ボケ味とヌルヌル感が心地よい広角単焦点――カールツァイス「Loxia 2/35」:交換レンズ百景
描写性能はもちろん、デザインと操作感にも独自のこだわりを持つカールツァイスレンズ。その最新作として、幅広い用途に使いやすい焦点距離35ミリの単焦点レンズが登場した。
高級感と剛性感が漂う金属製の鏡胴
カールツァイスから、広角単焦点レンズの新作「Loxia 2/35」が登場した。フルサイズのミラーレスカメラ、ソニーα7シリーズ用に設計されたレンズであり、一足先に発売された「Loxia 2/50」に続く、Loxiaシリーズの第2弾となる製品だ。
外観デザインは、Loxia 2/50を踏襲する。外装は高級感と剛性感に満ちたフルブラックの金属製で、マウント部の周辺には青いゴムスカートを配置する。レンズの全長は66ミリで、最大径は62.1ミリ、重量は340グラム。Loxia 2/50よりも20グラム重いが、サイズはほとんど同じだ。
ピント合わせはマニュアルフォーカスのみに対応する。フォーカスリングは、回転角が大きめで、ほどよいトルクを感じながらヌルヌルと動く。その滑らかな感触こそ本レンズの大きな魅力といっていい。
絞りリングについては、通常は1/3段ステップでのクリック感のある操作となる。同梱ツールを使ってマウント面にある調整ネジを回すことで、動画撮影用にクリック感のないリング回転操作に変更することが可能だ。
またマウント部には、各種の情報伝達用の電子接点を搭載する。これによって、Exifへの情報記録ができるほか、フォーカスリングの回転によってカメラ側で自動的に背面モニターが拡大表示になるMFアシスト機能が利用できる。このあたりの機能と操作性は、Loxia 2/50と共通したものだ。
常用レンズに最適な焦点距離と開放F値
焦点距離は35ミリで、開放値はF2.0に対応。最短撮影距離は30センチとなる。ソニー製のカールツァイスレンズ「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」に比べた場合、本レンズのほうが開放値が1段明るく、最短撮影距離は5センチ短い。このことは表現の幅を広げるアドバンテージといっていい。重量は約2.8倍重く、価格は約1.6倍高くなるが、かといって、べらぼうに高価で重いレンズというわけでもない。
写りについては、絞り開放値でのソフトなボケの美しさと、絞り込んだ際のクリアで高コントラストな表現が魅力といえる。歪曲や色収差も目立たないように低減されている。
35ミリという焦点距離は、スナップから風景、静物、ポートレートまで幅広い用途に役立つ。このレンズ1本とカメラ1台だけを持って撮影旅行に出掛けるのも楽しいだろう。
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