プロも認める、Xシリーズ史上最高の描写を実現した「FUJIFILM X-Pro2」(2/2 ページ)
世界中のプロに認められたXシリーズにさらに磨きがかかった。虚飾を排して「撮るための道具」として正常進化を遂げた「FUJIFILM X-Pro2」は、久しぶりに欲しいと思ったカメラだ。
X-Pro2にはいいレンズを組み合わせて使いたいものだ。定評ある56mmを絞り開放でシューティング。立体感のあるボケと雰囲気のある発色がイメージ通りとなった。
新搭載のACROSモードはトーンが豊かで深みのあるモノクローム撮影が可能だ。グレイン・エフェクトを使えば粒状感も演出できるので、ダイナミックな写真を得ることができる。
ACROSモードを気に入ってしまい、このモードで数多くシャッターを切った。X-Pro2発表会で大きくプリントされたものを見たが、出力したものもリッチで芳醇な描写に感じた。
人気のあるクラシッククロームモードももちろん搭載されている。重厚で渋みのある発色は写真に重みを加味してくれる。X-Processor Proによって処理が高速になったので、フィルムシミュレーションブラケットも早くなった。
APS-Cセンサー搭載のためボディはマイクロフォーサーズ機に比べるとやや大きいが、横位置はもちろん縦位置でのホールド感がいい。意匠変更したグリップも握りやすく、望遠ズームレンズを装着しても問題なさそうだ。
ウリのアドバンストハイブリッドマルチビューファインダーはなかなか面白い。気分によって設定を変えて、レンジファインダーライクに撮るのもいいし、EVFモードで厳密にフレーミングするのもいい。
プロ機として全体的なレスポンスが向上したのがうれしい。とっさのシャッターチャンスはもとより、RAWで連写しても処理が高速なのが心強い。デュアルSDカードスロット採用により、フォーマットによる振り分け記録ができるのも○。
さまざまなミラーレス一眼カメラがあるが、独特の深みのある写真的描写はこのX-Pro2が一番だと感じる。これはやはり富士フイルムという企業が培ってきた銀塩時代からの技術の成果だろう。
フィルムのよう、と言ってしまえば簡単だが、X-Pro2の描写は粘りがあり、湿り気があり、空気感が存在するような印象を受ける。その描写の引き出しを数多く持っているのがすごいと感じた。
X-Pro2は軍艦部のシャッタースピードダイヤルと、Rレンズにある絞りリングを繰って、撮影するのがとても楽しい。適切な距離感を保った操作系は実に使いやすい。機能のための機能、デザインのためのデザインでなく、撮る道具としての誇りをX-Pro2に見た。
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