オリンパス、レンジファインダースタイルのミラーレス一眼「PEN-F」を発表
懐かしのハーフサイズカメラと同じ名を冠したミラーレス一眼「PEN-F」がオリンパスから登場。これまでのPENとは異なる、質感の高い通好みのカメラだ。
オリンパスが1月27日、レンジファインダースタイルのマイクロフォーサーズ規格に準拠したミラーレス一眼「PEN-F」を発表した。2月26日から販売を開始する。価格はオープンプライスだが、実売予想価格は15万円前後(税別)。M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0ガセットになったレンズキットモデルは、実売予想価格21万円前後(税別)。
PEN-Fは、フィルム時代のハーフサイズカメラ「ペンF」のデザインイメージを継承したミラーレス一眼カメラ。クラシカルな外観は、上部と前面がマグネシウム合金製、底面とダイヤルはアルミ製で、外部から一切ビスが見えない構造になっている。バリアングル液晶の裏側には、ボディと同じ革調素材をあしらっており、閉じた状態ではクラシックカメラのようなたたずまいを見せる。
撮像素子は、新開発のLive MOSセンサーで、解像度は有効約2030万画素。ローパスフィルターレスで、ISO感度は80相当から25600をカバーする。画像処理エンジン「TruePic VII」との組み合わせにより、一眼カメラの中でもトップクラスの高画質を実現したという。カメラを固定し、半画素ずつセンサーをずらして8コマの画像を撮影し、それを合成して高解像が得られる「ハイレゾショット」は、5000万画素相当に進化した。
ボディ内蔵の手ブレ補正機構は、シャッター速度で最大5段分のブレが補正可能。レンズを選ばず手ブレ補正ができるのが大きな特徴だ。さらに、「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mmF4.0 IS PRO」のような手ブレ補正機構を持つレンズと組み合わせると、ボディ内の手ブレ補正と協調してより強力な補正が可能になる「5軸シンクロ手ブレ補正」にも対応する。
写真の仕上がりをさまざまな形でコントロールできる「モノクロプロファイルコントロール」「カラープロファイルコントロール」を搭載したのも特徴の1つ。撮影後に加工するのではなく、撮影時に効果をファインダーで確認しながら撮影できる。モノクロプロファイルコントロールでは、カラーフィルター効果やハイライト&シャドーコントロール、シェーディング効果、粒状フィルム効果、調色といった効果を組み合わせて利用可能。カラープロファイルコントロールでは、12分割した色の彩度を個別に調整したり、色合いを好みに合わせて変更したりできる。これらはの機能は、ファインダーをのぞきながら操作しやすいよう、ワンタッチで呼び出せる「クリエイティブダイヤル」をボディ前面に設けているのもポイントだ。「アートフィルター」や「カラークリエーター」などと合わせて作品作りに役立つ機能といえる。
PENとしては初めて搭載した電子ビューファインダー(EVF)は有機ELパネルで、画素数236万ピクセル、視野率約100%、倍率1.23倍(35mm判換算で0.62倍)を実現。「OVFシミュレーション」機能を使うと、ダイナミックレンジが拡大されて、光学ファインダーに近いイメージで撮影ができる。拡大表示や、3段階・4色から選べるフォーカスピーキング機能も用意。マニュアルでのピント合わせもしやすく配慮されている。背面の液晶モニターは3.0型でタッチパネルを搭載。バリアングル式で、縦横さまざまなアングルでの撮影にも対応しやすい。
レリーズタイムラグが約0.044秒と、ミラレス一眼カメラでは最短を誇り、最速1/8000秒に対応したメカニカルシャッターなど、そのスペックはOM-Dシリーズと比べても非常に高い。メカシャッター時は秒間10コマ、コンティニュアスAF時で秒間5コマ、静音撮影モード時で秒間20コマの高速連写が可能だ。また光跡の変化を記録し、長時間露光のような写真を簡単に撮れる「ライブコンポジット」や、4K対応タイムラプス動画、ピント位置を変えながら複数枚の静止画を連写する「フォーカスブラケット」などの機能も充実している。
オプションとして、金属製の外付けグリップ「EGC-4」や、本革ボディージャケット「CS-47B」、本革ストラップ「CSS-S120L PR」、本革ラッピングクロス「CS-48 PR」、本革カメラバッグ「CBG-11 PR」などもラインアップしている。
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