糧や飲料水の確保もままならない家庭も多い。
家族に経済的負担をかけまいと、自分の病気の治療よりも死を選んだ5人の子の父親。家計を助けるため幼くして家族と離れ働くなか、感電事故により両手と右足の指の切断を余儀なくされた少女。家財道具をもたない家で、むき出しの土の床で眠る家族。
本展では、2011年より1年半暮らしたグアテマラで撮影した写真の中から、過酷な生活環境や社会的不平等にあえぎながらも、伝統文化を継承しつづけるグアテマラ先住民の生きる現状とその姿を展示する。
写真展の詳細
名称 | 田中裕子写真展「グアテマラ、先住民に知る」 |
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開催期間 | 2014年6月5日(木)〜6月11日(水) |
開館時間 | 10時〜18時(最終日15時終了) |
定休日 | 日曜、祝日 |
入場 | 無料 |
会場 | オリンパスプラザ東京 |
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