富士フイルム、進化したハイブリッドビューファインダー搭載の「X100T」を発表
光学ファインダーとEVFの“いいとこ取り”が可能な「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載したプレミアムコンパクトカメラの最新モデルが登場。外観は「X100S」をほぼ踏襲する。
富士フイルムが9月10日、新製品発表会を開催し、プレミアムコンパクトカメラ「X100S」の後継となる「X100T」を披露した。発売は11月を予定している。
X100シリーズの特徴の1つである、光学ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)の表示を適宜切り替えて使えるハイブリッドビューファインダーが強化され、「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を備えたのが大きな特徴だ。
光学ファインダーとしては、NDフィルターで一部を遮光し、その部分にピントエリアの画像をデジタルで拡大表示する機能を世界で初めて搭載。デジタルスプリットイメージやフォーカスピーキングにより、機械式レンジファインダーカメラのようなピント合わせが可能。また、マニュアルフォーカス撮影時に、被写体とカメラの距離に応じてパララックスがリアルタイムで確認できるフレームを表示するなど、便利な機能も備えた。
EVFの表示タイムラグは従来比で5分の1に短縮。さらにシーンに応じて自動でファインダーの明るさを制御する機能なども備える。カメラを縦位置に構えるとファインダーの表示も縦用に変わるなど細かな使い勝手も改善している。
外観は、定評のあるX100Sのデザインを踏襲しつつ、ダイヤルの操作性向上などを図った。例えば絞りはレンズ鏡胴のリングを使うことで3分の1段刻みでの変更が可能になったほか、7つのファンクションボタンに好みの設定を割り当てられる。電子シャッターに対応したことで、最速3万2000分の1秒までシャッターが切れるようになった。レンズは23mm(35ミリ換算で35mm)F2の単焦点。
センサーはAPS-CサイズのX-Trans CMOS II。有効1630万画素のセンサー内にAF動作用の位相差画素を備え、コンパクトながら約0.08秒の高速AFを実現した。ISO感度は最大51200(拡張モード)まで対応。「X30」発表時に公開された新たなカラーモード「クラシッククローム」を標準搭載。フィルムシミュレーションの設定を変えることで、落ち着いたトーンで豊かな色合いを表現できる。背面モニターは3.0型で、約104万画素と精細だ。
外形寸法は幅126.5×高さ74.4×奥行き52.4ミリ、重量は約440グラム(付属バッテリー、メモリーカード含む)。標準撮影枚数は330枚。
一部をのぞき、オプション品はX100Sのものを継続して利用できる。例えば画角を28ミリ相当に変えるワイドコンバージョンレンズ「WCL-X100」や、50mm相当に変えるテレコンバージョンレンズ「TCL-X100」、レザーケース「LC-X100S」などは引き続き利用できる。
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