キヤノン、次世代フラッグシップモデル「EOS-1D X Mark II」を発表
キヤノンが次世代のプロ向けフラッグシップデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark II」を発表した。4月下旬に発売する。
キヤノンが2月2日、デジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「EOS-1D X」の後継機「EOS-1D X Mark II」を発表した。4月下旬に発売を予定している。価格はオープンプライスだが、実売予想価格は73万円前後(税込)になる見込みだ。
EOS-1D X Mark IIは、35mmフルサイズの2020万画素CMOSセンサーに画像処理エンジン「DIGIC6+」2機を組み合わせた、次世代のプロ向けモデルとして開発された製品。EOS-1D Xと比べると、画素数が1810万から2020万に増えているが、集光率をアップさせるギャップレスマイクロレンズを採用し、高感度性能を実現したほか、低ISO感度時の暗部ノイズを低減している。読み出しも高速化されており、最高で秒間約14コマ(ライブビュー撮影時は秒間約16コマ)の高速連写に対応。高速な連写を実現するため、ミラーにも改良を加え、新たにミラーを減速する機構や、衝撃のエネルギーを逃がし、ミラーを止める新機構も採用している。
4K動画(60p/50p)の撮影も可能。フルサイズのセンサーでは初めてDual Pixel CMOS AFを搭載し、ライブビューや動画撮影時の高速かつ高精度なAFも実現している。ISO感度は静止画で常用ISO51200、拡張ISOは409600を実現しており、暗所での撮影領域が拡大。同じISO感度でも、EOS-1D Xと比べると、より画質が高くなっているという。
AFセンサーは、新しい61点AFセンサーを備え、EOS-1D Xと比べ、周辺エリアで上下最大約24%、中央エリアで上下最大約8%測距エリアが拡大。測距点の数こそEOS-1D Xと変わらないが、全点F8での測距に対応、うち21点はクロスに対応している。EOS-1D系では初めてラージゾーン機能も搭載した。低輝度限界性能は−2EVから−3EVに向上。EOS 7D Mark IIなどに搭載されていた、蛍光灯下などで連写時に露出が不安定になる減少を回避するフリッカーレス撮影もサポートした。測光センサーは10万画素から36万画素に向上、さらに赤外線検知により被写体認識能力や露出精度が向上している。AFの軌跡を覚え、精度を上げるサーボシーン解析機能を備えたほか、AFフレームの赤色表示が復活しファインダー内の視認性も向上させている。
画像処理エンジンはDIGIC 6+を2つ搭載し、JPEG撮影時の歪曲収差補正や回折補正を連写スピードに影響を与えることなく実行。さらにカメラ内RAW現像機能により、これまでPC上で実行していたDPP(Digital Photo Professional)による各種補正機能と同等の処理をカメラ内で実行できるのも特徴だ。球面収差やコマ収差、非点収差の補正、ローパスフィルターなどによる画質への影響の補正などがPCレスで実行可能。レンズの補正データもカメラ内に持つため、ダウンロードや登録は不要だ。
ボディはマグネシウム合金製で、防塵・防滴仕様。GPSを内蔵しており、位置情報がカメラ単体で取得できる。Wi-Fi機能は搭載していないが、オプションのワイヤレスファイルトランスミッター(WFT-E8)がIEEE802.11acに対応。WFTを使えば、EOS-1D系で初めてとなる、スマホアプリCamera Connectも利用できる。背面の液晶モニターは3.2型で、約162万ドットに精細化。さらにタッチパネルになったことで、AFフレームの移動や拡大表示などにタッチ操作が利用できる。
ボディサイズは約158.0(幅)×167.6(高さ)×82.6(奥行)mm、重さは約1530g(メモリーカード、バッテリーを含む)。メモリーカードスロットは2つ搭載しており、CFカード(タイプI準拠、UDMAモード7対応)もしくはCFastカード(CFast 2.0対応)が利用できる。
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